
ノブです。共働きで、子どもが2人います。
家族が3人の家を考えるとき、最初に詰まるのは金額ではありませんでした。
何坪の家を建てるのかが決まらないと、費用の話に進めないんですよね。
先に、制度の話を1つだけ。
国土交通省の住生活基本計画(全国計画)が、2026年3月27日に閣議決定されました。計画の期間は2026年度から2035年度までです。
この新しい計画で、世帯の人数から必要な広さを出す表が姿を消しています。前の計画にあった「3人世帯なら一般型で100平方メートル」という数字が、本文から無くなりました。
代わりに書かれたのは「40平方メートル程度を上回る住宅とする」という一行だけ。
つまり、3人でいくら必要かは、国が決めてくれなくなったわけです^^;
ここからは自分で決めることになります。
僕も最初は坪単価から入りました。ネットで「平屋は坪70万円から90万円」と読んで、30坪なら2,100万円か、と電卓を叩いたんです。ところが、その30坪という数字の根拠が自分の中にどこにもなかったことに、途中で気づきました。
順番が逆だったわけです。
3人家族の費用は、坪単価ではなく、要る部屋を並べた結果の坪数から出てきます。
この記事では、その並べ方を書きます。子ども1人の部屋、夫婦の寝室、その部屋が空いたあと、親の帰省、共働きの家事の動き、収納の置き場所。この6つを坪数に直して、最後に見積書の金額に換算するところまで進めます。
- 3人の広さの目安は国の計画から消えている
- 子どもの年齢で必要な面積の数え方が変わる
- 2LDKと3LDKの差は壁1枚だけではない
- 空いた1部屋の使い道を先に決めておく
- 土地から買うかどうかで1,000万円動く
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平屋を3人家族で建てる費用は、何坪から数え始めるのか
- 注文住宅を建てた人の中で一番多いのが3人の世帯だった
- 前の計画では一般型で100平方メートルという数字があった
- 子どもが6歳未満なら世帯人数は3人として数えない
- 2026年3月の計画で面積の表そのものが無くなっている
まず、数字の土台を置きます。
3人家族という言葉は日常語なので、統計の中でどう扱われているかを知らないまま話が進みがちです。僕も、自分たちが多数派なのか少数派なのかを知らずに間取りの相談に行って、営業の方の「よくあるご家族ですね」という一言をそのまま受け取っていました。
根拠を持たずに頷いていたわけです^^;
だから、この章では公表されている数字だけを使って、3人の家がどこに位置しているのかを先に確かめます。
注文住宅を建てた人で、一番多かったのは3人の世帯
住宅金融支援機構が2026年7月24日に公表した2025年度の【フラット35】利用者調査があります。
借り換えを除いた35,553件を集計したもので、住宅ローンを借りて家を手に入れた人の顔ぶれがそのまま出ている資料です。
ここに家族数の集計が載っています。
全体では2人の世帯が一番多く、次が3人でした。ところが融資の区分ごとに分けると、景色が変わります。
注文住宅、土地付注文住宅、建売住宅の3つでは、3人の世帯の割合が一番高くなっていました。
戸建てを建てる層に限れば、3人家族が最多だったわけです。
平均の家族数は3.0人で、前の年度より0.1人減っています。
この数字を知ってから、展示場での会話が変わりました。「うちは3人なので小さめでいいですよね」と自分から言わなくなったんです。3人は、戸建てを建てる家族の真ん中でした。
小さめの特殊な家を頼んでいるわけではない、という前提で話せます。
詳しい集計は、住宅金融支援機構のフラット35利用者調査のページで年度ごとに公開されています。
ついでに書いておくと、同じ調査の平均年齢は43.3歳で、30歳代以下の割合が45.1%まで増えていました。子どもが1人いる30代から40代が、いま戸建てを建てている中心の層ということになります。
前の計画にあった3人の広さは、一般型で100平方メートル
