
ノブです。
国土交通省が2026年7月31日に発表した建築着工統計調査報告(令和8年6月分)によると、6月の新設住宅着工は持家も貸家も分譲住宅も増えて、全体で前年同月比18.6%の増加になりました。
季節調整済年率換算でも、前月比3.9%の増加です。
止まっていた人が、動き出しています。
数字だけ見ると他人事ですが、これは打ち合わせの順番待ちに出てきます。設計の担当がふさがっている時期に「小さい家なので簡単に出せます」と頼むと、後ろに回されることが実際にありました。小さい家ほど、こちらが条件を整理してから持ち込んだほうが早く進みます。
その20坪の話です。
20坪は約66㎡。このサイトで書いてきた坪数の中では、いちばん下の段になります。
僕は25坪2LDKの図面を頼んだときに、ついでという顔で20坪でも1枚出してもらったことがあります。返ってきた図面を見て最初に言われたのが「玄関と廊下だけで、延床の1割を超えています」という一言でした^^;
5坪落としたのに、金額の下がり幅は思ったより小さかったんです。
この記事では、20坪という広さの中身から始めて、延床を減らしたときに見積書のどの行が減ってどの行が減らないのか、水まわりと玄関が占める割合、狭い土地や四角くない土地への置き方、そして規格の平屋と並べる手順まで書いていきます。
- 20坪は66.1㎡で、間取りは1LDKか2LDKに落ち着く
- 見積書の行は、面積・長さ・1件あたりの3通りで減り方が違う
- 申請と仮設と引き込みは、小さくしても下がりにくい
- 66.1㎡は長期優良住宅の75㎡という線には届かない
- 規格の平屋と自由設計を、同じ20坪の合計で並べる
カタログではなく、20坪という条件で作った間取りプランと資金計画書が無料で届きます。
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20坪の平屋は約66㎡、1LDKか2LDKに落ち着く
- 20坪は66.1㎡で、畳に直すと40畳ほどの広さになる
- 3LDKに割ると1部屋が4.5畳を割り込みやすくなる
- 当サイトで扱ってきた坪数の中では一番下の段にあたる
- 66.1㎡はフラット35の50㎡という線は超えている
金額の話に入る前に、20坪がどのくらいの広さなのかを置いておきます。
坪という単位は、図面の上ではぴんと来ません。僕も最初は「20坪ならワンルームマンションを2つ並べたくらいかな」と思っていて、実際に図面が出てきたときの印象とずいぶんずれていました。狭いと思っていたら意外と部屋が取れていて、でも廊下がほとんど無かったんです。
だから、畳と部屋の数に直すところから始めます。
20坪は66.1㎡、畳に直すと40畳ほど
1坪は約3.3058㎡です。
20坪なら66.1㎡。
畳1枚を1.62㎡として割ると、およそ40畳ぶんの床になります。もちろん壁の厚みや廊下も含んだ数字なので、部屋として使える畳数はここから減ります。
40畳と聞くと広そうに感じますよね。
ところが、そこから玄関、廊下、浴室、洗面所、トイレ、それに収納を引いていくと、居室として残るのは25畳から28畳くらいでした。
66.1㎡のうち、居室として使えるのは6割から7割だと思っておくと、図面を見たときのずれが小さくなります。
この感覚は、賃貸で暮らしたことのある人なら持っています。
ファミリー向けの分譲マンションが70㎡前後なので、20坪の平屋はそれより少し小さい床に、階段の無い1階建てを置いた形です。マンションと違うのは、壁の外側に屋根と基礎と外壁がそのぶんだけ広がっていること。ここが金額に効いてきます。
床は小さくても、外側は小さくなりません。
3LDKに割ると、1部屋が4.5畳を割り込む
次に、部屋の数です。
20坪で3LDKを取ろうとすると、LDKを14畳にしても、残りの3部屋は合計で11畳から13畳しか残りません。1部屋あたり4畳前後です。
ベッドを置くと、動く場所が残りません。
20坪で3LDKは形としては描けますが、1部屋が4.5畳を割り込むので、寝室として使えるのは1つか2つになります。
だから、現実的な落としどころは1LDKか2LDKでした。
1LDKにすると、LDKを18畳から20畳まで取って、寝室を8畳にしてウォークインの収納を付ける、という組み方ができます。2LDKなら、LDK15畳前後、寝室6畳、もう1部屋を4.5畳から6畳で置く形です。
部屋を増やすほど、壁と建具と照明とスイッチが増えます。
その1本1本が、見積書の行になります。
20坪では、部屋の数を1つ増やすかどうかが、そのまま金額の話になります。
僕が20坪で出してもらった図面は2LDKでしたが、もう1部屋は引き戸でLDKにつなぐ形になっていて、独立した個室としては数えにくいものでした。担当の方の説明も「2LDKと書きますが、実質は1LDKに近いです」という正直なものです。
数字より、使い方でした。
当サイトで扱ってきた坪数の中では、一番下の段
このサイトでは、坪数ごとの費用を何本か書いてきました。
25坪2LDK、28坪3LDK、30坪3LDK、32坪4LDK、35坪3LDK、40坪4LDK。この並びの中で、20坪はいちばん下です。
つまり、平屋としては小さいほうの端になります。
端にあるものは、真ん中のものとは性質が違います。30坪台の記事に書いたことをそのまま20坪に当てはめると、合わない場所が出てくるのはそのためでした。坪単価の目安も、間取りの組み方も、敷地の考え方も、端では変わります。
ここが、この記事を分けて書いた理由です。
