
ノブです。
国土交通省が2026年4月30日に公表した建築着工統計調査報告(令和7年度計)によると、令和7年度に着工した持家は195,111戸で、前年度より12.6%減りました。
同じ資料で、持家の床面積の合計は21,831千㎡。
戸数で割ると1戸あたり約112㎡で、坪に直すと34坪弱になります。25坪は、その4分の3ほどの広さです。
数字だけ見ると、ずいぶん小さく感じますよね。
ただ、住宅金融支援機構が2026年7月に公表した2025年度フラット35利用者調査の集計表で注文住宅の欄を数えてみると、3,889件のうち60歳以上の人が約23%、家族が1人か2人の世帯が約27%いました。
子育て中の若い世帯だけが家を建てているわけではない、ということです。
僕も、ここで考えていた1人でした。
いまは4人家族ですが、2人の子どもが家を出たあとに夫婦2人で住む平屋はどのくらいの広さでいいのかを考えて、30坪とは別に、25坪2LDKでも図面を頼んだことがあります^^;
そのとき意外だったのが、5坪小さくしても、金額は5坪ぶん下がらなかったことです。
この記事では、平屋25坪2LDKの費用を1㎡あたりの数字から置いたうえで、小さい家ほど1坪あたりが上がる理由、もう1部屋と収納の使い方、泊まりに来る家族の寝場所、40坪台の敷地での配置、今の家をどうするかまで、夫婦2人の住み替えの順番で書いていきます。
- 25坪は約83㎡で、新しく建つ持家の平均より4分の1ほど小さい
- 1㎡あたりの中央値で掛けると、25坪は約2,860万円になる
- 小さい家ほど設備と水回りの割合で1坪あたりが上がる
- もう1部屋と収納と来客の寝場所は、同じ25坪の取り合いになる
- 今の家を売るか残すかで、借りる額と建てる順番が変わる
届くのは会社案内ではなく、25坪2LDKという夫婦2人の条件を反映した提案書です。
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この記事の数字は、あなたの家族の人数と予算に当てはめたときに、はじめて自分のものになります。
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平屋25坪2LDKの費用を、先に公的な数字で置いておく
- 25坪は82.6㎡で、新しく建った持家の平均の4分の3ほどになる
- 注文住宅の1㎡あたり建設費の中央値は34.6万円だった
- 見積書の合計は建物と外まわりと手続きを足してから読む
- 85㎡未満で注文住宅を建てる人は全体の13%ほどにとどまる
最初に、25坪2LDKの金額を、公的な数字で置いておきます。
夫婦2人の住み替えだと、今の家のローンが終わったばかりだったり、退職金の額が見えてきたりして、使えるお金の上限がはっきりしていることが多いんですよね。上限が決まっている人ほど、最初に置く数字の出どころが効いてきました。
ネットの相場は、坪数も含まれる範囲もばらばらです。
だから、この章では国と住宅金融支援機構の数字だけを使います。
25坪は約83㎡、新しく建つ持家の4分の3ほど
1坪は約3.31㎡なので、25坪は82.6㎡です。
冒頭の国交省の数字から出した持家1戸あたりの約112㎡と比べると、30㎡ほど小さくなります。
6畳の部屋が3つ入るくらいの差。
ただ、この112㎡には2階建ても入っていて、階段や2階の廊下のぶんの面積も含まれています。
平屋には階段がありません。
2階の廊下もないので、同じ暮らしをするのに要る延床は、2階建てより少なくて済みます。子ども部屋が要らない夫婦2人なら、なおさらでした。
25坪2LDKは、平均より小さい家というより、階段と子ども部屋のぶんを最初から持たない家、と数えると実感に近くなります。
僕が頼んだ図面でも、LDKは16畳前後、寝室が6畳から7畳、もう1部屋が4.5畳から6畳で、残りが水回りと玄関と収納でした。
夫婦2人で暮らすぶんには、狭さを感じる数字ではなかったです^^
逆に言うと、この広さの中で、どこに何畳を配るかは毎回ぎりぎりの話になります。1畳をLDKに足せば、寝室か収納のどちらかから1畳を持ってくることになるからです。
1㎡あたりの中央値を掛けると、約2,860万円
次に、金額です。
フラット35の2025年度集計表では、注文住宅の1㎡あたりの建設費は、平均が35.9万円、中央値が34.6万円でした。
平均は高い家に引っぱられやすいので、ここでは中央値を使います。
34.6万円に82.6㎡を掛けると、約2,860万円。
中央値の単価を25坪に掛けた約2,860万円は、全国の真ん中あたりの単価で建てた場合の見当として持っておきます。
見当、と書いたのには理由があります。
この集計の住宅面積は、平均が118.4㎡、中央値が111.4㎡でした。単価の中央値は、25坪より30㎡ほど広い家を中心に出てきた数字なので、小さい家ほど1㎡あたりは上に出やすくなります。一方で、規格プランのように単価そのものを抑える建て方もあって、実際の見積もりはこの数字の上にも下にも振れます。
もう1つの注意は、フラット35を使った人の集計だということ。
地域も構造も、2階建てかどうかも混ざっています。
自分の地域の会社の数字とずれるのは当然で、そのずれを確かめるための、ものさしの1本です。
見積書の合計は、建物と外まわりと手続きを足してから読む
この2,860万円は、建設費の数字です。
注文住宅の欄なので、土地を買う費用は入っていません。