次に、広さの目安です。
2021年3月19日に閣議決定された住生活基本計画には、別紙3として誘導居住面積水準という表が付いていました。世帯の人数から、ゆとりを持って暮らせる面積を出すための式です。
式は2本ありました。
- 一般型(郊外や地方の戸建てを想定) 25平方メートル×世帯人数+25平方メートル
- 都市居住型(都市部の共同住宅を想定) 20平方メートル×世帯人数+15平方メートル
3人を当てはめます。
一般型なら25×3+25で100平方メートル。坪に直すと約30.3坪です。都市居住型なら20×3+15で75平方メートル、約22.7坪になります。
平屋を郊外に建てるなら、30坪が国の示していた線でした。
ネットの記事で「3人家族の平屋は30坪」とよく書かれているのは、この式が出どころです。
出どころが分かると、扱い方も決まります。
この100平方メートルは「これだけ要る」という下限ではなく、「これくらいあれば多様な暮らし方に対応できる」という誘導の目標でした。だから下回っても住めますし、上回れば正解というものでもありません。
僕はこれを、物差しの目盛りとして使っています。自分の希望が30坪からどちらに何坪ずれているのかを見るための線です。
28坪なら2.3坪下、33坪なら2.7坪上。そのずれた理由を説明できるなら、坪数は決まったことになります。
子どもが6歳未満なら、3人として数えない決まりだった
ここからが、あまり知られていない部分です。
同じ別紙3の注1に、世帯人数の数え方が書いてありました。
3歳未満の子は0.25人。3歳以上6歳未満は0.5人。6歳以上10歳未満は0.75人。この換算で世帯人数を出す、という決まりです。ただし、こうして計算した人数が2人に満たない場合は2人として扱う、という但し書きも付いていました。
4歳の子どもがいる3人家族を計算してみます。
大人2人+0.5人で、世帯人数は2.5人。一般型なら25×2.5+25で87.5平方メートル、約26.5坪です。
30坪ではなく、26.5坪でした。
3.8坪ちがいます。坪単価80万円なら、300万円ぶんの差です。
この換算が入っている理由は、子どもの体の大きさではなく、暮らし方だと僕は読んでいます。未就学の子は自分の個室で過ごす時間がほとんどなく、親のいる部屋にいるからです。
つまり、いま何坪要るかと、10年後に何坪要るかは、別の数字でした。
ここが3人家族の設計でいちばん難しいところなんですよね。
建てる時点の家族の形に合わせると小さくなり、10年後に合わせると今は広すぎます。どちらに寄せるかを決めないまま坪数の話をすると、相談のたびに答えが変わることになりました。
2026年3月の計画で、面積の表そのものが無くなった
そして、冒頭に書いた変化です。
2026年3月27日に閣議決定された新しい住生活基本計画には、誘導居住面積水準の別紙がありません。世帯人数から面積を出す式が、計画本文から消えました。
代わりに、別紙1の住宅性能水準にこう書かれています。単身世帯が都市で暮らせる規模と、2人世帯、3人世帯、それに夫婦と2人の未就学児からなる世帯が生活を営める規模を考慮して、40平方メートル程度を上回る住宅とする、と。
40平方メートルは、約12.1坪です。
戸建てを建てる人にとっては、目安として機能する数字ではありません。
計画の狙いは、単身世帯が増えていく2050年を見据えて、既存の住宅を回していける形にすることにあります。だから新築の戸建てを想定した30坪という線を、国として示さなくなったのだと受け取りました。計画の全文は国土交通省の住生活基本計画(全国計画)のページで読めます。
読者にとっての意味は、1つだけです。
3人家族に何坪要るかを、自分で積み上げて出す時代になりました。
次の章から、その積み上げ方を1つずつ書いていきます。
子ども部屋を1つ足すと2LDKは3LDKになる
- 1部屋の差は壁1枚ではなく4つの工事がまとめて乗る
- 机とベッドと物の3つを置くと4.5畳では収まらない
- 広い1部屋を作って10年後に2つへ割る方法がある