5坪だけ上の帯と比べたい人は、5坪足した25坪2LDKで、間取りと金額がどう変わるかのほうに、もう1部屋と収納の取り合いまで書いてあります。
20坪と25坪は、たった5坪の差です。
その5坪で、収納が1つ増えるか、来客の寝場所が作れるか、寝室を2つに分けられるかが決まりました。どちらが正しいということではなくて、自分の暮らしがどちらの側にあるのかを決める話です。
66.1㎡は、フラット35の50㎡という線は超えている
小さい家を考えるときに、最初に確かめておきたいのが面積の線です。
制度には、床面積で切られるものがいくつもあります。
住宅金融支援機構のフラット35の対象となる住宅・技術基準では、一戸建て住宅等の床面積は50㎡以上と決められています。マンションなら30㎡以上です。
20坪は66.1㎡なので、この線は超えています。
ここで安心した人も多いと思います。僕も、20坪という数字を口にしたときに「それだとローンが組めないのでは」と言われたことがあって、実際に基準を読むまでは気になっていました。
一戸建てで50㎡以上という線は、20坪なら16㎡ほどの余裕を持って超えています。
ただし、超えられない線もあります。
そちらは3つ目の章で書きます。面積で切られる制度は1つではなくて、50㎡の線を超えたからといって全部が通るわけではありませんでした。
線は、いくつもあります。
延床を減らしたとき、見積書の行は3通りの減り方をする
- 床や屋根の仕上げは、面積に比例してまっすぐ減っていく
- 外壁や配管は長さで決まるので、面積ほどには減らない
- 設備や諸経費は1件あたりなので、ほとんど動かない
- 3つの割合を出すと坪単価が上がる理由が数字になる
- 25坪の見積書があるなら行ごとに差額を引いてみる
ここからが、金額の中身です。
小さい家は1坪あたりが高く出る、という話はよく語られます。僕も何度も読みました。ただ、読んだだけでは見積書のどこを見ればいいのかが分からなくて、25坪と20坪の2枚を並べたときに、結局は行を1つずつ追うことになったんです。
蛍光ペンを3色用意して、塗り分けました。
面積で減る行、長さで減る行、まったく減らない行。この3色に塗り分けたら、坪単価が上がる理由がその場で見えました。だからこの章は、その3色の話です。
面積に比例して、まっすぐ減る行
1色目は、床の面積にそのまま比例する行です。
床の下地と仕上げ、天井の下地と仕上げ、断熱材、屋根の葺き材、基礎のコンクリートと鉄筋。このあたりは、延床が25坪から20坪に減れば、おおむね2割減ります。
素直な行です。
平屋はここの割合が2階建てより大きくなります。同じ延床なら、基礎も屋根も2階建ての倍の面積になるからです。逆に言うと、平屋は延床を減らしたときに、この1色目がしっかり効いてくれる形でもありました。
平屋で延床を5坪減らすと、基礎と屋根も5坪ぶん減るので、この行の下がり方は2階建てより大きくなります。
だから、20坪を選ぶ意味がいちばん出るのもここです。
屋根の面積が減れば、次の塗り替えや葺き替えのときの金額も減ります。足場を掛ける面も小さくなるので、10年後、20年後の手入れまで含めると、この1色目の差は最初の見積書に出ている金額より大きくなりました。
先の費用まで含めて、初めて意味が分かる行です。
長さで決まるので、面積ほどには減らない行
2色目は、長さで決まる行です。
外壁、内壁の下地と仕上げ、給排水の配管、電気の配線、それに窓枠まわりの防水。これらは面積ではなく、壁の長さや配管の長さで数えます。
ここが、思ったより減りません。
理由は単純な算数でした。正方形に近い形で床の面積を2割減らしても、四辺の長さの合計は1割ほどしか減らないからです。25坪で1辺が約9.1mの正方形なら、20坪では約8.1m。四辺の合計は36.4mから32.4mになるだけです。
面積は2割減っても、外周は1割ちょっと。
外壁のように長さで数える行は、延床を2割減らしても1割ほどしか減りません。
しかも、20坪の家は形が細長くなりがちです。
狭い土地に置くことが多いので、正方形ではなく、間口の狭い長方形になります。同じ66.1㎡でも、3m×22mのような極端な形にすると、外周は50mに届きます。面積は同じなのに、外壁の行だけが5割増しになる計算でした。
形が、そのまま金額です。
1件あたりで動かない行
3色目が、ほとんど動かない行です。
キッチン、ユニットバス、洗面化粧台、トイレ、給湯器、分電盤、玄関ドア。それに建築確認の手数料、地盤調査、現場管理の人件費、会社の諸経費。
1軒あたり1つ、という数え方の行です。
20坪でも35坪でも、風呂は1つ、玄関ドアは1枚。給湯器も1台です。夫婦2人で使おうが4人で使おうが、台所に入るシステムキッチンは1セットになります。
設備と諸経費は1軒あたりで決まるので、延床を2割減らしてもほとんど動きません。
ここが、坪単価を押し上げている正体でした。
しかも、20坪を選ぶ人ほど、この行を削りたがりません。夫婦2人や一人暮らしで建てる人は、広さより中身にお金を回したい人が多いからです。僕が話を聞いた中にも、延床は20坪でいいけれど浴室だけは広いサイズにしたい、という人がいました。
気持ちは分かります。
20坪で設備のグレードを上げると、1坪あたりの単価は一気に上がって見えるので、比べるときは合計の金額で並べます。
坪単価という数字は、この3色目の割合が大きいほど大きく出ます。悪い数字ではなくて、そういう性質の数字だというだけでした。
3つの割合を出すと、坪単価が上がる理由が数字になる
3色に塗り分けたら、それぞれの合計を出します。