一方で、会社から届く見積書は、建物の本体、外まわりの工事、それに登記やローンの手続きの費用が、ページを分けて載っていることが多いです。
本体のページだけを見て2,860万円と比べると、安く見えます。
当たり前なんですけど、最初はそれをやりました^^;
数え方の手順は、建物・外まわり・手続きの3つの箱で総額を数える手順にまとめてあります。
25坪2LDKでも、比べるのは3つの箱を全部足した合計どうしです。
外まわりの工事は、敷地が狭いぶん小さく済むように思えますが、隣との距離が近いと手間が増えることもあって、面積には比例しません。この話は6つ目の章で書きます。
この記事では、25坪という小さな家で、それぞれの箱の中身がどう動くのかに絞ります。
85㎡未満で建てる人は、注文住宅の1割ちょっと
集計表の住宅面積の欄も見ておきます。
2025年度に注文住宅でフラット35を使った3,889件のうち、85㎡未満は506件でした。
割合にすると約13%。
25坪の82.6㎡は、この帯に入ります。
100件のうち13件ほどなので、注文住宅の中では小さいほうの家です。
小さい家を建てる人が少ないということは、会社によって25坪の経験の量に差が出やすい、ということでもあります。
実際に僕が頼んだときも、25坪2LDKの図面をすぐに何案も出してきた会社と、30坪台の間取りをそのまま縮めたような図面を出してきた会社がありました。縮めた図面は、廊下や水回りの広さが30坪台のままで、そのぶんLDKが窮屈になっていたんです。
小さい家は、小さい家として設計されているかどうかで、同じ金額でも使える広さが変わります。
だから、25坪の実例を持っている会社かどうかは、金額より先に聞いておきたいところでした。
小さい家ほど、1坪あたりが上がって見える理由
- 浴室や台所やトイレの金額は25坪でも35坪でも1セットぶんかかる
- 玄関と洗面所の広さは人の体の大きさで決まり、縮めても残る
- 現場の管理や確認申請の費用は面積が小さいほど1坪に重く乗る
- 規格プランは設計の手間を棟数で分け合うので単価を抑えやすい
- ほかの坪数の家とは1坪あたりではなく合計の金額で並べていく
5坪小さくしたのに、5坪ぶん安くならない。
冒頭で書いたこの話の中身が、この章です。
25坪と30坪の図面を並べて見積書の行を1つずつ見ていくと、面積に合わせて減っている行と、ほとんど変わらない行がありました。変わらない行が多いほど、合計を坪数で割った数字は上がって見えます。
家が小さいから損をしている、というより、割り算の分母が小さくなっているだけなんですけどね^^;
キッチンと浴室とトイレは、25坪でも1セットずつ要る
家の金額のうち、面積で変わらないものの代表が水回りの設備です。
キッチン、ユニットバス、洗面化粧台、トイレ、給湯器。
夫婦2人でも4人家族でも、1台ずつ要ります。
しかも住み替えで平屋を建てる夫婦は、ここのグレードを落としたくない人が多いと感じました。長く台所に立つのは自分たちですし、浴室も手すりの付いた、またぎやすい浴槽を選ぶと、そのぶん金額は上がります。
設備の金額が同じなら、25坪の家は30坪の家より、1坪あたりに乗る設備の割合が大きくなります。
30等分していたものを、25等分する。
それだけの話です。
だから、25坪2LDKの見積もりで坪単価が高めに出ても、それだけで割高な会社だとは決めないようにしていました。
設備の行だけを抜き出して、同じメーカーの同じくらいのグレードどうしで会社を並べると、会社の差と面積の差を分けて読めます。
設備の差が小さいのに合計の差が大きいなら、その差はほかの行から来ています。
玄関と洗面所の広さは、延床を縮めても小さくならない
面積が小さくならないのは、設備の金額だけではありません。
玄関、洗面所、脱衣所、トイレの広さは、人の体の大きさと、動くための幅で決まります。
家全体を30坪から25坪に縮めても、トイレを小さくすることはできません。
すると、縮めた5坪はLDKや個室や収納から出ることになります。
25坪の家では、延床に占める水回りと玄関の割合が、30坪の家より高くなります。
水回りと玄関は、床も壁も天井も、配管や換気扇や照明もそろっている、家の中でも手間のかかる場所です。
手間のかかる場所の割合が高いので、1坪あたりの金額も上がって見える、という順番でした。
夫婦2人の平屋だと、ここに先のことも乗ってきます。
トイレに手すりを付ける幅、洗面所で椅子に座れる広さ、玄関で靴を履くときの腰かけ。こうした余裕を削らずに残すと、水回りの割合はさらに増えるので、坪単価で見るとまた少し上がります。
ここは上がっていいところだと、僕は思っています。
現場の経費と申請の費用は、面積で割ると重く乗る
見積書には、工事そのものとは別に、現場を回すための費用が載っています。
現場を管理する人の人件費、工事中の仮設のトイレや足場、建築確認の申請や検査の手数料、それに会社の経費。
こうした行は、家が5坪小さくなっても、ほとんど変わりません。
工事の日数も、25坪と30坪で大きくは違わないからです。
諸経費を一式でいくらと書いている会社は、25坪にしても金額が下がっていないことがあるので、30坪で出した見積もりと並べて確かめます。
諸経費を、本体工事の何%という率で出す会社もあります。
率なら、本体が下がれば諸経費も下がる。
一式なら、下がりません。
どちらが良いということではなく、出し方が違うと、25坪にしたときの下がり方が違ってきます。30坪で頼んだ見積もりを持っている人ほど、ここで首をかしげることになりました。