- 部屋数は住み継ぐときと貸すときの値段にも効く
3人家族の間取りは、2LDKと3LDKのどちらかに落ち着きます。
寝室が1つ、子ども部屋が1つで2LDK。そこにもう1部屋足すと3LDKです。知人は「どうせ1人しかいないから2LDKでいい」と言って着工の直前で3LDKに変えました。理由を聞いたら、親が泊まりに来たときに寝かせる場所がリビングしかないことに気づいたから、だそうです^^;
その1部屋で、金額がいくら動くのかを先に見ます。
ここを数字にしておくと、増やすか減らすかを気分ではなく予算で決められるようになります。
1部屋の差は、壁1枚ではなく4つの工事になる
2LDKと3LDKの差を、壁1枚だと思っていました。
実際は違います。
間仕切りの壁ができると、そこに建具が1本要ります。部屋になった以上は照明が要ります。コンセントも要ります。エアコンを付けるなら、そのための専用の回路と室外機を置く場所も要ります。
4つです。
見積書では、これが別々の行に散って書かれます。「内装工事」「建具工事」「電気設備工事」「空調設備工事」という具合に、4つの行がそれぞれ少しずつ増える形です。だから1か所を見ても差が分かりません。
合計すると、40万円から80万円という水準でした。
壁1枚のつもりで聞いていると、この4つぶんの見落としが出ます。
それと、部屋を1つ増やすと廊下が伸びることがあります。
平屋は部屋が横に並ぶので、部屋数が増えるとその前を通る通路も長くなるからです。1坪ぶん廊下が伸びれば、そこにも床と天井と壁の工事が乗ります。
だから、比べるときは坪数ごと比べます。
「2LDKの図面と3LDKの図面で、延床と総額はそれぞれいくらですか?」と聞く形です。
机とベッドと物の3つを置くと、4.5畳では収まらない
子ども部屋の広さは、畳の数ではなく置くもので決まりました。
学習机が幅110センチ前後。シングルのベッドが幅100センチで長さ195センチ。それにクローゼットか衣装ケース。この3つを置いて、あとは通る幅を確保するだけです。
4.5畳だと、机とベッドで壁が2面埋まります。
収納を置く面が残りません。
だから、4.5畳にするなら収納は部屋の外に作ります。廊下側にクローゼットを設けるか、家族ぶんをまとめた収納部屋を別に取る形です。この作り方なら4.5畳でも足ります。
6畳にすると、3つとも部屋の中に収まります。
差は1.5畳、坪に直すと0.75坪です。
坪単価80万円なら60万円の差になります。60万円で部屋の中に収納を作るか、その60万円を別の場所に回して共用の収納を作るか、という選び方でした。4.5畳が狭いのではなく、収納をどこに置くかが決まっていないだけです。
我が家は後者を選んでいます。
子どもの物は、学年が上がるたびに中身が入れ替わるからです。部屋の中に作り付けてしまうと、その形のまま使い続けることになりました。
可動の棚か、置き家具のほうが長持ちします^^
広い1部屋を作って、10年後に2つへ割る
3人家族でよく採られるのが、この作り方です。
子ども部屋を最初から2つに割らず、10畳前後の1部屋として作っておきます。小さいうちは遊ぶ部屋として広く使い、必要になった時点で真ん中に壁か家具を入れて2つにする、という段取りです。
準備しておくものが3つあります。
入口の建具を2本、窓を2つ、照明とコンセントを2組。これを最初から左右対称に入れておきます。
あとから壁を立てるだけで、2部屋になります。
この3つを後回しにすると、割るときに壁と天井を壊す工事になりました。建具を1本足すだけで数十万円、窓を1つ増やすとなると外壁を開けることになるからです。
先に入れておく費用は、建具1本と窓1つと電気で50万円前後。
あとから同じことをすると、150万円を超えることもあります。
この差を知ってから、僕は「あとでやる」という言葉を疑うようになりました。あとでやれるものと、あとだと高くつくものが混ざっているからです。
壁を立てる工事はあとでも安い。外壁と天井を開ける工事はあとだと高い。この線で分けます。
