
35坪で4LDK。
数字だけ見ると、ずいぶん余裕のある家に思えます。
住宅金融支援機構が公表した2025年度フラット35利用者調査の注文住宅で、1㎡当たりの建設費は全国平均35.9万円、中央値は34.6万円でした。
35坪は115.7㎡なので、平均を掛けると約4,154万円です。
ところが、この表には標準偏差という欄もあって、そこには9.6万円と書いてありました。1㎡で9.6万円ということは、35坪なら1,100万円ぶん。平均の前後にそれだけの幅が広がっている数字だと分かって、僕は電卓を置いて座り直しました^^;
同じ35坪でも、3,000万円台の家と5,000万円台の家が、同じ表の中に並んでいるわけです。
そして4LDKには、その幅とは別の問題があります。
115.7㎡という床を、個室4つとLDKと水回りで取り合うことになるので、どれか1つを広げれば、必ずどこかが縮みます。僕が同じ35坪で3LDKと4LDKの図面を並べたとき、いちばん変わっていたのはLDKでもなく個室でもなく、廊下と収納でした。
この記事では、35坪を4つに割ったときに、どこの床が何㎡ぶん削られるのかを、畳数と見積書の行の両方から見ていきます。
- 35坪を4人で割ると、1人あたりの床は全国の中央値を下回る
- 6畳を4つ並べると、個室だけで38.9㎡を使うことになる
- LDKに18畳残すと、廊下と水回りに残る床は47.7㎡
- 削る順番は、収納の置き場所、次に通路、最後に個室
- 32坪4LDKとの3坪差は、4.5畳を6畳に格上げする余地になる
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平屋35坪4LDKは、1人あたりの面積が全国の平均を下回る
- 115.7㎡を4人で割ると1人あたり28.9㎡という計算になる
- 1㎡当たり建設費の全国平均は35.9万円、中央値は34.6万円
- 標準偏差9.6万円は、35坪に直すと1,100万円ほどの幅
- 5人で住む前提なら1人あたりは23.1㎡まで下がっていく
最初に、35坪4LDKという家が、全国の数字の中でどのあたりに立っているのかを確かめておきます。
相場の話から入ると、坪単価という1つの数字だけが頭に残ります。僕も最初はそうで、坪単価さえ分かれば総額も部屋の広さも決まると思い込んでいました。実際には、同じ坪単価の会社どうしでも、届いた図面の個室の広さは1部屋あたり1畳以上ちがっていたんですよね。
面積、1人あたりの床、1㎡の値段。この3つを先に並べてから、割り方の話に進みます。
35坪は115.7㎡、4人で割ると1人あたり28.9㎡
1坪は約3.31㎡なので、35坪は115.7㎡です。
4人家族で住むなら、1人あたり28.9㎡。
この数字を、先ほどのフラット35利用者調査と並べてみます。注文住宅を建てた人の1人当たり住宅面積は、中央値が34.5㎡、平均が39.2㎡でした。
35坪に4人で住むと、1人あたりの床は全国の中央値より5㎡以上せまくなります。
5㎡は、畳にすると3枚ぶん。
1人あたり3畳ずつ足りない、と言い換えると、なんとなく分かった気になっていた数字が急に具体的になりました。
ただ、これは悪い意味だけの数字ではありません。同じ調査の1人当たり住宅面積は、単身で建てた人や夫婦2人で建てた人も一緒に集計されているので、家族の人数が多い世帯ほど数字は下がります。4人で暮らす家として見れば、35坪は決してせまい部類ではないです。
問題は広さそのものではなく、その115.7㎡を5つの部屋に割ってしまうことのほうにあります。
3LDKなら4つの部屋。
4LDKなら5つの部屋。
同じ床に壁を1枚多く立てると、壁の厚みと通路が増えて、実際に使える面積はもう一段下がっていきます。
1㎡当たりの建設費は、平均35.9万円で中央値34.6万円
次は、その115.7㎡にかかるお金です。
2025年度フラット35利用者調査の注文住宅で、1㎡当たり建設費は全国平均35.9万円、中央値34.6万円でした。
三大都市圏は平均37.4万円、その他の地域は34.6万円。
地域でおよそ3万円ちがいます。
115.7㎡に全国平均を掛けると約4,154万円、中央値を掛けると約4,003万円になります。
坪単価に直せば、1坪あたり119万円ほど。
ネットでよく見かける平屋の坪単価より高いと感じた方は、たぶん正しいです。この調査は土地を持っている人が建物だけを建てた金額を集めたもので、平屋と2階建ての区別もありません。平屋は同じ延床でも基礎と屋根が2階建ての2倍近くになるので、この平均より上に出ることが多いと説明を受けました。
だから、この4,154万円は答えではなく物差しです。
手元の見積書の建物金額を延床の㎡数で割って、35.9万円の上か下かを見る。
それだけで、その見積もりが全国のどのあたりにいるのかが分かります。
標準偏差9.6万円は、35坪で1,100万円の幅になる
同じ表の右端に、標準偏差という欄があります。
全国で9.6万円でした。
標準偏差は、平均のまわりにどれくらい数字が散らばっているかを表す値で、ざっくり言えば、ほとんどの家がこの幅の中に入っているという目安です。
平均35.9万円に9.6万円を足し引きすると、26.3万円から45.5万円。
35坪に直すと、約3,043万円から約5,264万円という幅になります。
同じ35坪で、2,200万円の開き。
正直、この計算をした夜はしばらく眠れませんでした(笑)