「25坪にした場合、諸経費はいくら変わりますか?」と聞くと、その会社の出し方がすぐ分かりました。
規格プランの25坪は、設計の手間を分け合っている
ここまでだと、小さい家は割高になる話ばかりに見えますよね。
1坪あたりを抑える方法もあります。
その1つが、会社があらかじめ用意している規格プランから選ぶ建て方です。
規格プランには、夫婦2人向けに25坪前後の2LDKを用意している会社もあって、同じ図面を何棟も建てているぶん、設計の手間や部材の仕入れを棟数で分け合えるので、自由設計より単価を抑えやすくなります。
下がる仕組みと、削らずに残す部分の見分け方は、平屋をローコストで建てるときに坪単価が下がる仕組みに書きました。
規格プランは、変更を重ねるほど自由設計の金額に近づくので、変えたい点を先に書き出して、数が多いなら自由設計の見積もりも並べておきます。
住み替えの夫婦2人の場合、変えたくなるのは、たいてい寝室の広さと収納でした。
ここが規格の範囲で収まるかどうかが、分かれ目です。
収まるなら、規格の25坪はかなり有力な候補になります。
1坪あたりではなく、25坪の合計どうしで並べる
ここまでをまとめると、25坪の家の坪単価は、30坪や35坪の家の坪単価と並べると高く出るのが普通、ということになります。
だから、ネットで見た30坪の坪単価に25を掛けて予算を組むと、足が出ます^^;
比べ方を変えます。
坪単価で比べるのは、同じ25坪2LDKの見積もりどうしだけ。
ほかの坪数の家とは、坪単価ではなく合計の金額で並べます。
25坪と30坪の見積もりの合計の差が、5坪ぶんの坪単価を掛けた金額より小さかったら、それは小さい家の性質どおりの結果です。
僕が取ったときも、差は思っていたよりずっと小さかったんです。
そう分かってからは、25坪にするか30坪にするかを、金額より暮らし方で考えるようになりました。
夫婦2人に、その5坪は要るのか、要らないのか。次の章からは、その5坪を持たずに暮らすための使い方の話です。
夫婦2人に、寝室のほかの部屋は要るのか?
- 2LDKのもう1部屋は来客と趣味と体を悪くしたときの3役を兼ねやすい
- いびきや起きる時間がずれる夫婦は寝室を2つに分ける手もある
- 引き戸でLDKとつなげておくと普段は20畳を超える広さで使える
- 1LDKとの差はドアと間仕切りの壁と電気の工事が1部屋ぶん
2LDKの2は、寝室ともう1部屋です。
子どもが巣立ったあとの家で、このもう1部屋をどう使うのかは、図面を頼む前に決めておきたいところでした。僕が最初に3社へ出した条件は「2LDK、1部屋は予備」とだけ書いたもので、返ってきた図面は和室、書斎、LDKとつながる洋室と、見事に3通りに分かれたんです(笑)
予備では、伝わらない。
この章では、もう1部屋の使い方ごとに、広さと金額がどう変わるのかを見ていきます。
子どもが独立したあとのもう1部屋は、何に使われるのか
夫婦2人の2LDKで、もう1部屋の使い道として挙がりやすいのは3つです。
- 帰省した子どもや孫が泊まる部屋
- 趣味や在宅の仕事をする部屋
- どちらかが体を悪くしたときに寝る部屋
3つとも、毎日使う部屋ではありません。
だから、6畳の個室を1つしっかり区切ってつくると、普段は物置のようになりがちでした。話を聞かせてもらった親戚の2LDKの平屋も、もう1部屋はほとんど衣装ケースの置き場になっていて、年に数回の来客のときだけ片付けていると言っていました。
もう1部屋は、3つの使い道のうちどれを一番にするかを決めてから、広さと入口の位置を決めます。
来客が一番なら、玄関から近い位置。
趣味や仕事が一番なら、テレビの音が届きにくいLDKの反対側。
体を悪くしたときの部屋なら、トイレと夫婦の寝室の近くです。
同じ4.5畳でも、置く場所で役に立ち方が変わります^^
寝る時間がずれる夫婦は、寝室を2つに分けてもいい
もう1部屋を、2つ目の寝室にする選び方もあります。
どちらかのいびきが気になる、朝早く起きる人と夜遅くまで起きている人がいる、エアコンの温度の好みが合わない。長く一緒に暮らしてきた夫婦ほど、こういう話は普通に出てきます。
住み替えの相談でこの話をしたら、担当の方に「そういうご夫婦も珍しくないですよ」と言われて、少しほっとしました^^;
寝室を分ける場合、2部屋とも6畳ずつにすると、LDKや収納が削られます。
片方を6畳、もう片方を4.5畳にして、ベッドとクローゼットだけが入る広さにとどめると、25坪の中でLDKを16畳前後に残せました。
2つの寝室は、壁1枚で隣り合わせにするより、間に収納を挟むと音が伝わりにくくなります。
クローゼットの奥行きのぶん、壁が厚くなるのと同じだからです。
夜中に片方が起きても、もう片方が目を覚ましにくい並べ方でした。
ドアの位置も、向かい合わせにしないでずらしておくと、開け閉めの音が気になりにくくなります。
引き戸でLDKとつないでおくと、普段は広く使える
来客用と趣味の部屋を兼ねるなら、LDKとの間を大きな引き戸にする形がありました。
普段は引き戸を開けっぱなしにして、LDKの続きとして使います。
16畳のLDKに4.5畳がつながると、20畳を超える広さに見えます。
来客が泊まる日だけ、戸を閉めて個室にする。
部屋を区切るかどうかを、建てるときではなく、その日ごとに決められるのが、引き戸でつなぐ形のいいところです。