ちなみに、子どもが1人だけなら割らずに終わる可能性もあります。
それでも入口を2つにしておくと、1部屋を2つの用途に分けて使えるので無駄にはなりませんでした。
部屋数は、住み継ぐときと貸すときにも効いてくる
もう1つ、先の話も書いておきます。
3人で住む家は、いずれ2人になり、1人になる可能性があります。そのとき、その家をどうするのかで部屋数の意味が変わりました。
売るなら、3LDKのほうが買い手の幅が広くなります。
貸す場合も同じです。
平屋の2LDKは単身か夫婦2人向けで、借りる人が限られます。3LDKなら子どものいる世帯も入れるので、募集できる相手が増えました。部屋数は、出口の選択肢の数でもあります。
とはいえ、売る前提で家を建てる人はいません。
だから、判断の主軸はあくまで今と10年後の暮らしに置きます。出口の話は、2LDKと3LDKで迷って決まらないときの、最後の一押しとして使うくらいがちょうどよかったです。
4人家族の3LDKで組む場合の考え方は、平屋30坪3LDKの費用の内訳のほうに、見積書の行ごとの動き方で書いてあります。
夫婦の寝室は一緒にするか、分けるか
- 主寝室を8畳にするか6畳にするかで1坪動いてくる
- クローゼットを部屋の中に置くか外に出すかで形が変わる
- 小さいうちは3人で寝る時期が5年から8年ある
- 寝室の窓は道路と隣家の側を避けて位置を決める
子ども部屋の次は、夫婦の寝室です。
ここは削りやすい部屋だと思われがちですが、平屋では話が少し違いました。2階建てなら寝室は2階に置けるので、1階の面積に影響しません。平屋は全部が同じ階にあるので、寝室の広さがそのまま敷地の広さに効いてきます。
1坪増えれば、建物が1坪ぶん横に伸びるわけです。
だから、寝室の大きさは早い段階で決めておきます。
主寝室を8畳にするか6畳にするかで、1坪動く
ダブルベッドを1台置くのか、シングルを2台並べるのかで分かれます。
これで必要な広さが変わります。
ダブルは幅140センチ前後で、6畳でも通路が残ります。シングル2台だと幅が200センチを超えるので、間に隙間を空けるなら8畳がほしくなりました。
差は2畳、1坪です。
坪単価80万円なら80万円の差になります。
僕の感覚では、ここは削らないほうの部屋でした。寝室は1日の3分の1を過ごす場所で、しかも家の中でいちばん模様替えがしにくい部屋だからです。ベッドを置いたら、その配置で何年も過ごすことになります。
寝室の1坪は、子ども部屋の1坪より長く使われます。
子ども部屋が使われるのは、小学校に上がってから家を出るまでの十数年です。
寝室は、建ててから住み続けるかぎりずっと使います。
この時間の長さで考えると、優先の順番が変わりました。
クローゼットを部屋の中に置くか、外に出すか
寝室の広さの話は、収納とセットになります。
ウォークインクローゼットを寝室の中に作ると、2畳から3畳を寝室の面積に足すことになります。8畳の寝室に2畳のクローゼットなら、その部分だけで10畳です。
外に出す方法もあります。
寝室と廊下の間に置いて、両側から入れる形にするやり方です。この作り方だと、朝の支度のときに寝ている人を起こさずに服が取れます。共働きで起きる時間がずれている家庭では、ここが効きました。
面積は同じでも、使い勝手が変わります。
それと、通り抜けられる収納は風が通るので、湿気がこもりにくくなりました。窓を1つ付けるとさらに変わります。
平屋は屋根が近いぶん、夏の室温が上がりやすい家です。
衣類をしまう場所は、その影響を受けにくい北側に寄せておくと落ち着きます。
小さいうちは、3人で寝る時期が5年から8年ある
ここは見落としやすい話です。
子どもが自分の部屋で1人で寝始めるのは、小学校の中学年から高学年という家庭が多くなります。つまり、生まれてから8年前後は、親と同じ部屋で寝ることになるわけです。
その8年間、子ども部屋は寝室として使われません。
おもちゃの部屋になります。
この期間を計算に入れると、主寝室の広さの意味が変わりました。3人で寝る前提なら、8畳でも足りないことがあります。ベビーベッドや布団をもう1組敷くと、6畳では通路が消えるからです。