僕が20坪の見積書でやったときは、面積で減る行がおよそ4割、長さで決まる行が3割、1件あたりの行が3割でした。会社や仕様で変わる数字なので、これは一例です。
それでも、割合が出ると話が変わります。
延床を2割減らしたときに減るのは、1色目の4割ぶんが2割減って全体の0.8割、2色目の3割ぶんが1割減って全体の0.3割、3色目はゼロ。合計で1.1割ほどしか下がらない計算になります。
2割減らして、1割しか下がらない。
延床を2割減らしても合計が1割ほどしか下がらないなら、坪単価は1割近く上がって見えます。
この計算を一度やっておくと、見積書を見たときの反応が変わりました。
「20坪なのに坪単価が高い」ではなく、「3色目の割合が3割だから、この出方で合っている」と読めるようになります。読めるようになると、会社に聞く質問も変わってきました。
聞くのは、割合です。
「この見積書のうち、面積で動く行はどのくらいの割合ですか?」と聞くと、真面目な担当の方なら一緒に電卓を叩いてくれます。
25坪の見積書があるなら、行ごとに差額を引いてみる
すでに別の坪数で見積もりを取っている人は、もっと早い方法があります。
2枚を並べて、同じ行どうしを引き算するだけです。
差がゼロの行、少しだけ減っている行、しっかり減っている行。この3つに分かれるので、塗り分けをしなくても、さっきの3色がそのまま出てきます。
15分もかかりません。
このとき気をつけるのが、行の名前が同じでも中身が違うことです。同じ「仮設工事」でも、A社は足場だけ、B社は仮設のトイレと電気と水道まで入れている、ということが実際にありました。名前ではなく、中身で並べます。
2枚の見積書を引き算するときは、行の名前ではなく、その行に何が入っているかで対応させます。
引き算の結果は、そのまま質問になります。
「20坪にしたら、この行はいくら変わりますか?」という聞き方です。減らない行を減らないと答えてくれる会社は、数字の出し方が正直でした。逆に、全部が面積に比例して下がるような見積書が出てきたら、そのほうが後で動きます。
下がりすぎる数字は、あとで戻ってきます。
申請と仮設と引き込みは減らない
- 確認申請の手数料は自治体の条例で区分ごとに決まっている
- 足場や仮設トイレは工事の日数で金額が決まってくる
- 給排水の引き込みは道路から敷地までの距離で決まる
- 66.1㎡は長期優良住宅の75㎡という線には届かない
前の章で3色目と呼んだ行を、もう少し細かく見ていきます。
ここは、20坪を選んだ人がいちばん驚く部分でした。小さくしたぶんだけ全部が軽くなると思って計画を立てると、この枠で計算が合わなくなります。僕も、仮設工事の金額が25坪のときとほとんど同じで、一度電卓を打ち直しました^^;
減らない理由には、それぞれ根拠があります。
根拠が分かると、削る場所を別に探せるようになるので、1つずつ書いていきます。
確認申請の手数料は、床面積の区分で決まる
家を建てるには、建築確認が要ります。
その手数料は自治体が条例で決めていて、床面積の区分ごとに額が並んだ表になっています。区分の刻みは自治体によって違うので、自分の市区町村の表を見るのが早いです。
ここで見るのは、20坪と30坪が同じ欄に入っているかどうかでした。
同じ欄なら、手数料は同額です。延床を10坪減らしても、この行は1円も減りません。
確認申請の手数料は区分で決まるので、区分をまたがない範囲で延床を減らしても金額は変わりません。
それと、申請は1回では終わりません。
着工前の確認申請のほかに、工事の途中の中間検査と、終わったあとの完了検査があります。検査を受けて検査済証をもらうところまでが一式で、この書類は将来この家を売るときや、増築するときに使います。
どれも、面積ではなく1件あたりです。
設計のほうの費用も同じでした。20坪の図面を引く手間は、30坪の図面を引く手間より少しだけ軽いかもしれませんが、確認申請の図書をそろえる手間は変わりません。構造の計算も、仕様書も、同じだけ要ります。
書類の厚みは、坪数では変わらないんです。
足場と仮設のトイレは、日数で決まる
仮設工事も、面積では決まりません。
足場は建物の外周と高さで数えるので、前の章の2色目に近い性質です。20坪の平屋なら足場の面は小さくなりますが、組んで解体する手間そのものは1回ぶんかかります。
そして、日数の行があります。
仮設のトイレ、仮設の電気と水道、現場を囲う仮囲い、それに資材を置く場所。これらは「1か月いくら」という形で計算されることが多いので、工期の長さで決まりました。
20坪の平屋の工期は、30坪の平屋より短くなります。
ただし、半分にはなりません。
基礎を打って養生する日数、屋根を葺く日数、外壁を張る日数、内装を仕上げる日数。どれも面積が減れば少しずつ短くなりますが、工程そのものの数は同じだからです。4か月が3か月半になる、というくらいの動き方でした。
工期は延床に比例して短くはならないので、日数で決まる仮設の行も面積ほどには下がりません。
だから、工程表は必ずもらいます。
何か月と書いてあるかで、仮設の行の見当が付くからです。そして工期が延びたときに、この行も一緒に延びることが見えるようになります。
1枚の紙で、2つのことが分かります。
給排水の引き込みは、道路から敷地までの距離で決まる
水道と下水の引き込みは、家の大きさとは無関係です。
前面道路に埋まっている本管から、敷地の中まで管を引いてくる工事なので、金額を決めるのは距離と、道路を掘る範囲でした。
20坪の家でも、35坪の家でも、同じ距離なら同じです。