引き戸は、枚数と大きさで金額が変わるので、2枚引きか3枚引きかは見積書の行で確かめておきます。
それと、引き戸は開けたときに戸を壁の横に引き込むので、その壁にはスイッチやコンセントを付けにくくなります。テレビやソファをどの壁に置くかと一緒に決めておかないと、あとで家具の置き場に困りました。
冷暖房は、開けていればLDKのエアコン1台で効きます。
閉めて使う日のために、その部屋にもエアコン用のコンセントと配管の穴だけは用意しておくと、あとから取り付けられます。
1LDKにして、LDKを広く取る選び方と比べる
もう1部屋を最初からつくらず、1LDKにする夫婦もいます。
25坪で1LDKにすると、LDKを20畳以上取っても、寝室にウォークインクローゼットを付けられるくらいの余裕が出ます。
部屋が1つ減るぶん、ドア、間仕切りの壁、照明、エアコンの準備が1部屋ぶん減るので、金額も少し下がります。
延床が同じなら、1LDKと2LDKの見積もりの差は、部屋1つぶんの建具と壁と電気の工事の差です。
それより大きいのは、将来の話でした。
夫婦2人のあとで、その家を子どもが引き継ぐのか売るのかは、まだ決められない人が多いと思います。
1LDKより2LDKのほうが、次に住む人の家族の形を選ばないと、不動産会社の方から聞いたことがあります。
毎日の暮らしなら1LDK。
先のことまで含めるなら2LDK。
迷ったら、引き戸でつないだ2LDKにしておくと、1LDKのように広く使いながら、あとで2部屋にも分けられます。
荷物を減らしてから、収納の広さを決める
- 今の家の押し入れと物置の中身を段ボールの箱数で数えておく
- 小屋裏の収納は天井の高さなどの条件で延床に入れずに扱える
- 外に置く物置の場所は建物の配置図に扉の向きまで描いてもらう
- 奥行きの浅い壁面収納を1面つくるとLDKの床に物が出にくい
住み替えで小さい家に移る人にとって、収納はお金の話でもあります。
今の家が35坪や40坪あって、そこに30年近く暮らしてきたなら、押し入れ、天袋、物置、使っていない子ども部屋に、それだけの荷物が入っているはずです。その荷物を全部25坪に持っていこうとすると、収納のために面積を足すことになって、延床が26坪、27坪と膨らんでいきました。
1坪増えるたびに、金額も増えます。
だから、この章は収納の設計より先に、荷物の量から入ります。
今の家の押し入れと物置を、持っていく物と手放す物に分ける
最初にやるのは、今の家の収納を1か所ずつ開けることです。
押し入れ、クローゼット、物置、天袋。
中身を、新しい家で使う物、使わないけれど残したい物、手放す物の3つに分けていきます。
子どもが置いていった学生時代の物や、来客用の布団、昔の食器のセット。このあたりは本人に聞いてから決めることになるので、時間がかかりました^^;
残す物を段ボールの箱の数で数えておくと、新しい家に何畳の収納が要るかを、会社に数字で伝えられます。
箱の数は、設計の担当の方にとっても分かりやすい情報でした。
「この箱が40個入る場所がほしい」と伝えれば、棚の奥行きと段数から、必要な広さを出してもらえます。
建てる前の1年くらいを片付けの時間に充てておくと、見積もりの段階で収納の広さが決まって、あとから面積が増えることが減ります。
荷物が減ったぶんは、そのまま延床を小さく保つ力になります。
小屋裏の収納は、条件を満たせば延床に入れずに扱える
平屋で使いやすい収納が、屋根の下の空間を使う小屋裏の収納です。
建築基準法の取り扱いでは、天井の高さが1.4m以下で、面積がその下の階の床面積の2分の1未満などの条件を満たすと、階として数えず、延床面積にも入れずに扱われます。自治体によって細かな条件が違うので、建てる地域の役所で確かめておきます。
延床は25坪のまま、収納を足せるわけです。
ただし、タダではありません。
小屋裏の収納には、床の下地、断熱、はしごや固定の階段、照明の工事が加わるので、見積書では別の行で金額を出してもらいます。
それと、夫婦2人の老後を考えると、はしごで上り下りする収納は、年を取るほど使わなくなります。
だから、置く物を選びます。
年に1回出す雛人形や季節の飾り、アルバムや思い出の品。こういう、めったに出さない物の置き場にするのが合っていました。
毎月使う物は、下の収納に入れておきます。
固定の階段にするか、折りたたみのはしごにするかでも、使う頻度は変わりました。
外に置く物置の場所は、建物の配置と一緒に決める
家の中に入れなくていい物もあります。
タイヤ、灯油のポリタンク、園芸の道具、自転車の空気入れ。
こうした物は外の物置に入れると、家の中の収納を小さくできます。
ただ、25坪の平屋を建てる敷地は建物と駐車場で埋まりやすく、物置をあとから置こうとすると、置ける場所が残っていないことがありました。
エアコンの室外機、給湯器、隣の家との境界の通路。
家のまわりは、思っているより物が並びます。
物置は、建物の配置図の段階で置き場所を描き込んでもらうと、室外機や給湯器とぶつからずに収まります。
物置の前には、扉を開けて物を出し入れする幅も要ります。
図面に物置の四角だけを描いてもらって安心していたら、扉の前が給湯器でふさがる位置だったことがあって、それからは扉の向きまで描いてもらうようにしました(笑)
収納を削りすぎると、LDKに物が出てくる
ここまでと逆の話もしておきます。
金額を抑えたくて収納を削ると、入りきらない物が、LDKの床やカウンターの上に出てきます。