建てた直後の何年かは、寝室がいちばん混む部屋になります。
だから、最初の数年と、そのあとの数十年を分けて考えます。
最初の数年に合わせて大きくしすぎると、あとで持て余します。あとに合わせて小さくすると、最初の数年がきつくなりました。折り合いの付け方として僕がよく見るのは、寝室を8畳にして、子ども部屋の押し入れを布団が入る奥行きにしておくやり方です。
布団なら、寝る場所を毎年変えられます。
寝室の窓は、道路と隣家の側を避けて決める
最後に、窓の位置です。
平屋の寝室は地面と同じ高さにあります。2階建ての2階なら気にならないことが、平屋だと直接効いてきました。
道路に面した窓は、車の音と光が入ります。
隣家に面した窓は、視線が気になります。
だから、寝室は敷地の中でいちばん静かな面に置きます。多くの場合は北側か、道路から遠い奥です。日当たりを寝室に求める必要はあまりないので、南側はリビングに譲っても困りませんでした。
この配置を最初に決めておくと、間取りの骨格が1つ固まります。
寝室を奥に置く、リビングを南に置く。この2つで、残りの部屋の置き場所が自動的に絞られます。
それと、寝室の窓は高い位置に細長く取る形もあります。
視線が入らないまま、光と風だけを通せるからです。外から見ても部屋の中が見えないので、道路側にしか空きがない敷地では現実的な選び方でした。
巣立ったあとに残る部屋の使い道
- 子が家を出るのは建ててから15年から20年あとになる
- 空いた1部屋を寝室を2つに分けるために回す道がある
- 在宅の仕事部屋にするなら配線を先に入れておきたい
- 年を取ってからの生活が1階で完結するのが平屋の形
- 使い道を決めてから窓とコンセントの位置を決める
ここが、3人家族の平屋でいちばん考えておきたい章です。
子どもが1人ということは、その子が家を出た時点で、家は夫婦2人のものに戻ります。4人家族なら2人が順番に出ていくので変化がゆるやかですが、3人家族はある年に一度に変わりました。
1部屋が、まるごと空きます。
その部屋を何に使うかを建てる前に決めておくと、窓の位置もコンセントの数も、今のうちに手を打てるようになります。
子が家を出るのは、建ててから15年から20年あと
まず、時期を数字にします。
子どもが3歳のときに建てたとして、大学や就職で家を出るのが18歳から22歳。つまり建ててから15年から19年後です。小学校に上がるタイミングで建てたなら、12年から16年後になります。
住宅ローンの期間は35年が中心です。
返し終わるより、ずっと前でした。
つまり、ローンを払っている期間の後半20年ほどは、その部屋が空いた状態の家に住むことになります。子ども部屋が子ども部屋である期間より、空いている期間のほうが長くなる計算です。
この事実を先に受け入れると、部屋の作り方が変わります。
子ども専用の仕様にしないわけです。
壁紙をキャラクターにしない、作り付けの学習机を入れない、天井にロフトを作らない。こういう「今の年齢に合わせた作り込み」を避けると、20年後にそのまま別の用途へ回せました。
空いた1部屋を、寝室を2つに分けるために回す
いちばん多い使い道が、これでした。
年を重ねると、夫婦の生活の時間がずれてきます。起きる時間、寝る時間、それにテレビや読書の習慣。同じ部屋で寝ていると、どちらかが我慢する場面が増えました。
空いた部屋を、もう1つの寝室にします。
仲が悪いわけではありません^^;
実際、僕の親も60代から寝室を分けています。理由を聞いたら「そのほうがよく眠れるから」の一言でした。夜中に起きる回数が増える年代では、相手を起こさずに動けることの価値が上がるようです。
この使い方を想定するなら、必要なものが3つあります。
エアコンの専用回路、その部屋から近いトイレ、それに収納です。子ども部屋にエアコンの回路を入れておくかどうかが、20年後に効いてきます。
回路だけなら、新築時は数万円です。
あとから引くと、壁の中を通せない場合に露出の配線になりました。