むしろ、小さい家を建てる土地のほうが条件が厳しいことがあります。間口の狭い旗竿の土地だと、道路から玄関まで10m以上あることも珍しくなくて、そのぶん管も長くなりました。
旗竿の土地では、道路から建物までの距離がそのまま給排水の引き込みの金額になります。
だから、土地を見るときにここを確かめます。
すでに水道が引き込まれている土地なら、口径が今の基準に足りているかどうか。引き込まれていない土地なら、本管がどの道路のどちら側に埋まっているか。この2つは、水道局の窓口か、その土地を扱っている不動産会社を通して調べてもらえます。
電気とガスも同じ考え方です。
プロパンの地域か都市ガスの地域かで、引き込みの費用も月々の料金も変わります。オール電化にするなら引き込みは1系統で済みますが、そのぶん分電盤の容量と、屋外の設備の置き場所が要りました。
どれも、延床とは関係のない話です。
66.1㎡は、長期優良住宅の75㎡という線には届かない
ここが、20坪でいちばん効いてくる線です。
国土交通省の長期優良住宅のページで示されている認定基準では、住宅の面積が良好な居住水準を確保するために必要な規模を持つことが条件の1つになっています。
その規模は、一戸建てで75㎡以上です。
加えて、少なくとも1つの階の床面積が40㎡以上(階段部分を除く)という条件も付きます。平屋なら66.1㎡が1つの階なので、40㎡のほうはらくに超えます。
超えられないのは、75㎡のほうでした。
20坪は66.1㎡なので、一戸建て75㎡以上という長期優良住宅の面積の条件には、約9㎡足りません。
ただし、この数字には例外の仕組みがあります。
所管行政庁が地域の実情を勘案して、戸建て住宅なら55㎡以上となる範囲で別に定めることができる、とされているからです。つまり、地域によっては20坪でも認定が取れる場合があります。
取れるかどうかは、役所で聞くのが確実でした。
聞き方は「うちの市では、長期優良住宅の面積の基準を引き下げていますか?」という一言です。引き下げていなければ75㎡なので、20坪では原則として取れません。
取れないと何が変わるのかも、先に見ておきます。
長期優良住宅の認定は、住宅ローン控除の借入限度額や、登録免許税と不動産取得税と固定資産税の特例、それに地震保険の割引や、年度ごとの補助の制度に使われることがあります。認定が取れる前提で資金計画を組んでいると、そこがまるごと外れる形になりました。
だから、20坪では最初に確かめます。
21坪から23坪に上げれば75㎡を超えるので、そこで迷う人もいます。66.1㎡と75㎡の差は約9㎡、坪で言えば2.7坪です。その2.7坪を足す金額と、認定で戻ってくる金額を並べて決めることになりました。
数字で比べられる判断です。

水まわりと玄関が、延床に占める割合を出してみる
- 浴室と洗面とトイレで、合わせて4坪前後を使うことになる
- 玄関と廊下は人の体の大きさで決まるので縮みにくい
- 66.1㎡のうち2割から3割が手間のかかる場所になる
- 水まわりを1か所に寄せると配管の長さが短くなる
3色目の行が減らないという話を、面積の側から見直します。
20坪の図面を見せてもらったときに言われた「玄関と廊下だけで延床の1割を超えています」という一言が、ずっと引っかかっていました。数えてみたら、本当にそうだったんです。
そして、水まわりを足すと2割を超えました。
この割合が、20坪という広さの性格を決めています。だからこの章では、66.1㎡の中身を場所ごとに数えていきます。
浴室と洗面とトイレで、合わせて4坪前後
水まわりを1つずつ置いていきます。
ユニットバスは1坪サイズが標準で、1.25坪サイズにすると洗い場が広くなります。洗面脱衣室は2畳から3畳、トイレは0.5坪ほど。
足すと、3.5坪から4坪です。
ここにキッチンが加わりますが、キッチンはLDKの中に入ることが多いので、別に数えるかどうかは図面によります。対面のキッチンなら、通路も含めて3畳から4畳を使いました。
浴室と洗面脱衣室とトイレだけで、66.1㎡のうち12㎡から13㎡を使います。
割合にすると、2割弱です。
30坪の家なら同じ12㎡が1割2分ほどなので、同じ設備を入れても、20坪のほうが床に占める割合が大きくなります。そして、水まわりは家の中でいちばん単価の高い場所でした。
床も壁も天井も、防水の仕様になります。
給排水の管、換気扇、照明、コンセント、それに給湯の配管。1畳あたりに入っているものが、居室とはまるで違います。だから、延床に占める割合が上がると、1坪あたりの単価も上がる形になりました。
20坪では、延床の2割弱を、家の中で一番単価の高い場所が占めます。
ここは削れません。
玄関と廊下は、人の体の大きさで決まる
次が、玄関と廊下です。
玄関の土間は、靴を脱ぐ場所と、扉を開ける動きの分で決まります。扉が内開きなら、その軌跡のぶんが要ります。土間と上がり框とホールで、2畳から3畳。
そこに下駄箱が付きます。
廊下の幅は、柱の芯から芯で910mmという寸法が使われることが多く、実際に歩ける幅は78cmほどになります。ここを狭くすると、将来に車いすや歩行器を使うときに通れません。
だから、幅は縮めずに、長さを縮めます。
20坪の平屋は、この考え方と相性がいい形でした。部屋数が少ないので、廊下をほとんど持たずに、LDKから各部屋へ直接入る間取りが組めるからです。僕が見た図面も、廊下と呼べるのは水まわりへ行く2mほどの部分だけでした。
20坪では、廊下の幅を削るのではなく、廊下そのものを持たない間取りで床を取り戻します。
ただし、全部をLDK経由にすると、来客のときに気をつかいます。