この幅を作っているのは、断熱の等級、窓の性能、外壁と屋根の材料、設備のグレード、それに地域の職人さんの手間賃です。4LDKにするか3LDKにするかという間取りの話は、この幅の中では小さいほうに入ります。
だからこそ、部屋の数の話を先に片付けてから、仕様の話に入ったほうが順番として楽でした。
間取りが決まっていないと、仕様を比べても条件がそろいません。
この記事が間取りの割り方から始まるのは、そういう理由です。
5人で住むなら、1人あたりは23.1㎡まで下がる
4LDKを考える家は、いま4人でも、将来5人になる可能性を持っていることがあります。
115.7㎡を5人で割ると、1人あたり23.1㎡。
先ほどの中央値34.5㎡の、およそ3分の2です。
数字だけ見るとかなり詰まって見えますが、平屋には数字に出ない事情もありました。階段と、階段の上り口と下り口に要る床がないぶん、同じ延床でも部屋に回せる面積が2坪から3坪ほど多くなります。
35坪の平屋は、38坪前後の2階建てに近い使い方ができる、という言い方を複数の会社から聞きました。
そのぶん、基礎と屋根は大きくなる。
使える床は増えて、金額も増える。この両方が同時に起きるのが平屋でした。
5人で住む前提なら、個室の畳数より先に、洗面台の数とトイレの数を決めておいたほうが朝が回ります。ここは後ろの章で改めて書きます。
3LDKの35坪とは、別の家として読む
35坪で検索すると、3LDKの間取りもたくさん出てきます。
同じ坪数なので、つい同じ家の話として読んでしまいがちです。
けれど、中身はかなりちがいました。
3LDKの35坪は、30坪の3LDKに5坪ぶんの余白を足した家として組まれます。書斎、玄関の土間、パントリー、広めの廊下。部屋を増やさずに、暮らしの引っかかりを1つずつ受け止める形です。35坪3LDKで増える5坪を書斎や土間に配る考え方に、その中身をまとめています。
4LDKにするということは、その5坪ぶんの余白を1部屋に変える選択です。
書斎も土間もパントリーも、ほとんど残りません。
どちらが得かという話ではなく、何に床を配るかという話でした。
僕の家では、この2枚を並べて家族で30分ほど話しました。結論が出るまでに一番時間がかかったのは金額の欄ではなく、4部屋目を誰が何年使うのかという1行だったんです。
1部屋増やすと、個室の広さはどこまで縮むのか?
- 6畳を4つ並べると個室の合計は38.9㎡、延床の3分の1を超える
- 4.5畳と6畳は、寝るだけの部屋と過ごす部屋で使い分ける
- 主寝室を8畳にすると子ども部屋のどれかが4.5畳へ下がる
- 12畳の1部屋を先に作り、必要になったら6畳ずつに割る道もある
ここからが、この記事の中心になる話です。
35坪で4LDKと聞いて、多くの方がまず気にするのが、1部屋が何畳になるのかというところだと思います。僕もそうでした。届いた図面を開いて最初に見たのは、金額ではなく子ども部屋の畳数だったんですよね^^;
個室の割り方は、大きく4通りありました。全部6畳でそろえる、寝る部屋と過ごす部屋で分ける、主寝室だけ広げる、そして大きな1部屋を作って後から割る。この4つを順番に見ていきます。
6畳を4つ並べると、個室だけで38.9㎡を使う
まず、いちばん素直な割り方から。
6畳を4つです。
不動産の表示で使う1畳は1.62㎡なので、6畳は約9.72㎡。4部屋で38.88㎡になります。
個室だけで38.9㎡、115.7㎡の延床の3分の1を超えました。
32坪の平屋では、この形はかなり厳しくなります。105.8㎡のうち38.9㎡を個室に取られると、LDKと水回りと廊下が66.9㎡しか残らないからです。
35坪なら、そこが76.8㎡。
この約10㎡の差が、35坪で4LDKを考える理由そのものでした。
6畳の部屋は、柱の中心から中心まで910mmで割り付ける家なら、だいたい2.73m×3.64mです。シングルベッドを壁につけて、幅100cmの机を置いて、さらに120cm幅のクローゼットを付けても、真ん中に人が2人すれちがえるくらいの床が残ります。
中学生から高校生になっても、そのまま使える大きさ。
途中で模様替えをしても、家具の置き場所に困りません。
ただし、4部屋とも6畳にすると、次の章で見るLDKの畳数が一気に効いてきます。個室で38.9㎡、LDKで18畳の29.2㎡を取ると、合計68.1㎡。残りの47.7㎡に、玄関、廊下、浴室、洗面所、トイレ、収納、そして壁の厚みが全部入ることになります。
4.5畳は寝る部屋、6畳は過ごす部屋として分ける
全部を6畳にしなくてもいい、という考え方もあります。
4.5畳は約7.29㎡で、6畳との差は2.43㎡。
1部屋を4.5畳に落とすだけで、1.5畳ぶんの床が他に回せます。
ここで役に立ったのが、その部屋で何をするのかで畳数を決めるという考え方でした。寝るだけの部屋なのか、起きている時間も過ごす部屋なのかで、必要な床がはっきり変わるからです。
ベッドと収納だけなら4.5畳、机を置いて長い時間を過ごすなら6畳、というのが実際に図面を見てきた僕の線引きです。
4.5畳は2.73m四方ほど。
シングルベッドを壁につけると、残るのは1.8m×2.7mくらいの床になります。ここに幅90cmの机を置けば、机の前に椅子を引くぶんの余地は残りますが、床に座って何かを広げるのは難しいです。
小学生のうちは4.5畳で回ることが多いです。
中学生になって、部屋で友達と過ごすようになると、6畳ほしくなる。