16畳のLDKに棚やカラーボックスが3つ4つ並ぶと、実際に座ったり歩いたりできる広さは、図面の16畳よりかなり小さくなります。
小さい家ほど、この目減りが効きます。
25坪2LDKでは、LDKを1畳広げるより、LDKの壁に奥行きの浅い収納を1面つくるほうが、使える広さが残ることが多かったです。
奥行き30cmほどの壁面収納なら、本や書類、日用品のストックがまとまって入ります。
床に置く家具を買わなくて済むので、引っ越しのときに家具を買い足す費用も減りました。
家の見積もりには、家具の費用は入っていません。
住み替えでは、今の家の大きな食器棚やタンスが新しい家に入らないことも多いので、買い替える家具のぶんも、手元のお金として分けておきます。
複数社の提案が並ぶと、25坪2LDKの金額が相場の中でどこにあるのかが見えてきます。
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届くのは、わが家のために描かれた平屋の計画書
住宅展示場でもらうカタログは、誰にでも同じ1冊です。平屋住宅特集で届くのは、あなたの希望から作られた、あなたの家のための資料です。
無料で届くもの
- 間取りプラン(家族の人数と暮らし方に合わせた平屋の図面)
- 資金計画書(建物の本体だけでなく、諸費用まで含めた総額の目安)
- 土地の提案(まだ土地が決まっていない場合)
同じ条件で複数の会社から届くので、並べたとたんに各社の得意なところが見えてきます。
提携している住宅会社は1,280社以上です(タウンライフ家づくり公式サイト、2026年9月現在・同社調べ)。

泊まりに来る子や孫の寝る場所
- 去年1年で誰が何泊したかを書き出してから部屋の広さを決める
- 客間を持たずにもう1部屋を兼用にすると25坪の中に収まる
- LDKの一角の畳コーナーは昼は座る場所で夜は布団を敷ける
- 来客用の布団は泊まる部屋のすぐ近くに奥行きのある収納を取る
子どもが独立したあとの家で、意外と悩むのが来客です。
お盆とお正月に、子どもが配偶者と孫を連れて帰ってくる。2LDKの家に夫婦2人のほか3人や4人が泊まるとなると、寝る場所をどこにするかで、もう1部屋の広さも収納の大きさも変わってきました。
年に数日のために、部屋を1つ増やすかどうかの判断です。
泊まる人数と回数を、1年ぶん書き出してみる
最初に、去年1年で誰が何泊したかを書き出します。
カレンダーや手帳を見返せば、だいたい分かります。
書き出してみると、思っていたより少なかった、という夫婦も多いと思います。話を聞いた親戚の家も、子どもの家族がそろって泊まるのはお正月の2泊だけで、あとは日帰りか、1家族が1泊する程度でした。
一番多く泊まる日の人数に合わせて部屋をつくるのではなく、よくある日の人数に合わせてつくり、一番多い日は布団で補うと、25坪の中に収まります。
一番多い日に合わせると、6畳の客間が1つ増えて、延床が3坪ほど増えることになります。
その3坪は、1年のうち数日しか使われません。
残りの日は、掃除と冷暖房の対象になるだけの部屋です。
書き出した表には、泊まった季節も一緒に書いておきます。お正月に泊まるならその部屋にも暖房が要りますし、お盆なら冷房が要るので、兼用の部屋にエアコンを付けるかどうかも、この表から決められます。
数字にしてみると、決めやすくなりました^^
客間を持たずに、もう1部屋を兼用にする
客間を別につくらないなら、2LDKのもう1部屋を、来客のときの寝室にします。
普段は趣味の部屋や書斎として使っていて、来客の日だけ片付けて布団を敷く形です。
そのために、部屋の床に置く物を減らしておきます。
机とイスと本棚が床を埋めていると、布団を2枚敷けません。
兼用の部屋は、机を壁付けのカウンターにしておくと、床が空いて布団を2枚敷ける広さが残ります。
4.5畳でも、布団2枚なら並べられます。
孫が小さいうちは、親子3人で2枚の布団に寝ることもできます。
もう1つ見ておきたいのが、トイレと洗面所までの道。
来客が夜中にトイレへ行くとき、夫婦の寝室の前を通らずに行けるかどうかで、泊まる側も泊める側も、気をつかう度合いが変わります。兼用の部屋の入口の位置は、この道から決めていました。
LDKの一角に、畳のコーナーを置く
もう1部屋では足りない日のために、LDKの一角に畳のコーナーをつくる形があります。
広さは3畳から4.5畳。
床より少し高くして腰かけられるようにする家もあれば、LDKの床と同じ高さでつなげる家もありました。
昼は、座って洗濯物を畳んだり、横になったりする場所。
夜は、布団を敷けば1人か2人が寝られる場所になります。
畳コーナーを床から上げる形は、下を引き出しの収納にできる一方で、年を取ると段差になるので、夫婦2人の平屋では床と同じ高さも候補に入れておきます。
段差は、住み替えの平屋でわざわざ避けてきたものです。
畳コーナーの横にロールスクリーンや引き戸を付けておくと、泊まる日だけ、LDKから目隠しができます。
もう1部屋と畳コーナーを合わせると、夫婦のほかに3人から4人が寝られる計算でした。
客間を1つ増やさずに、お正月の2泊をしのげる広さです。
来客の布団を入れる場所まで、図面で決めておく
寝る場所が決まったら、布団をどこにしまうかです。
来客用の布団は、かさばるうえに、年に数回しか使いません。
4人分を積むと、押し入れの下の段が1つ埋まるくらいの量になります。
ここを決めずに建てると、夫婦の寝室のクローゼットが布団で埋まって、自分たちの服の置き場が足りなくなります。