トイレへ行くのにLDKを横切る形になるからです。そこだけは、玄関ホールからトイレへ直接入れる配置にしておくと、20坪でも来客のときの動きが楽になりました。
1本の短い通路で、変わります。
手間のかかる場所が、2割から3割を占める
ここまでを足します。
水まわりで12㎡から13㎡、玄関と廊下で5㎡から7㎡。合わせると17㎡から20㎡で、66.1㎡に対して2割6分から3割です。
3割が、居室ではない場所になります。
35坪の平屋で同じ設備と同じ玄関を作ると、この17㎡から20㎡は1割5分ほどにしかなりません。同じものを入れているのに、割合だけが倍近く違う形でした。
この差が、坪単価の差です。
だから、20坪の坪単価を35坪の坪単価と並べても、比べたことになりません。比べるなら、水まわりと玄関の行だけを抜き出して、同じメーカーの同じグレードどうしで見ます。そこが同じなら、差は別の場所から来ています。
抜き出すと、会社の差が見えます。
ちなみに、20坪で水まわりのグレードを1段階上げると、1坪あたりの単価は3万円から5万円ほど動くことがありました。同じ金額を35坪に入れても、坪単価の動きは半分ほどです。
小さい家ほど、選んだものが数字に出ます。
水まわりを1か所に寄せると、配管が短くなる
最後に、配置の話をしておきます。
浴室、洗面、トイレ、キッチン。この4つを家の中のあちこちに散らすと、給水と給湯と排水の管がそれぞれの場所まで伸びます。
管の長さは、前の章の2色目です。
1か所に寄せると、管が短くなるうえに、床下の点検口も1か所で済みます。20坪という小さい床では、この効き方が大きくなりました。散らせる面積がそもそも無いので、寄せるのが自然な形になります。
給湯器からの距離も短くなります。
お湯が出るまでの時間が短くなるので、捨てる水も減ります。毎日のことなので、長い目で見ると水道代にも出てきました。
水まわりを1か所に寄せると、配管の長さと点検口の数と、お湯が出るまでの時間が同時に減ります。
ただし、寄せすぎると音が気になります。
トイレと寝室の壁が接していると、夜中の音が伝わるからです。寄せるのは水まわりどうしで、寝室との間には収納を挟む。この形にしておくと、20坪でも音の心配が小さくなりました。
同じ20坪でも会社によって提案は変わるので、複数社の間取りプランを並べて比べられます。
【PR】タウンライフ家づくり(平屋住宅特集)
届くのは、わが家のために描かれた平屋の計画書
住宅展示場でもらうカタログは、誰にでも同じ1冊です。平屋住宅特集で届くのは、あなたの希望から作られた、あなたの家のための資料です。
無料で届くもの
- 間取りプラン(家族の人数と暮らし方に合わせた平屋の図面)
- 資金計画書(建物の本体だけでなく、諸費用まで含めた総額の目安)
- 土地の提案(まだ土地が決まっていない場合)
同じ条件で複数の会社から届くので、並べたとたんに各社の得意なところが見えてきます。
提携している住宅会社は1,280社以上です(タウンライフ家づくり公式サイト、2026年9月現在・同社調べ)。
一人で住むのか、二人で住むのか、母屋の横に置くのか
- 寝室を6畳と4.5畳に分ければ20坪でも2部屋が取れる
- 一人なら仕切りを減らすほど建具が3枚から4枚減る
- 敷地にもう1軒建てるときは母屋を足して建ぺい率を数える
- 留守が長い家は24時間換気とシャッターを設計に入れる
- 誰が何年住むかを紙に1行書くと3社の図面がそろう
20坪を選ぶ理由は、人によってまるで違います。
僕がこの坪数を調べ始めたきっかけは、母の妹が母屋の隣に小さい家を建てた話を聞いたことでした。一人になったあとで、広い母屋を管理しきれなくなって、敷地の中に20坪ほどの平屋を建てて移ったんです。母屋はそのまま、年に数回帰ってくる子どもたちの寝場所になっています。
同じ20坪でも、そういう使い方があります。
この章では、誰がどう住むのかで、20坪の中身がどう変わるのかを見ていきます。
夫婦2人なら、LDK15畳と寝室2つまでは組める
まず、夫婦2人の場合です。
20坪でLDKを15畳前後取ると、残りは10畳から12畳ほど。ここに寝室を置きます。
6畳を1つなら、収納に余裕が出ます。
6畳と4.5畳の2つに分けると、収納はぎりぎりになりますが、寝る時間がずれる夫婦には現実的な形でした。起きる時間も、エアコンの好みも、長く暮らすほど合わなくなるものです。
20坪で寝室を2つに分けるなら、6畳と4.5畳にして、収納は壁の面で取ります。
壁の面で取る、というのは、奥行きの浅い棚を壁1面に作る形です。
奥行き30cmほどあれば、本も書類も日用品のストックも入ります。床に置く家具を買わなくて済むので、20坪の床がそのまま使える広さとして残りました。押し入れのような奥行きの深い収納は、20坪では1か所あれば足ります。
布団や季節の物は、そこにまとめます。
この組み方だと、来客が泊まる部屋はありません。そこをどうするかは、年に何日そういう日があるかで決める話になります。日帰りが中心なら、20坪で足りました。
一人暮らしなら、20坪は広いほうに入る
一人で住む場合は、話が変わります。
20坪の66.1㎡は、単身向けの賃貸と比べればかなり広い床です。1LDKにしてLDKを20畳取っても、寝室と水まわりと収納が収まります。
持て余すこともあります。
だから、一人で建てる人ほど、部屋を分けずに大きく1つにする組み方が合っていました。仕切りを減らせば、壁も建具も照明も減るので、金額も下がります。同じ20坪でも、1LDKと3LDKでは建具の枚数が3枚から4枚違いました。