年齢によって必要な畳数が変わるので、いま4.5畳で足りるかではなく、10年後に足りるかで決めておくと、あとから間取りをいじらずに済みました。
主寝室を8畳にすると、子ども部屋のどれかが4.5畳に下がる
4部屋のうち、いちばん要望が分かれるのが主寝室です。
8畳にすると約12.96㎡。
6畳より3.24㎡、ちょうど2畳ぶん広くなります。
夫婦でシングルベッドを2台並べると、6畳ではベッドだけで床のほとんどが埋まりました。2台の間に30cmほど空けて、両脇に通路を取ると、8畳がちょうどよかったです。ダブルベッド1台なら6畳でも入りますが、両脇の通路はかなり細くなります。
主寝室を8畳にした場合、その2畳ぶんは、どこかの子ども部屋から出てくることになります。
6畳×3+8畳という形なら、個室の合計は42.1㎡。
115.7㎡のうち、36%を個室が使う計算です。
そこまで取ると、LDKは16畳が上限に近くなりました。だから、主寝室を8畳にする家は、子ども部屋の1つを4.5畳に落として、6畳が2つと4.5畳が1つと8畳が1つ、という組み合わせにしていることが多かったです。この形なら個室の合計は39.7㎡で収まります。
どの子の部屋を4.5畳にするかは、家族で決める話。
年齢の低い子、あるいは部活で帰りが遅くて部屋にいる時間が短い子、という決め方をしていた家がありました。
12畳の1部屋を先に作り、あとで6畳ずつに割る
4部屋目がいま要るとは限らない家もあります。
その場合に出てくるのが、12畳の1部屋を先に作っておく形でした。
12畳は約19.44㎡。
いまは子ども2人で一緒に使って、必要になったら真ん中に壁を1枚立てて、6畳ずつの2部屋にします。
割ったあとも1部屋6畳を確保できるのは、35坪だからできることでした。
32坪で同じことをすると、元の部屋が8畳から9畳になるので、割ったあとは4.5畳が2つです。
先に入れておくものは、はっきりしています。入口のドアを2枚、天井の照明の配線を2か所、スイッチも2か所、そして窓を左右に1つずつ。壁を立てる位置には、天井と床に下地を入れておきます。
これだけ入れておけば、あとは壁を1枚立ててクロスを貼るだけ。
数日で終わる工事になりました。
そして、この形のいいところは戻せることです。子どもが家を出たあと、あとから立てた壁は建物を支えていないので外せます。12畳の1部屋に戻して、夫婦の趣味の部屋にしたり、介護用のベッドと車いすが回る部屋にしたり。1部屋を20年かけて2回変えられる、というのが12畳を先に作る値打ちでした。
誰が何年使う部屋なのかを、畳数より先に書き出す
ここまで畳数の話をしてきましたが、実際に決め手になったのは畳数ではありませんでした。
紙を1枚用意して、4つの部屋に誰が入るのかを書きます。
年齢も書きます。
そして、その人がその部屋を何年使うのかを書きます。
これを書くと、全員が同時に個室を必要とする期間が、思っていたより短いことに気づきました。上の子が18歳で家を出るころ、下の子はまだ小学生。その時点から、4部屋目は空きます。
4つの個室が同時に埋まる年数が5年を切るなら、12畳を先に作っておく形のほうが合っていました。
10年以上あるなら、最初から4部屋にする。
この線引きだけで、ずいぶん話が早くなりました。
紙に書くのは、鉛筆で10分の作業です。図面を頼む前にやっておくと、要望欄に書く内容がそのまま出来上がります。
LDKに何畳残すかを、先に決めておく
- 6畳4つと18畳を足すと68㎡になり、残りを玄関と水回りで分け合う
- 2畳ぶんの3.24㎡は、洗面台の横に人がもう1人立てる幅になる
- カウンターの奥行きと作業する人の立ち位置で1.5m前後を使う
- 18畳と書いてあっても4.5畳の畳の場所が含まれることがある
個室の次は、LDKです。
順番を逆にしないほうがいい、と気づいたのは3枚目の図面を見たころでした。個室を先に決めて残りをLDKにすると、LDKの畳数が会社によってばらばらになって、比べられなくなるんです。LDKを先に決めて、その残りで個室を割ってもらったほうが、同じ土俵に乗りました。
この章では、LDKに何畳残すと、家の残りがどうなるのかを数字で見ていきます。
個室38.9㎡とLDK18畳で、残る床は47.7㎡
6畳を4つで38.88㎡。
LDK18畳は約29.16㎡。
足すと68.04㎡で、115.7㎡から引くと47.66㎡が残ります。
この47.7㎡に入るのは、玄関、玄関の収納、廊下、浴室、洗面所と脱衣所、トイレ、納戸、各部屋のクローゼット、それに家じゅうの壁の厚みです。
壁の厚みだけで、35坪の家なら3㎡から5㎡は使います。
残るのは43㎡前後。
浴室が1坪で3.31㎡、洗面と脱衣で2坪の6.62㎡、トイレが0.5坪で1.66㎡、玄関まわりで2坪の6.62㎡。ここまでで18.2㎡です。
そして廊下。
次の章で詳しく数えますが、個室4つを一列に並べる図面だと、廊下だけで8㎡から10㎡を使いました。
合わせると28㎡前後で、残りは15㎡ほど。この15㎡が、4部屋ぶんのクローゼットと納戸に配れる床です。1部屋あたりに直すと、けっこうぎりぎりでした。
16畳に落とすと3.3㎡が戻り、洗面所か収納に回せる
LDKを18畳から16畳にすると、25.92㎡になります。
差は3.24㎡。
坪に直すとほぼ1坪、畳なら2枚ぶんです。
この1坪を洗面所に足すと、洗面台の横に人がもう1人立てる幅が生まれます。