それと、トイレとの距離も見ておきます。平屋は廊下でつながっているので、寝室から遠い位置にトイレを置くと、夜中の移動が長くなります。2つ目の寝室になる部屋からトイレまで、図面の上で歩数を数えておきます。
在宅の仕事部屋にするなら、配線を先に入れておく
次に多いのが、仕事の部屋です。
子どもが家を出るころには、働き方も変わっている可能性があります。家で仕事をする日が週に何日かある、という形なら、その部屋が使われます。
要るのは、静けさと配線です。
有線の回線を1本、その部屋まで引いておきます。
無線でも足りる場面は多いのですが、平屋は建物が横に長いので、端の部屋まで電波が届きにくいことがありました。ルーターを置く位置から遠い部屋には、あらかじめ管を1本通しておくと選択肢が残ります。
費用は、数万円という水準です。
コンセントの数も多めにしておきます。
仕事の部屋になると、机の周りだけで5口から6口使うことになるからです。子ども部屋の標準は2か所4口ということが多いので、そこに1か所足しておくと足ります。
1か所あたり、1万円前後でした。
年を取ってからの生活が、1階で完結する
3つ目の使い道は、暮らし方そのものに関わります。
平屋を選ぶ人の多くが、階段のない生活を理由に挙げます。3人家族の場合、その恩恵がいちばん効いてくるのは、子どもが出たあとの夫婦2人の時期でした。
寝室も、水回りも、洗濯も、全部が同じ高さにあります。
移動に段差がありません。
介助が要る時期が来たとしても、車椅子や歩行器が通れる幅さえ確保してあれば、家の中の移動が続けられます。空いた1部屋を、その時期の介助のための部屋として取っておく考え方もありました。
そのために今できるのは、幅の確保です。
廊下を78センチではなく85センチにする、引き戸の開口を80センチ確保する、トイレのドアを引き戸にしておく。この3つは、建てるときなら追加の費用がほとんどかかりません。
あとから広げるとなると、壁を動かすことになりました。
使い道を決めてから、窓とコンセントの位置を決める
この章の結論です。
空いたあとの用途を1つ選んでおくと、今の図面で決めるべきことが具体的になります。寝室にするなら回路とトイレの距離。仕事部屋にするなら配線とコンセント。介助の部屋にするなら幅と引き戸。
どれも、今なら安い工事です。
あとからだと、壁か外壁を開けます。
営業や設計の方に伝えるときは、一言で足ります。「この部屋は、子どもが出たあとに◯◯として使う予定です」と言えば、図面に反映してもらえました。用途を伝えると、図面の中のその部屋だけ仕様が変わります。
伝えないと、標準のまま出てきます。
標準が悪いのではなく、20年後の予定はこちらしか知らないからです^^
同じ条件を3社に伝えて提案を並べると、その1部屋の扱い方だけでも会社ごとの考え方が出ました。
同じ3人家族でも会社によって坪数の提案は変わるので、複数社のプランを並べて比べられます。
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届くのは、わが家のために描かれた平屋の計画書
住宅展示場でもらうカタログは、誰にでも同じ1冊です。平屋住宅特集で届くのは、あなたの希望から作られた、あなたの家のための資料です。
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- 間取りプラン(家族の人数と暮らし方に合わせた平屋の図面)
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同じ条件で複数の会社から届くので、並べたとたんに各社の得意なところが見えてきます。
提携している住宅会社は1,280社以上です(タウンライフ家づくり公式サイト、2026年9月現在・同社調べ)。

泊まりに来る親と、年に数回の来客
- 年に何泊するかを数えると客間が要るかどうかが出る
- LDKを2畳広げて寝る場所を兼ねさせる方法がある
- 親が泊まる家はトイレと寝る場所の距離で決まる