一人暮らしの20坪では、部屋を分けないほうが広く使えて、金額も下がります。
その代わり、冷暖房は1台で家じゅうを賄う形になります。
仕切りが無いぶん、断熱と気密の仕様がそのまま毎月の光熱費に出てきました。ここは削らずに置いておく場所です。20坪という小さい床なら、上げたときの金額も35坪の家より小さく済みます。
小ささが、そのまま効きます。
先のことを考えるなら、間仕切りをあとから入れられるようにしておく方法もあります。天井に下地を入れておいて、床と天井にレールを後付けできる形にしておくだけです。
母屋の横に置く離れは、別棟か増築かで扱いが変わる
敷地の中に、もう1軒建てる場合です。
ここは少し込み入っています。1つの敷地に建てられる建物の数や、母屋との関係で、別棟として建てるのか、母屋の増築として扱うのかが変わるからです。
扱いが変われば、申請も変わります。
別棟として建てるなら、その敷地全体で建ぺい率と容積率を数え直すことになります。母屋が大きいと、20坪を足した時点で建ぺい率を超えることがありました。先に母屋の面積と、その土地の建ぺい率を調べておきます。
敷地の中にもう1軒建てるときは、母屋の建築面積を足した合計で建ぺい率を数えます。
台所と浴室とトイレをどこに置くかも、扱いを分ける材料になります。
離れの中に水まわりを全部そろえると、独立した1戸として数えられやすくなります。逆に、母屋の風呂を使う前提で寝室と小さな台所だけにすると、扱いが変わることがありました。ここは役所の建築の窓口で先に聞く場所です。
先に聞けば、図面を描き直さずに済みます。
そして、母屋のほうをどうするのかも同時に決めます。空いたまま置くのか、貸すのか、いずれ手放すのか。この判断は、誰も住まなくなった母屋をどうするか決める順番のほうに、兄弟で話すときの進め方まで書いてあります。
2軒あると、固定資産税も2軒ぶんです。
週末だけ使う家は、使わない期間の管理まで決めておく
20坪は、週末や長期の休みだけ使う家としても選ばれます。
海の近くや山の近くに小さく建てて、月に何日か過ごす形です。
この場合に効いてくるのが、使っていない期間でした。
人が住んでいない家は、傷みが早く出ます。換気がされないので湿気がこもりますし、排水の封水が乾いて下水のにおいが上がってきます。給湯器も、動かさない期間が長いと調子を崩すことがありました。
だから、留守の間の手立てを設計に入れておきます。
24時間の換気を回し続けられるようにしておく、シャッターや雨戸を付けて窓を守る、庭は土の面を減らして草が伸びにくくする。どれも、建てるときに決めておけば後から足すより安く済みました。
それと、税の扱いも住む家とは違います。
日常生活に使っていない家は、住宅としての特例の対象から外れることがあります。使う日数や使い方で判断が分かれる場所なので、建てる前に市区町村の窓口か税務署で確かめておきます。
誰が何年住むかを決めると、削る場所が決まる
ここまでの4つは、同じ20坪でも中身がまるで違いました。
違うのは、誰が何年住むかです。
夫婦2人で30年住むなら、断熱と設備は上げておいて、部屋の数を減らします。一人で20年なら、仕切りを持たずに1つの大きな空間にします。離れなら母屋との関係で決まりますし、週末だけの家なら留守の対策にお金を回します。
削る場所が、それぞれ違うんです。
20坪は削る余地が小さいので、何を残すかを先に決めてから図面を頼むと、やり直しが減ります。
僕が3社に渡した紙には、坪数と部屋数のほかに、誰が何年住む想定かを1行だけ書きました。
その1行があると、返ってくる図面が変わります。30年住む前提だと書いておけば、廊下の幅や段差やトイレの広さに、先のことが織り込まれた提案が返ってきました。書かなければ、今の体のままの図面が返ってきます。
1行です。
それだけで、3社の図面が同じ土俵に乗りました。
間口が狭い土地と、四角くない土地に置くとき
- 間口が5mを切ると20坪でも細長い形にしか入らない
- 三角形や台形の土地は隅を使えない面積として数える
- 幅4mに満たない道路では敷地の一部を空けて建てる
- 工事の車が入らない土地は運び方の費用が上に乗る
20坪を選ぶ人の多くは、土地の条件から入っています。
駅の近く、病院の近く、今住んでいる町の中。そういう場所ほど土地は小さく、形も整っていません。僕が資料をもらった中にも、間口6mで奥行き12mという細長い区画がありました。面積は22坪ほどです。
そこに20坪の平屋は、入りません。
この章では、小さい土地や整っていない土地に20坪を置くときに、何を先に確かめるのかを書いていきます。
間口が5mを切ると、細長い形にしか入らない
間口というのは、道路に接している側の幅のことです。
ここが狭いと、建物の形が決まってしまいます。
間口6mの土地なら、隣との距離をそれぞれ50cmから70cm取って、建てられる幅は4.6mから5m。66.1㎡をその幅に収めると、奥行きは13m以上になります。
細長い長方形です。
この形は、前の章で書いた2色目の行を押し上げます。外周が長くなるからです。加えて、真ん中あたりの部屋に窓を取りにくくなるので、光を入れる工夫も要りました。
間口が狭い土地では、同じ66.1㎡でも外周が長くなるので、外壁の行が1割から3割ほど増えます。
だから、土地を見るときは面積より先に間口を見ます。
資料に書かれていないことも多いので、その場合は図面の縮尺から測るか、不動産会社に聞きます。「間口は何mありますか?」と聞けば、その場で答えてもらえました。