5人家族の朝に効いてくるのは、LDKの2畳よりこちらでした。
16畳のLDKに何が入るのかも、具体的に見ておきます。4人掛けのダイニングテーブルが幅150cm、3人掛けのソファが幅180cm、テレビボードが幅150cm。これを置いて、テーブルの椅子を引くぶんと、ソファの前を人が通るぶんを足すと、16畳でちょうど収まりました。
来客が多い家なら18畳。
家族で過ごせれば十分という家なら16畳。
僕が見た図面では、35坪4LDKのLDKは16畳から18畳に集まっていて、20畳を超えるものは1枚もありませんでした。20畳にすると個室が4.5畳ばかりになるので、会社の側で最初から外していたんだと思います。
対面キッチンは、通路のぶんだけ畳数を食う
LDKの畳数には、キッチンの形も効きます。
対面キッチンは、カウンターの奥行きが65cmから90cmあって、その後ろに作業する人が立つ通路が80cmから90cm要ります。
合わせて1.5m前後。
壁付けのキッチンなら、この通路がダイニングと兼用になるので、同じ畳数でもテーブルを置ける床が広くなりました。
対面にするかしないかで、LDKの使える床は1畳から2畳ぶん変わります。
それでも対面を選ぶ家は多いです。
子どもの様子を見ながら作業できる、というのは、畳数では測れない値打ちだからです。
背面の収納をどこまで付けるかでも、通路の幅が変わります。奥行き45cmのカップボードを背面に置くと、その手前の通路がさらに細くなるので、カウンターと背面収納の間を何cm取るのかを図面に書き込んでもらうと、あとで家電が置けないという事態を避けられました。
数字で言えば、90cmあれば2人ですれちがえます。
75cmだと、1人が横を向いて待つことになりました。
小上がりの畳を、LDKの畳数に数えているか
図面の畳数を読むときに、1つ気をつけていることがあります。
LDK18畳と書かれた図面に、横に付いた小上がりの畳の部分まで含まれていることがありました。
小上がりは、床を30cmから40cmほど上げた畳の場所です。
4.5畳の小上がりが含まれていると、実際にソファとテーブルを置けるのは13.5畳ぶんということになります。
18畳と16畳の図面を比べているつもりが、実は13.5畳と16畳を比べていた、ということが起こります。
見るのは、LDKの畳数の内訳です。
リビングが何畳、ダイニングが何畳、キッチンが何畳、と分けて書いてもらうと、小上がりや和室が混ざっているかがすぐ分かりました。
「このLDKの18畳には、小上がりの畳は入っていますか?」と聞けば、その場で答えが返ってきます。
小上がり自体は、35坪4LDKにはよく合う形でした。段差の下を引き出しの収納にできるので、削りがちな収納をここで取り返せます。ただ、年を重ねてからの段差が気になるなら、床の高さをそろえて畳の間として仕切るだけにする選び方もありました。

収納は、量ではなく置き場所から削る
- 半間×1間のクローゼットは1部屋あたり1.66㎡、4部屋で6.6㎡
- 納戸を1つやめると1.5坪ほどが個室かLDKに戻ってくる
- 平屋には階段下がないので、掃除道具の場所を先に決めておく
- 布団と季節の家電の置き場所だけは、最後まで残して守る
個室とLDKの畳数が決まると、残りの床から削る場所を探すことになります。
最初に手が伸びるのが収納でした。僕も、図面を見ながら真っ先に納戸に線を引こうとして、妻に止められたんですよね(笑)
収納は、減らすと必ず暮らしのどこかに物があふれます。だから削るときは、量ではなく場所を動かす。この章では、どこを動かすと床が出てくるのかを見ていきます。
各部屋のクローゼットは、1部屋あたり1.66㎡
まず、個室に付くクローゼットから数えます。
半間×1間、つまり幅182cm、奥行き91cmのクローゼットで1.66㎡。
畳1枚ぶん、0.5坪です。
4部屋すべてに付けると6.62㎡、2坪になりました。
4部屋ぶんのクローゼットは、4.5畳の個室がもう1つ入るくらいの床を使っています。
そう言われると、多く感じます。
ただ、この2坪は個室の畳数の中に含まれていることが多いです。6畳の部屋にクローゼットが付いていれば、実際に家具を置ける床は5畳ぶんになります。図面の6畳が、クローゼットを含む6畳なのか、含まない6畳なのかで、部屋の印象はかなり変わりました。
ここも、聞けば分かることでした。
「この6畳には、クローゼットの面積は入っていますか?」の一言です。
含まれている図面と含まれていない図面を並べて比べると、同じ6畳でも1畳ちがう。そこに気づかないまま金額だけを比べていたら、僕はたぶん、せまいほうの図面を選んでいました。
納戸を1つやめると、1.5坪が個室かLDKに戻る
次に、納戸です。
35坪の図面には、2畳から3畳の納戸が付いていることがよくあります。
3畳なら4.86㎡で、1.5坪ほど。
納戸を1つやめると、1.5坪が個室かLDKに戻ってきます。
ただし、やめるなら、そこに入れるはずだった物の行き先を決めてからです。
納戸に入るのは、たいてい決まっています。季節の家電、スーツケース、子どもの思い出の箱、来客用の布団、使っていないけれど捨てられない物。これを壁面の収納や小上がりの下や天井の近くの棚に分けて配ると、床の面積を使わずに同じ量が収まりました。
床に置かず、壁と高さを使う。
この切り替えが、4LDKの35坪ではかなり効きます。