来客用の布団は、泊まってもらう部屋か畳コーナーのすぐ近くに奥行きのある収納をつくって入れておくと、出し入れの距離が短く済みます。
布団は、畳んだ状態でも奥行きが要ります。
洋服用のクローゼットの奥行きだと、はみ出して扉が閉まらないことがあるので、図面では奥行きの数字まで確かめておきます。
もう1つの方法は、来客用の布団を持たないこと。
泊まる日だけ布団を借りられるサービスもあるので、泊まる回数が少ない家なら、収納を1つ減らせます。
40坪台の敷地に建てるときの向きと配置
- 建ぺい率60%なら約42坪、40%なら約62坪の敷地が必要になる
- 南に隣家が迫る敷地では天井を上げて高い位置の窓から光を入れる
- 駐車場を1台分にできると建物を置ける幅が2.5mほど広がる
- 隣との距離と前面道路の幅で仮設工事と運搬の金額が変わる
- 道路より高い敷地は土留めと階段の工事を足した合計で土地を比べる
- 土の部分を減らしておくと70代80代になってからの草取りが減る
住み替えで土地から探す場合、25坪の平屋は、30坪台の平屋より小さな敷地にも建てられます。
駅や病院やスーパーに近い場所ほど土地は高く、広い敷地には手が届きにくくなります。建物を25坪に抑える理由の1つが、この土地の広さだという夫婦もいました。ただ、小さい敷地では、建物の向きや隣の家との距離が、明るさにも工事の金額にも効いてきます。
僕が土地の資料を見比べていたときも、同じ42坪でも、南に道路がある土地と、南に2階建ての家が並ぶ土地では、担当の方が描いてくる配置図がまったく違いました。建物は同じ25坪なのに、玄関の向きも、駐車場の場所も、LDKの窓の位置も変わっていたんです。
この章では、敷地の広さを決めるところから、配置と外まわりまでを見ていきます。
建ぺい率から、25坪の平屋に要る敷地を逆算する
敷地の広さは、建ぺい率から逆算します。
建ぺい率は、敷地の面積に対して建物を建てられる面積の割合で、用途地域ごとに都市計画で決まっています。
25坪の平屋は、建築面積もほぼ82.6㎡。
建ぺい率が60%の地域なら、82.6㎡を0.6で割って約138㎡、約42坪の敷地で建てられます。
50%なら約165㎡で約50坪、40%なら約207㎡で約62坪です。
同じ25坪の平屋でも、建ぺい率が60%の地域と40%の地域では、必要な敷地に20坪ほどの差が出ます。
ここに、駐車場と物置と、隣との間の通路を足していきます。
玄関ポーチの屋根や軒の出し方によっては、建築面積が延床より少し大きくなることもあるので、敷地に余裕がない場合は、設計の段階で建築面積の数字を確かめておきます。
土地の資料に書かれた建ぺい率と、角地などの緩和が使えるかどうかは、不動産会社を通して確かめてもらいました。
もう1つ、低層の住宅地で見ておきたいのが、外壁の後退距離です。
第一種と第二種の低層住居専用地域などでは、都市計画で、敷地の境界から外壁を1mか1.5m離すように決められている場所があります。
決められている土地だと、建ぺい率の数字では足りていても、建物を置ける範囲がまわりから狭くなります。
40坪台の敷地で1m下がると、25坪の平屋が細長い形でしか入らないこともあるので、土地の資料に書かれていない場合は役所で確かめておきます。
南に隣家が迫る敷地では、高い位置の窓で光を入れる
40坪台の敷地だと、南側に隣の家が建っていることがよくあります。
2階建ての隣家が南にあると、平屋のLDKの窓は、隣の家の影に入りやすくなります。
平屋は屋根が低いので、2階建てのように2階の窓から光を取ることができません。
そこで使われるのが、壁の高い位置に付ける窓や、屋根に付ける天窓です。
LDKの天井を屋根の形に合わせて高くして、南の壁の上のほうに横長の窓を付けると、隣の家の屋根越しに光が入ります。
天井を高くするぶん、壁の面積と材料が増えるので、その行の金額は見積書で確かめます。
天窓は明るさが取りやすい一方で、夏の日差しも強く入るので、ブラインドの付け方まで一緒に決めておきます。
南がふさがっている敷地でも、建物を敷地の北側に寄せて南に庭をとる配置にすると、隣の家との距離が取れて、LDKの明るさが変わりました。
同じ敷地でも、どちらに寄せるかで明るさはかなり違ってきます。
高い位置の窓には、もう1つ助かる点があって、隣の家の窓と目線が合いにくくなります。敷地が狭いと、LDKの大きな掃き出し窓が隣の家の窓と向かい合うことがあり、せっかくの窓にずっとカーテンを引いたままになりがちでした。
車を1台に減らせるかで、建物を置ける幅が変わる
40坪台の敷地で、いちばん場所を取るのが駐車場です。
車1台分の駐車スペースは、幅2.5mに奥行き5mほどを見ておくことが多く、2台分を横に並べると、敷地の間口のうち5m前後が駐車場になります。
間口が12mの敷地なら、建物に使える幅は残り7mほど。
25坪の平屋を、この幅に細長く収めることになります。
車を2台から1台に減らすかどうかを、住み替えと同じ時期に考える夫婦もいます。
駐車場を1台分にできると、建物を置ける幅が2.5mほど広がって、LDKと寝室を南に並べる配置が取りやすくなります。
駐車場の土間コンクリートも、1台分で済みます。
駐車場を1台分にすると、建物の配置と外まわりの工事の金額の両方に効いてきます。
ただ、来客が車で来る日のことも考えておきます。お盆やお正月に子どもの家族が車で来るなら、その日だけ近くの駐車場を借りる形にするか、敷地の中に砂利のままの予備の場所を残すかを、先に家族で話しておきました。