そして、駐車場の幅を引きます。
車1台を道路と平行ではなく直角に停めるなら、2.5mほどが駐車場に取られます。間口6mから2.5mを引くと、建物に使える幅は3.5mしか残りません。20坪の平屋は、この時点で入らなくなりました。
車の停め方まで含めて、間口です。
三角形や台形の土地は、隅を使えない面積として数える
整っていない形の土地も、20坪では選択肢に入ります。
値段が下がっているからです。
ただ、四角くない土地は、面積の数字ほどには使えません。三角形の土地なら、鋭角になっている隅には部屋が入らないからです。
そこは庭か駐車場になります。
四角くない土地は、建物が入る四角形を先に描いてもらって、その面積で土地を比べます。
この四角形を、有効宅地と呼ぶ人もいます。
30坪の三角形の土地に描ける四角形が20坪しかないなら、その土地は20坪ぶんの土地として比べる、という考え方でした。坪単価も、その20坪で割り直します。そうすると、隣の整形の土地のほうが安かった、ということが起こります。
面積ではなく、入る形で比べます。
とはいえ、平屋は四角くない土地と相性がいい面もあります。2階建てのように上に積む必要がないので、L字やコの字に折って土地の形に沿わせることができるからです。折ると外周は長くなりますが、その代わりに光と風の通り道ができました。
折る理由が説明できるなら、それは意味のある形です。
担当の方に「なぜこの形にしたのですか?」と聞いて、土地の形と光の入り方から説明が返ってくるなら、その凹凸には理由があります。
幅4mに満たない道路では、敷地の一部を空けて建てる
古い住宅地では、道路の幅が4mに足りないことがあります。
建築基準法では、幅4m以上の道路に2m以上接していることが原則です。幅が4mに満たない道でも、一定の条件を満たすものは道路として扱われますが、その場合は道路の中心線から2m下がった線が、敷地と道路の境として扱われます。
その分の土地には、建てられません。
これをセットバックと呼びます。幅3mの道路なら、中心から2mなので、敷地側に50cm下がる形です。
50cmでも、間口の分だけ帯になります。
間口10mの土地で50cm下がると、5㎡が使えなくなる計算でした。1.5坪です。20坪を置こうとしている土地で1.5坪が消えるのは、小さくない話になります。
セットバックが必要な土地では、下がった分を引いた面積で建ぺい率を数えます。
土地の資料には「要セットバック」とだけ書かれていることが多いです。
何m下がるのかまでは書かれていないので、道路の実際の幅を測ってもらいます。道路の反対側が川や崖なら、中心からではなく反対側の境から4mを取る形になるので、下がる幅がもっと大きくなることもありました。
条件で変わるので、現地で確かめます。
工事の車が入らない土地は、運び方の費用が乗る
最後が、工事のときの条件です。
道路が狭い、旗竿で通路が細い、前の家との距離が近い。こういう土地では、材料を運ぶ方法が変わります。
大きなトラックが入らないからです。
小さな車に積み替えて何往復もする、通路が細ければ手で運ぶ、クレーンが使えなければ人の手で持ち上げる。どれも、同じ材料を同じ場所に届けるための手間です。
この手間は、建物の大きさでは減りません。
20坪の家でも、基礎のコンクリートは何台ものミキサー車で運びます。道路にポンプ車を停める場所が無ければ、その手配だけで別の費用が乗りました。屋根の材料も、外壁の板も、同じ道を通ります。
だから、現地を見てもらってから見積もりを出してもらいます。
図面と住所だけで出てきた金額は、あとで必ず動きます。20坪という小さな家ほど、この上乗せの割合が大きく見えるので、最初から入った状態の金額で比べたほうが、会社を並べやすくなりました。
現地を見ない会社の数字は、参考にとどめます。
規格でつくる家と、図面から引いてもらう家を並べる
- 規格の平屋には20坪前後のプランが用意されていることが多い
- 安い帯の金額に何が入っているかを行の名前で確かめる
- 変更を重ねると規格の安さは打ち消されていく
- 同じ20坪で規格と自由設計の合計を並べて決める
20坪という坪数は、規格の平屋が得意にしている帯です。
会社があらかじめ用意した図面から選ぶ建て方で、同じ図面を何棟も建てるので、設計の手間と部材の仕入れを棟数で分け合えます。カタログを取り寄せると、20坪前後の1LDKや2LDKが必ず何本か入っていました。
僕がもらった資料にも、19坪から22坪のプランが4本ありました。
この章では、規格と自由設計をどう並べて決めるのかを書きます。どちらが良いという話ではなく、自分の条件がどちらに合うかを見る話です。
規格の平屋には、20坪前後のプランが用意されている
規格のプランは、坪数ごとに番号が振られています。
20坪前後の帯は、夫婦2人と一人暮らしの両方に向けて作られていることが多く、1LDKと2LDKが両方そろっていました。
選ぶ項目は、それほど多くありません。
外壁の色、屋根の色、床の色、キッチンの面材、それに設備のグレードを何段階かから選ぶ形です。決める項目が少ないので、打ち合わせの回数も減ります。
規格のプランは決める項目が少ないぶん、打ち合わせの期間が短くなって、工期も読みやすくなります。
期間が短いと、前の章で書いた日数の行も小さくなります。
仮設のトイレも、現場の管理も、日数で決まる行だったからです。打ち合わせが長引いて着工が遅れると、そのぶん全体が後ろにずれて、仮住まいがある人は家賃も延びました。
時間も、お金のうちです。