- 駐車場を3台にすると敷地が1台ぶん余分に要る
3人家族の平屋で、部屋数の判断を迷わせるのがこの話です。
自分たちだけなら2LDKで足ります。ところが年に数回、親が泊まりに来ます。夏休みに子どもの祖父母が来て、正月にも来て、法事のときにも来る。そのたびに寝る場所をどうするかで、リビングにお客様用の布団を敷くことになりました^^;
その回数が年に3回なのか、20回なのかで答えが変わります。
ここで、客間を作るかどうかの答えが変わります。
年に何泊するかを数えると、客間が要るかどうかが出る
紙に書き出してみます。
夏に2泊、正月に2泊、春に1泊。これで年5泊です。365日のうち5日、率にすると1.4%になります。
この5泊のために、6畳を1部屋作るのかどうかを考えます。
6畳は約1.5坪で、坪単価80万円なら120万円です。加えて固定資産税がその面積ぶん毎年かかります。5泊で割ると、1泊あたり24万円の部屋でした。
数字にすると、判断が早くなります。
僕はこの計算をしてから、客間という考え方をやめました。
代わりに選んだのは、兼用です。年5泊のために部屋を作らず、普段使っている場所を泊まれる形にしておきます。
ただ、回数が年20泊を超えるなら話は別です。
親が遠方で、来ると1週間いるという家庭もあります。その場合は1泊あたりの金額が下がるので、独立した部屋を作る意味が出てきました。
まず、去年1年ぶんを思い出して書き出してみてください。
LDKを2畳広げて、寝る場所を兼ねさせる
兼用のやり方は、いくつかあります。
いちばん素直なのは、LDKを2畳ぶん広げておく方法です。普段はソファの前が広いだけのリビングで、泊まる人がいる日はそこに布団を敷きます。
2畳は0.5坪、40万円前後です。
6畳の部屋を作るより80万円安くなります。
もう1つは、LDKの一角を床の高い畳のコーナーにするやり方です。段差があるぶん腰を掛けられて、普段は洗濯物をたたむ場所や子どもの遊び場として使えます。ここに布団を敷けば、客間の代わりになりました。
ただし、仕切りがありません。
そこが兼用の弱点です。
親が早く寝る人で、こちらが夜更かしする家庭だと、同じ空間だと気を使います。引き戸を1本入れて、泊まる日だけ閉められるようにしておくと、この問題が消えました。建具1本で、数万円から十数万円です。
親が泊まる家は、トイレと寝る場所の距離で決まる
ここは、実際に親を泊めてから気づいたことです。
70代、80代の人にとって、夜中にトイレへ行く回数は若い世代より多くなります。慣れない家で、暗い中を歩くわけです。
距離と、段差と、明かり。
この3つが効きます。
寝てもらう場所からトイレまでが遠いと、その1回の移動が負担になりました。平屋は横に長い建物なので、端と端だと20歩以上になることがあります。泊まってもらう場所は、トイレから10歩以内に置きます。
足元灯も入れておきます。
人が通ると点くタイプなら、スイッチを探さずに済みます。1か所1万円前後で、廊下に2か所あれば足りました。
それと、段差です。
畳のコーナーを高くする作り方は普段は便利ですが、泊まる人が高齢なら、その段差が夜中の移動で効いてきます。どちらを取るかは、来る人の年齢で決めることになりました。
駐車場を3台にすると、敷地が1台ぶん余分に要る
最後に、建物の外の話です。
親が車で来るなら、その1台を停める場所が要ります。3人家族で車が2台あるなら、来客時は3台です。
1台分は、幅2.5メートル×長さ5メートル。
約3.8坪です。
これが平屋では効きます。建物が横に広がるうえに、駐車場も横に並ぶからです。2階建てなら建物の面積が半分で済むぶん、同じ敷地でも駐車の余地が残ります。平屋で3台分を確保するなら、敷地は60坪台から欲しくなります。
年に数回のために3台分を舗装するかどうかも、判断が分かれる部分でした。
1台分を砂利のままにしておく、という折衷もあります。
コンクリートで仕上げるより1台あたり十数万円安く、必要になってから打つこともできるからです。