僕が見た中でうまいと思ったのは、廊下の片側の壁を全部、奥行き45cmの収納にしていた図面でした。通路の幅は少し細くなりますが、通路と収納を同じ床でまかなえるので、納戸を持たずに回っていたんです。
平屋には階段下がないので、掃除道具の場所を先に決める
2階建てから平屋に乗り換えて考えると、忘れやすいものがあります。
階段下の収納です。
掃除機、モップ、脚立、季節の家電、工具箱。2階建てなら、あの三角の空間がまとめて引き受けてくれていました。
平屋には、それがありません。
階段下でまかなっていた1坪前後を、どこかに作り直すことになります。
置き場所として出てきやすいのは、洗面所の隣、廊下の突き当たり、それから玄関の土間の横でした。
掃除機は、使う場所の近くに置くと出す回数が増えます。だから、LDKから遠い納戸にしまうより、廊下の途中に幅60cmほどの縦長の収納を作っておいたほうが、結局は使われました。コンセントを中に1つ付けておくと、充電式の掃除機をしまったまま充電できます。
床の面積としては、0.3坪ほど。
小さいですが、無いと物が床に立つことになります。
平屋の図面を見るときは、階段下でまかなっていたものが、どこに行き先を持っているのかを1つずつ指で確かめてみてください。
布団と季節の家電の置き場所だけは、最後まで残す
収納を削っていくと、どこかで線を引くことになります。
僕が最後まで残したのは、2つでした。
来客用の布団と、季節の家電です。
布団は、1組で奥行き90cm、幅100cm、高さ50cmほどの場所を使います。押し入れの上段1つぶん。2組置くなら、その倍です。
扇風機、加湿器、暖房器具、クリスマスの飾り。季節の家電と飾りは、1年の大半をしまわれたまま過ごすのに、場所だけは確実に要ります。
この2つの行き先が決まっていない図面は、住んだあとに個室のどこかが物置に変わります。
4LDKにした意味が、そこで薄くなる。
だから、収納を削る話をするときは、削ったあとに残る物の置き場所を先に図面に書き込んでもらいました。
天井近くの吊り戸棚でも、小上がりの下でも、廊下の壁でもかまいません。行き先さえ決まっていれば、納戸は無くても回りました。
同じ35坪4LDKでも会社によって収納の取り方は変わるので、複数社の間取りプランを並べて比べられます。
【PR】タウンライフ家づくり(平屋住宅特集)
届くのは、わが家のために描かれた平屋の計画書
住宅展示場でもらうカタログは、誰にでも同じ1冊です。平屋住宅特集で届くのは、あなたの希望から作られた、あなたの家のための資料です。
無料で届くもの
- 間取りプラン(家族の人数と暮らし方に合わせた平屋の図面)
- 資金計画書(建物の本体だけでなく、諸費用まで含めた総額の目安)
- 土地の提案(まだ土地が決まっていない場合)
同じ条件で複数の会社から届くので、並べたとたんに各社の得意なところが見えてきます。
提携している住宅会社は1,280社以上です(タウンライフ家づくり公式サイト、2026年9月現在・同社調べ)。
廊下に消えている床を数え直す
- 幅91cmの廊下は、1m伸びるごとに0.28坪ずつ積み上がる
- 個室4つを向かい合わせに置くと、廊下の長さが半分になる
- 洗面所を通路の途中に置くと、廊下が部屋の一部に変わる
- 玄関からLDKまでの歩数を、図面の上で数えて確かめておく
削る場所として、収納の次に見るのが通路です。
平屋の廊下は、2階建てとは意味がちがいます。2階建ては個室を2階にまとめて短い廊下でつなげますが、平屋は全部が同じ床の上に並ぶので、個室が4つあると通路が横に伸びていきます。
この章では、その伸びた通路が何坪になっているのかを、実際に数える方法から書きます。
幅91cmの廊下は、1m伸びるごとに0.28坪
廊下の幅は、910mmで割り付ける家なら91cmです。
1m伸びるごとに0.91㎡。
坪に直すと0.28坪ずつ積み上がっていきます。
6畳の部屋を4つ横に並べると、幅は14.5mを超えます。そこまで長い廊下になることはまずありませんが、個室3つ分の前を通る廊下でも10mほどになりました。
10mの廊下は9.1㎡、2.75坪です。
玄関から廊下までのつなぎと、突き当たりで洗面所に折れる部分を足すと、3坪を超える図面もありました。
115.7㎡のうち10㎡が通るだけの床になる、ということです。
見積書の建物金額を35で割って3を掛けると、廊下にいくら払っているのかが出てきます。
4,000万円の家なら、約343万円。
この数字を見て、僕は廊下の図面をもう一度開き直しました。
それでも、廊下がゼロになればいいという話ではありません。個室の出入りがLDKから見えない距離は、思春期の子どもがいる家には要るものでした。削るかどうかは、金額だけで決めない。
個室4つを向かい合わせに置くと、廊下が半分になる
通路を短くする方法で、いちばん効いたのがこれでした。
個室を一列に並べず、廊下の両側に2部屋ずつ置く形です。
一列だと、4部屋の前を廊下が通ります。
向かい合わせなら、2部屋ぶんの長さで4部屋に入れます。
廊下の長さが半分になれば、1坪から1.5坪がそのまま他に回せました。
ただし、条件があります。
向かい合わせにすると、片側の2部屋は北側か、家の中央寄りになります。中央寄りの部屋は外壁に面する辺が少ないので、窓が1つしか取れないことがありました。この場合、次の章の採光の話が効いてきます。
もう1つ、LDKを家の真ん中に置いて、個室を東西に2つずつ振り分ける形もありました。この形だと廊下という独立した通路がほとんど消えて、LDKから直接それぞれの部屋に入ります。