坪単価が下がる仕組みをもう少し詳しく知りたい人は、坪単価では見えない総額の決まり方のほうに、含まれる範囲の確かめ方まで書いてあります。
安い帯の金額に、何が入っているかを行の名前で確かめる
規格の平屋には、金額が先に出ているものがあります。
「20坪◯◯万円」という形です。
この数字を見たときに確かめるのは、何が入っていて何が入っていないかでした。本体だけの金額なのか、外まわりや手続きまで入った金額なのかで、最後に払う額がまるで変わります。
聞き方は決まっています。
「この金額に、地盤の改良と給排水の引き込みと外まわりは入っていますか?」という一問です。3つまとめて聞けば、1回で済みました。
表に出ている金額は本体だけのことが多いので、引き込みと外まわりと手続きを足した合計で比べます。
それと、標準で入っている仕様も確かめます。
同じ「標準」でも、会社によって中身は違いました。断熱材の種類と厚み、窓のガラスと枠の材質、耐震の等級。このあたりは、あとから壁を開けないと替えられない場所なので、金額より先に見ます。
1000万円台の予算から組み立てたい人は、1000万円という上限から20坪を組むときの条件のほうに、何を標準に置くかの線引きを書きました。
変更を重ねると、規格の安さは打ち消されていく
規格のプランは、変えられる範囲が決まっています。
範囲の中なら安く、範囲を出ると別の見積もりになります。
20坪で変更したくなるのは、たいてい2つでした。
1つは水まわりの配置。もう1つは収納です。どちらも、この記事でずっと書いてきた、20坪で割合が大きくなる場所になります。小さい家ほど、ここが自分の暮らしに合っているかどうかが効いてくるからでした。
水まわりの位置を動かす変更は、配管も壁も動くので、規格の中でも金額が大きく動きます。
だから、変えたい点を先に紙に書き出します。
書き出して3つ以内なら、規格のプランで収まることが多いです。5つ以上になったら、自由設計の見積もりも並べて取ったほうが、結果として安くなることがありました。変更を積み上げた規格は、自由設計の金額に近づいていくからです。
境目は、だいたい3つから5つでした。
変えたい点が5つを超えたら、規格と自由設計の両方から見積もりを取って合計で比べます。
同じ20坪で、規格と自由設計の合計を並べる
最後は、並べ方です。
比べるのは坪単価ではありません。
20坪の合計どうしです。本体、外まわり、手続き、それに引き込みと地盤の改良。この全部を足した金額を、規格と自由設計で1行ずつ並べます。
そろえるのは、条件のほうでした。
延床20坪、平屋、部屋の構成、断熱の水準、耐震の等級、それに誰が何年住むか。この6項目を書いた紙を同じように渡すと、返ってくる金額が同じ土俵に乗ります。
規格と自由設計を比べるときも、渡す紙は同じものにします。
そのうえで、金額以外の列も足します。
工期の長さ、保証の年数、点検の回数、20坪の実例を何棟持っているか。この4つを並べると、金額が近い2社で迷ったときに決め手が出てきました。20坪という小さい家は、建てた経験のある会社とそうでない会社で、出てくる図面の質が違います。
実例の数は、聞けば答えてもらえます。
「20坪前後の平屋は、これまでに何棟建てられましたか?」という一言です。数字で返ってくるかどうかで、その会社がこの帯を得意にしているかが分かりました。
表が埋まれば、決められます。
まとめ:20坪は、削った広さのぶんだけは安くならない
平屋20坪の費用は、66.1㎡という床の大きさから組み立てます。延床を減らすと、床や屋根のように面積で減る行はまっすぐ下がりますが、外壁や配管のように長さで決まる行は半分ほどしか下がらず、設備や申請や諸経費のように1軒あたりで決まる行はほとんど動きません。この3つの割合が、坪単価が上がって見える理由でした。削った広さのぶんだけ合計が下がることは、ありません。
僕が20坪の図面を頼んだとき、最初に言われたのは「玄関と廊下だけで延床の1割を超えています」という一言でした。あのときは狭さを指摘されたように感じたのですが、数えてみると水まわりを足して3割近くが居室ではない場所で、その3割が家の中でいちばん単価の高い場所だったんです。20坪の金額は、残った7割ではなく、その3割が決めていました。だから、間取りを削る前に、水まわりと玄関の位置から決め直すようにしています。
まずは、66.1㎡のうち水まわりと玄関と廊下が何㎡になるかを、図面の上で足してみてください。その数字が出れば、20坪で足りるかどうかも、どこを残すかも見えてきます。
- 20坪は66.1㎡で畳に直すと40畳ほどの床になる
- 部屋の数は1LDKか2LDKに落ち着くことが多い
- 見積書の行は面積と長さと1件あたりの3通りで減る
- 延床を2割減らしても合計は1割ほどしか下がらない
- 申請と仮設と引き込みは小さくしても金額が残る
- 66.1㎡は長期優良住宅の75㎡には約9㎡届かない
- 水まわりと玄関と廊下で延床の2割から3割を使う
- 間口が狭い土地では外周が伸びて外壁の行が増える
- 規格と自由設計は20坪の合計どうしで並べて選ぶ
20坪で建てた実例を持つ会社もふくめて、複数社の提案を取り寄せてから選べます。
【PR】タウンライフ家づくり(平屋住宅特集)
届いたプランを、家族で広げる時間をつくる
平屋の家づくりでいちばん心がはずむのは、自分たちの暮らしが図面の上に描かれた瞬間です。
子ども部屋の場所、洗濯物の通り道。紙の上で話すと、家族それぞれの「こうしたい」が自然に出てきます。
その材料は、今日のうちに頼んでおけます。
費用はかかりません。依頼する会社は自分で選べます。