車を手放す時期のことも見ておきます。
夫婦とも運転をやめる年齢になったら、駐車場の1台分を自転車置き場や小さな畑に変えられるように、土間コンクリートを打つ範囲を分けておく家もありました。
隣との距離が近いと、足場と運び入れの手間が乗る
小さい敷地だと、建物と隣の家との境界の距離が狭くなりがちです。
民法234条では、境界から50cm以上離して建てることが原則とされています。
50cmや60cmの幅だと、工事のときに足場を組むのも、材料を運ぶのも手間がかかります。
前面の道路が狭くて大きなトラックが入れない場合は、小さな車で何度も運ぶことになって、運搬の費用も増えました。
敷地の広さが同じでも、隣との距離と前面道路の幅で、見積書の仮設工事と運搬の行の金額が変わります。
25坪にして建物が小さくなったぶん、この行も小さくなると思いがちですが、実際は敷地の条件のほうが効いていました。
だから、見積もりは現地を見てもらってから出してもらいます。
図面と住所だけで出た金額は、敷地を見たあとで変わることがあります。
隣の家との距離が近いと窓の位置も限られるので、現地を見てもらうときは、隣の家の窓がどこにあるかも一緒に見てもらうと、図面に反映してもらえました。
工事中の音や車の出入りで、近所に気をつかうことが増えるのも、狭い敷地と狭い道路の組み合わせです。着工の前に、会社の担当の方と一緒に両隣と向かいの家へあいさつに回っておくと、工事の間の話がしやすくなりました。
道路と敷地に高低差があると、玄関までの段差の工事が加わる
土地を見に行ったときに、もう1つ確かめておきたいのが、道路と敷地の高さの差です。
道路より敷地が高い土地は、水はけや眺めがいい一方で、玄関までに階段が要ります。
高低差が大きいと、土が崩れないように土留めや擁壁をつくる工事が加わり、駐車場を道路の高さに合わせて掘り下げる工事が要ることもあって、この部分だけで外まわりの見積もりの行が大きくなりました。
夫婦2人の平屋では、金額と一緒に、年を取ってからの上り下りも考えます。
家の中の段差をなくしても、道路から玄関までに階段が5段も6段もあると、毎日の買い物やごみ出しのたびに、そこを通ることになります。
道路と敷地に高低差がある土地は、土地の価格が安くても、土留めと階段やスロープの工事を足した合計で、ほかの土地と比べます。
スロープにする場合は、高さに対して長さが要るので、40坪台の敷地だと駐車場や庭の場所と取り合いになります。
すでにある擁壁を使う場合も、古いものだと、そのまま使えるかどうかの確認が要ります。
自治体によっては、一定の高さを超える崖や擁壁の近くに建てるときの決まりもあるので、気になる土地は、建てる会社に一度現地を見てもらってから決めていました。
平らな土地は、それだけで工事の行が1つ少ない土地です。
庭を小さくすると、年を取ってからの草取りが減る
敷地が40坪台だと、建物と駐車場を置いたあとに残る庭は、それほど広くありません。
夫婦2人の住み替えでは、この狭さが、かえって助かる面もあります。
今の家で夏の草取りや生け垣の手入れに毎年追われてきた人ほど、庭の広さと手間の関係を実感していると思います。
70代、80代になっても続けられる手間なのかを、ここで一度考えておきます。
土の部分を減らして、防草シートと砂利やコンクリートの部分を増やしておくと、草取りの手間が小さくなります。
ただ、コンクリートの面積を増やすと、そのぶん外構の金額は上がります。
全部を建物と同時にやらずに、暮らしに要る駐車場と玄関までの道を先にして、塀や植栽はあとから様子を見て足す形にすると、最初の総額を抑えられました。
外まわりの工事を分けて頼む考え方は、外構費用を一度にやらずに抑える方法のほうでまとめています。
庭木を1本だけ植えるなら、落ち葉の少ない木を選んでおくと秋の掃除も楽です^^
住み替えのお金は、今の家の行き先から数える
- 今の家を売るか貸すか残すかで新しい家に回せる手元資金が変わる
- フラット35は完済時の年齢の上限が80歳で借入期間が決まってくる
- 新しい家の完成と今の家の引き渡しの順番で仮住まいの有無が決まる
- 3社にはもう1部屋の使い方まで書いた同じ条件の紙を渡しておく
最後は、お金の組み方です。
子育て世帯の家づくりと違って、住み替えの夫婦2人には、今住んでいる家があります。その家を売るのか、貸すのか、子どもに残すのかで、新しい家に回せるお金も、借りる額も、引っ越しの段取りも変わってきました。
25坪2LDKの見積もりが出たら、この章の順番で、手元のお金と照らし合わせていきます。
今の家を売るか、残すかで、手元に残るお金が変わる
今の家を売る場合は、売れた金額から、残っているローンや仲介の手数料、引っ越しの費用を引いたものが、新しい家に回せるお金になります。
いつ売れるか、いくらで売れるかは、家と土地の条件で大きく変わります。
売り方にも、不動産会社に買い手を探してもらう形と、不動産会社にそのまま買い取ってもらう形があって、期限と手取りのどちらを優先するかで選び方が違うことは、不動産の買取と仲介の違いのほうでまとめています。
売る家の金額が決まる前にその金額をあてにして新しい家の契約を進めると、売れる時期や値段がずれたときに資金が合わなくなるので、最初の資金計画は売れる金額を控えめに見ておきます。
貸す、子どもに残す、という場合は、今の家からお金は入ってきません。