通路の合計は1坪を切りました。
その代わり、建物が横に長くなるので外壁と基礎の長さが伸びます。浮いた床と伸びた外周を両方の図面で並べてもらうと、どちらが得かがその場で見えました。僕が比べた2社では、本体の金額はほとんど変わらなかったです。
洗面所を通路の途中に置くと、廊下が部屋に変わる
もう1つ、廊下そのものを減らさずに、廊下を働かせる方法があります。
洗面台を脱衣所から出して、廊下の途中に置く形です。
幅90cmの洗面台を廊下の壁に付けると、その前の通路が洗面所を兼ねます。
通るだけだった床に、用事ができる。
洗面台を廊下に出すと、誰かが入浴している間でも手が洗えて、5人家族の朝と夜の混み合いが分かれます。
そのぶん、脱衣所は1坪で足ります。
洗面と脱衣を分けるのに床を足すのではなく、廊下にずらすことで足さずに分けたわけです。
気をつけるのは、洗面台の前に人が立ったときの通路の幅でした。廊下が91cmのままだと、人が立っているときに後ろを通れません。洗面台の前だけ廊下を広げてもらうか、通路の幅を1.2mほど取っておくと、朝にぶつからずに済みます。
水の配管も、少し動きます。
浴室と洗面台が離れると、給排水の管が長くなるので、その行が見積書で動いているかを確かめておきました。
玄関からLDKまでの歩数を、図面の上で数える
通路の話の最後は、長さではなく使い勝手のほうです。
図面を受け取ったら、指でなぞって歩数を数えます。
玄関からLDKまで。
玄関から洗面所まで。
4つの個室からトイレまで。
1歩を60cmとして数えると、だいたいの感覚がつかめます。玄関からLDKまでが10歩を超える図面は、荷物を持って帰ってきたときに遠く感じました。
平屋で廊下を削りすぎると、4部屋目の入口がほかの部屋の中にしか取れない図面になることがあります。
子ども部屋が2つつながっていて、奥の部屋へは手前の部屋を通る。
これだと、4LDKと書いてあっても奥の部屋は独立した個室として使いにくいです。
4つの個室それぞれから、玄関とトイレと洗面所まで、ほかの部屋を通らずに行けるか。この1点だけは、削る話が終わったあとに必ず確かめておきます。入口の位置を50cmずらすだけで解決することが、ほとんどでした。
窓は、法律で決まった大きさから数える
- 住宅の居室は、床面積の7分の1以上の採光の開口が原則になる
- 6畳なら1.39㎡、腰高の窓1つでも届く大きさという計算
- 一定の条件のもとで10分の1以上まで緩和する改正が行われた
- 平屋は室外機が5台とも地面に並ぶので置き場所を図面に描く
- カーテンとエアコン本体は、本体工事の外で別に数えておく
部屋が1つ増えると、窓が増えます。
これは好みの問題ではなく、法律で下限が決まっている部分がありました。僕はここを知らずに図面を見ていたので、担当の方から採光という言葉が出てきたとき、何の話か分からなかったんですよね^^;
窓の数と大きさは、この下限から積み上げていくと迷いません。そのうえで、エアコンとカーテンという、窓と部屋の数に連動して増えるお金も一緒に見ておきます。
住宅の居室は、床面積の7分の1以上が原則
人が過ごす部屋のことを、建築の言葉で居室と呼びます。
寝室、子ども部屋、リビング、ダイニング。
玄関、廊下、トイレ、浴室は居室に入りません。
国土交通省が令和4年改正建築基準法についてで案内しているとおり、住宅の居室には採光に有効な開口部が原則として床面積の7分の1以上必要で、一定の条件のもとで10分の1以上まで緩和できることになりました。
個室を1つ増やすということは、その部屋の床面積の7分の1以上の窓を1組増やすということです。
好みで窓を減らす、ということができない部分。
ここが、部屋数と窓の数が連動する理由でした。
採光に有効な面積は、窓そのものの面積とイコールではありません。隣の建物との距離や、軒の出の深さによって計算上の数字が変わります。平屋は軒を深く出すことが多いので、同じ窓でも有効な面積が小さく計算されることがありました。
だから、図面の段階で窓が小さすぎないかは、会社のほうで確かめています。
僕たちが見るのは、その結果として何か所の窓が付いたか、のほうです。
6畳なら1.39㎡、腰高の窓1つでも届く
実際に計算してみます。
6畳は9.72㎡。
7分の1は1.39㎡です。
腰の高さの窓で、幅165cm×高さ110cmなら1.82㎡。1か所で1.39㎡を超えます。
6畳の個室は、腰高の窓が1つあれば、採光の下限そのものは満たせる計算になります。
4.5畳なら7.29㎡で、7分の1は1.04㎡。
幅120cm×高さ110cmの窓、1.32㎡で足ります。
ただ、下限を満たすことと、暮らしやすいことは別でした。窓が1つだと、風が入っても抜ける先がありません。向かい合う壁か隣り合う壁にもう1つ窓を付けると、空気が動くようになります。
4部屋すべてに2つずつ付ければ、個室だけで8か所。
3LDKなら6か所です。
サッシは1か所ずつ、本体とガラスと網戸と、外壁側の防水の処理まで含めて金額が付きます。断熱性の高い樹脂のサッシを選ぶほど1か所あたりが上がるので、2か所ちがうだけで本体の金額に差が出ました。
照明の条件を満たすと、10分の1まで緩和された
先ほどの7分の1には、続きがあります。
一定の条件のもとで、10分の1以上まで緩和されることになりました。
条件は、その部屋に照明設備を設けることです。