そのぶん、新しい家は手元の貯蓄と借入で組むことになります。
固定資産税も、2軒ぶんかかり続けます。
残すかどうかを決めきれないなら、売る場合と残す場合の2通りで手元に残るお金を書き出しておくと、25坪にするか、もっと小さくするかの判断もしやすくなりました。
借入は、完済するときの年齢から逆算する
50代や60代で家を建てるとき、若い世帯と違ってくるのが借入の期間です。
住宅金融支援機構のフラット35では、申し込むときの年齢が70歳未満で、借入の期間は完済するときの年齢が80歳になるまでと決められています。
60歳で借りると、最長で20年。
ただ、上限まで借りられることと、上限まで借りて暮らしが回ることは別の話でした。
退職したあとの年金の額で毎月の返済を払い続けられるかを、完済の年齢から逆に数えて、借りる額を決めます。
25坪2LDKにする理由の1つが、ここにあります。
30坪との差額のぶんを、借りずに済ませる。
返せる額から逆算する組み方は、借りられる額ではなく返せる額から組む資金計画に手順を書きました。
年金だけの暮らしになってからの支出も、今の家の光熱費や税金をもとに、一度書き出しておきます。
支出が見えると、借りる額の上限も自然に決まってきました。
新しい家の完成と、今の家の引き渡しの順番を決める
住み替えでは、新しい家ができる日と、今の家を出る日の順番も、お金に効いてきます。
今の家を先に売って引き渡すと、新しい家が完成するまでの間、仮住まいの家賃と、引っ越し2回分の費用がかかります。
新しい家を先に完成させてから今の家を売ると、仮住まいは要りません。
その代わり、売れるまでの間、2軒ぶんの支払いが重なる時期ができます。
仮住まいの費用と、2軒ぶんの支払いが重なる期間の費用を並べて、少ないほうの順番を選びます。
工事の期間は、会社に工程表で出してもらって、その月数で仮住まいの費用を計算します。
工期が1か月延びたときのぶんも、少し足しておきます。
夫婦2人なら、仮住まいは今より狭くても何とかなりますし、荷物を減らしておいた家ほど、ここでも身軽に動けました^^
3社には、もう1部屋の使い方まで書いた紙を渡す
ここまで決めたことを紙1枚にまとめて、複数の会社に同じものを渡します。
夫婦2人、平屋、延床25坪前後、2LDK。
そこに、この記事で出てきた項目を足していきます。もう1部屋を何に一番使うのか、寝室を分けるかどうか、泊まりに来る人数、小屋裏の収納が要るかどうか、車は何台か、今の家を売ってから建てるのか建ててから売るのか、という項目です。
もう1部屋の使い方まで書いておくと、3社の図面が同じ前提で返ってくるので、金額の差を図面の違いで説明できるようになります。
最初に「1部屋は予備」とだけ書いて3通りの図面が返ってきた僕の話は、この紙が足りなかったからでした(笑)
届いた見積書は、本体だけでなく、外まわりと手続きの箱まで埋めてから並べます。
25坪の合計どうしで比べて、その差が図面のどこから来ているのかを1つずつ確かめます。
そこまで出そろえば、今の家の行き先と、借りる額と、25坪2LDKの金額が、1枚の表の上でつながります。
まとめ:25坪2LDKは、減らした広さを暮らしに回す
平屋25坪2LDKの費用は、フラット35の2025年度集計表にある1㎡あたりの中央値34.6万円を82.6㎡に掛けると、約2,860万円が見当になります。ただ、小さい家は設備や水回りや現場の経費の割合が高いぶん、1坪あたりは30坪や35坪の家より上に出るのが普通で、5坪減らしても5坪ぶんは下がりません。だから比べるのは坪単価ではなく25坪の合計どうしで、減らした5坪は、荷物の整理、来客の寝場所、駐車場、借入の軽さに回していくことになります。
僕が最初に「2LDK、1部屋は予備」とだけ書いて頼んだとき、返ってきた3社の図面は和室と書斎とLDKにつながる洋室で、見事にばらばらでした。あれは会社のせいではなく、夫婦2人でもう1部屋を何に使うのかを、僕たちがまだ話していなかっただけです。泊まりに来る人数を数えて、残す荷物を箱で数えて、今の家をどうするかを書き出してから頼み直すと、図面も金額も、自分たちの暮らしの話として読めるようになりました。
まずは、去年1年で誰が何泊したかと、今の家の押し入れに入っている箱の数を書き出してみてください。その2つが分かれば、25坪で足りるかどうかが見えてきます。
- 25坪は82.6㎡で新しく建つ持家の平均の4分の3ほど
- 1㎡あたりの中央値で掛けると約2,860万円が見当
- 小さい家は設備と水回りの割合で1坪あたりが上がる
- 比べるのは坪単価ではなく25坪の合計どうし
- もう1部屋は一番の使い道を決めてから広さを決める
- 残す荷物を箱の数で数えてから収納の広さを決める
- 来客はよくある日の人数に合わせて布団で補う
- 建ぺい率で必要な敷地は約42坪から約62坪まで変わる
- 借入は完済の年齢と年金の額から逆に数える
一社だけで決めなくて大丈夫で、夫婦2人の暮らしに合わせた25坪2LDKの提案を複数社から取り寄せて、納得できるものを選べます。
【PR】タウンライフ家づくり(平屋住宅特集)
届いたプランを、家族で広げる時間をつくる
平屋の家づくりでいちばん心がはずむのは、自分たちの暮らしが図面の上に描かれた瞬間です。
子ども部屋の場所、洗濯物の通り道。紙の上で話すと、家族それぞれの「こうしたい」が自然に出てきます。
その材料は、今日のうちに頼んでおけます。
費用はかかりません。依頼する会社は自分で選べます。