6畳で計算すると、7分の1が1.39㎡、10分の1なら0.97㎡。
窓を0.4㎡ほど小さくできる、ということになります。
この緩和が効いてくるのが、家の中央寄りに来る個室でした。
廊下の両側に2部屋ずつ置く形にすると、片側の部屋は外壁に面する辺が短くなります。そこに大きな窓を取ろうとすると、家具を置ける壁が減っていく。緩和の条件を満たして窓を1回り小さくすると、壁が残せました。
窓が小さいぶん、冬に逃げる熱も減ります。
その代わり、昼でも照明を付ける時間が増えます。
どちらを取るかは、その部屋を誰がいつ使うかで決まりました。日中ほとんど家にいない人の寝室なら、窓を小さくしても暮らしは回ります。日中に長い時間を過ごす部屋なら、窓のほうを優先しておいたほうが、毎日の気分がちがいました。
室外機5台を、どこに並べるのか
窓の次は、エアコンです。
4LDKなら、LDKと個室4つで5台。
本体を後で買うとしても、建てるときに用意しておくものが3つあります。専用のコンセントと回路、配管を通す外壁の穴、そして室外機を置く場所です。
平屋で効いてくるのが、3つ目でした。
2階建てなら上下に分かれる室外機が、平屋では5台とも地面に並びます。
隣の家との間の通路に3台並ぶ図面を見て、ここを自転車で通れるのかな、と思ったことがありました。
室外機の下には、コンクリートの台かブロックが要ります。
この5台ぶんの土台を外構の工事で作るのか、エアコンを取り付けるときに業者さんに置いてもらうのかで、見積書のどこに載るかが変わりました。どちらにも載っていないことがあるので、そこは聞いておきます。
配管の穴の位置も、外から見える場所に来ます。道路に面した外壁に5つ並ぶと、外観にそのまま出ました。建物の裏へ回すと配管のカバーが長くなり、取り付けの費用がそのぶん上がります。
分電盤の回路も5つ増えるので、分電盤そのものが一回り大きいものに変わることがありました。
カーテンとエアコン本体は、本体工事の外で数える
ここまでは、本体工事の見積書に載ってくる話でした。
その外にも、部屋と窓の数で増えるお金があります。
カーテンは窓の数だけ、エアコン本体は部屋の数だけ。
35坪4LDKで窓が全部で14か所から16か所になると、カーテンもその数ぶん要ります。腰高の小さな窓なら既製品の丈で収まりますが、床まである大きな窓や横に長い窓は寸法が合わず、注文で作ることになりました。
本体・付帯・諸費用の3つの箱に入っていないお金が、ここに固まっています。
本体工事が建物そのもの、付帯工事が敷地の上で建物を使えるようにする工事、諸費用が登記やローンの手続きのお金。この3つの箱のどれにも、カーテンとエアコン本体は入っていないことがほとんどでした。
カーテンとエアコンは、その3つの外に4つ目の行を自分で作って書いておきました。
全部を引き渡しの日にそろえなくても大丈夫です。入居の時点ではLDKと主寝室と、夏に使う子ども部屋だけ付けて、残りは翌年に回した家もありました。ただ、西日が強く当たる部屋だけは最初の夏までに付けておいたほうが、その年を越しやすかったです。
順番は、窓の向きと、その部屋にいる時間の長さで決めます。
32坪との3坪の差を、見積もりの上で確かめる
- 3坪は約9.9㎡で、6畳の個室1つ分よりわずかに広い面積
- 4.5畳を6畳へ3部屋ぶん格上げしても2.2坪しか使わない
- 要望欄には畳数ではなく、誰が何をする部屋かを書いて渡す
- 届いた図面は個室の合計㎡数と通路の坪数の2つで並べる
最後は、ここまでの話を見積もりに落とし込む段階です。
35坪で迷っている方の多くが、1つ下の32坪や、1つ上の40坪とも比べていると思います。僕もそうでした。3つの図面を机に広げて、どこがちがうのかを探しているうちに、夜中になっていたんですよね(笑)
この3坪の差が何に化けるのかが分かると、選ぶ理由がはっきりします。そこから、複数社にどう頼むかの話に進みます。
3坪は約9.9㎡、6畳の個室1つ分と少し
35坪と32坪の差は3坪、約9.92㎡です。
6畳が9.72㎡なので、6畳の個室1つ分よりわずかに広い面積。
そう聞くと、3坪で1部屋増やせるように思えます。
ところが、実際の図面ではそうなりませんでした。部屋を1つ足すと、その部屋に入るための通路と、間仕切りの壁と、クローゼットが一緒に付いてくるからです。
6畳の部屋を1つ増やすには、部屋の9.72㎡に加えて、通路と壁と収納でさらに3㎡から5㎡が要ります。
だから3坪では、1部屋は足りません。
32坪で4LDKを取ると、個室は4.5畳が中心になります。その中身は32坪に個室を4つ収めるときの割り方と増える見積書の行に書きました。
35坪になると、その4.5畳を6畳に上げられる。
部屋の数は同じで、1部屋ずつが広くなる。これが3坪の正体でした。
逆に、40坪まで上げると個室を広げたうえで水回りを2か所持てるようになります。40坪4LDKで水回り2か所と敷地100坪まで見込む考え方も並べて見ておくと、3坪ずつ上がるごとに何が手に入るのかが分かりやすいです。
4.5畳を6畳へ3部屋ぶん格上げしても、2.2坪
計算してみます。
4.5畳が7.29㎡、6畳が9.72㎡。
差は1部屋あたり2.43㎡です。
3部屋を格上げすると7.29㎡で、坪に直すと2.2坪になりました。
3坪のうち2.2坪で3部屋を4.5畳から6畳に上げられて、まだ0.8坪が残ります。
残る0.8坪は、約2.6㎡。
廊下を1m半ほど伸ばせる面積であり、収納を1.5畳ぶん足せる面積でもあります。
ここが、35坪4LDKでいちばん気持ちのいいところでした。部屋の数を増やすのではなく、同じ4部屋の1つずつを一段広くして、なおかつ収納をひとつ足せる。32坪の図面で削った場所が、ちょうど戻ってくる大きさなんです。
金額のほうも見ておきます。
1㎡当たり建設費の全国平均35.9万円で3坪、9.92㎡を計算すると、約356万円。
個室3部屋を1.5畳ずつ広げて収納を足すのに、約356万円。この数字をどう受け取るかは家族によって分かれると思いますが、少なくとも何に払うのかは、はっきりしています。
要望欄には畳数ではなく、誰が何をする部屋かを書く
頼み方の話に移ります。
一括で見積もりを頼むときの要望欄に、35坪4LDKとだけ書くと、会社ごとの得意な35坪が届きます。
それはそれで参考になります。
ただ、比べるための図面にはなりませんでした。
書くのは、畳数ではありません。4つの部屋に誰が入って、その人が何歳で、その部屋で何をして、何年使うのか。この4つを部屋ごとに書きます。
使い方を書いて渡すと、寝るだけの部屋は4.5畳、長い時間を過ごす部屋は6畳、という割り方で図面が返ってきます。
畳数を指定すると、そこで思考が止まる。
使い方を書くと、こちらが思いつかなかった配置まで提案が来ました。
LDKの畳数だけは、先に数字で伝えておきます。16畳以上、あるいは18畳以上と書いておくと、残りで個室を割ってもらえるので、届いた図面が同じ土俵に乗ります。12畳の1部屋を後から割りたいなら、そのことも書いておきます。
そして、その紙をすべての会社に同じ内容で渡します。ここだけそろえておけば、返ってきた図面の差は、会社の考え方の差だと読めるようになりました。
届いた図面は、個室の合計㎡数と通路の坪数で並べる
図面が届いたら、表を1枚作ります。
縦に会社の名前、横に項目です。
項目は5つでした。個室4つの合計㎡数、LDKの畳数、廊下と通路の坪数、窓の数、それに収納の場所と数。
個室の合計㎡数と通路の坪数、この2つを並べるだけで、同じ35坪4LDKの中身の差がはっきり出ます。
通路の坪数は、図面に書かれていないことがほとんどです。
その場合は、方眼のマス目を数えます。91cmのマスが2つで約1畳、4つで約1坪。子どもと一緒に数えると、意外と早く終わりました^^
そのうえで、見積書のほうを見ます。窓のサッシの数、室内ドアの枚数、クローゼットの扉、間仕切りの壁とクロス、エアコンの専用回路。この行の数が、図面に描かれた数と合っているかを確かめます。
合わない行は、あとで追加になりやすい行でした。
「この一式には、何部屋ぶん入っていますか?」と聞くと、内訳を出し直してもらえます。
最後に、家族でもう一度だけ話します。4つの部屋が同時に埋まる年数と、その年数に払う金額。この2つを並べると、35坪で4LDKにするのか、3LDKにして余白を持つのか、12畳を後から割るのかが、自然に決まりました。
まとめ:35坪4LDKは、増やした3坪の行き先で決まる
平屋35坪4LDKの費用は、坪単価の数字より先に、115.7㎡をどう割ったかを見ると読めるようになります。1㎡当たり建設費の全国平均35.9万円を掛ければ約4,154万円ですが、標準偏差は9.6万円あって、35坪に直すと1,100万円ほどの幅の中に散らばっている数字でした。その幅を作るのは仕様で、間取りが作るのは別のものです。個室を6畳で4つ取れば38.9㎡、LDKに18畳残せば29.2㎡。残る47.7㎡を、玄関と廊下と水回りと収納と壁の厚みで分け合うことになります。
僕が同じ35坪の3LDKと4LDKを並べた夜、いちばん長く話したのは金額の欄ではありませんでした。4つ目の部屋を誰が何年使うのか、という1行です。上の子が家を出るころ、下の子はまだ小学生。4部屋が同時に埋まるのは、数えてみたら6年ほどでした。その6年のために、3LDKなら作れたはずの書斎と土間と広い収納を手放すのか。どちらを選んでも筋は通っていて、決め手になったのは数字ではなく、その6年を家族でどう過ごしたいかのほうだったんです。
まずは紙を1枚出して、4つの部屋に入る人の名前と年齢を書いてみてください。そこから先は、複数社の図面を同じ表に並べていけば大丈夫です。
- 35坪は115.7㎡で、4人で割ると1人あたり28.9㎡になる
- 1㎡当たり建設費は全国平均35.9万円、中央値34.6万円
- 標準偏差9.6万円は35坪に直すと1,100万円ほどの幅
- 6畳を4つ並べると個室だけで38.9㎡を使う
- LDK18畳なら残る床は47.7㎡で、壁の厚みもそこに入る
- 収納は量を減らさず、床から壁と高さへ場所を移す
- 幅91cmの廊下は1m伸びるごとに0.28坪ずつ積み上がる
- 居室の採光の開口は原則として床面積の7分の1以上
- 3坪あれば4.5畳を3部屋ぶん6畳に格上げできる
個室4つとLDKの畳数を書いて渡せば、その条件で作った提案書が無料で届き、金額と一緒に比べられます。
【PR】タウンライフ家づくり(平屋住宅特集)
届いたプランを、家族で広げる時間をつくる
平屋の家づくりでいちばん心がはずむのは、自分たちの暮らしが図面の上に描かれた瞬間です。
子ども部屋の場所、洗濯物の通り道。紙の上で話すと、家族それぞれの「こうしたい」が自然に出てきます。
その材料は、今日のうちに頼んでおけます。
費用はかかりません。依頼する会社は自分で選べます。