それと、親の家が空き家になっていく流れも、この時期から重なってきます。実家をどうするかの話は、相続した実家の使い道のほうにまとめてあるので、必要になったときに読んでみてください。
共働きの動線は洗う場所と干す場所の距離で決まる
- 洗うと干すとたたむとしまうを1本の線の上に並べる
- 室内に干す場所があると平日の予定が崩れなくなる
- 玄関から洗面所までをまっすぐつなぐ形が効いてくる
- 帰ってから寝るまでの動きを平日の時間で書き出す
- 平屋は廊下が伸びるので回れる形にしておきたい
3人家族の多くは共働きです。
子どもが1人で、夫婦とも働いている。この形だと、平日の家事に使える時間が朝と夜の2回しかありません。知人の奥さんは「朝の20分で洗濯を回して干すところまで終わらせないと、その日1日ずれていく」と言っていました。
その20分を、間取りで短くできます^^
坪数を増やさずに効く部分なので、費用の面でもいちばん割のいい検討でした。
洗うとたたむとしまうを、1本の線の上に並べる
洗濯には4つの動きがあります。
洗う、干す、たたむ、しまう。
この4つが家の中で離れていると、そのたびに移動が発生します。洗濯機が洗面所、干す場所がベランダ、たたむのがリビング、しまうのが各部屋。こうなると、1回の洗濯で家の中を3往復することになりました。
平屋なら、これを1本に並べられます。
洗面所の隣に干す部屋を置いて、その隣に 家族ぶんの衣類をまとめた収納を作る形です。洗って、そのまま干して、乾いたらその場でたたんで、一歩動いてしまう。4つの動きが5メートルの範囲に収まると、移動の時間が消えます。
必要な面積は、2畳から3畳です。
坪に直すと0.5坪から0.75坪、40万円から60万円という水準でした。
この0.75坪は、20年間毎日効きます。1日10分短縮できるとして、年間で60時間。20年で1,200時間です。60万円で1,200時間を買う計算になります。
間取りにかけるお金として、僕はここがいちばん戻ってくると考えています。
室内に干す場所があると、平日の予定が崩れない
共働きだと、洗濯は夜か朝になります。
夜に干して朝に取り込む、という流れが多いはずです。ところが外に干すと、夜のうちに雨が降ったら終わりでした。取り込めるのは帰宅後になるので、乾かないまま1日ずれます。
室内に干す場所があると、天気に左右されません。
要るのは3つです。
物干しを掛ける金物、換気か除湿の手段、それに窓。この3つがそろえば、2畳の空間が干す場所になります。金物は1本1万円前後、換気扇は数万円という水準でした。
平屋は、ここでも有利です。
屋根がすぐ上にあるので、天井に近い位置に高い窓を取りやすく、湿った空気が上から抜けていきます。2階建ての1階だと、この抜け道が作りにくいことがありました。
それと、干す場所と浴室を近づけておくと、浴室乾燥も併用できます。
玄関から洗面所まで、まっすぐつなぐ
もう1本、効く動線があります。
帰ってきてから手を洗うまでの道です。
玄関を入って、リビングを横切って、廊下の奥の洗面所へ。この順番だと、外から持ち込んだものがリビングを通過します。子どもが小さいうちは、泥やら砂やらがそのまま床に落ちました。
玄関の近くに洗面台を置くと、この動きが消えます。
2メートルです。
入ってすぐ手を洗って、それからリビングへ入る形になります。花粉の時期も、上着を玄関で脱げるようにしておくと家の中に持ち込みません。
この作り方には、玄関まわりに1畳から2畳の余裕が要ります。
土間収納を兼ねると、なおよく回りました。ベビーカー、傘、部活の道具、それに外遊びの物。こういう「家の中に入れたくないけれど近くに置きたい物」の置き場所になるからです。
1.5畳で、30万円前後という水準でした。
帰ってから寝るまでの動きを、平日の時間で書き出す
ここまでの話を、自分の家に当てはめる方法です。
紙に、平日の夜の動きを時間順に書きます。
18時30分に帰宅、手を洗う、着替える、夕飯を作る、食べる、片付ける、風呂を沸かす、子どもを入れる、洗濯機を回す、干す、寝る。ここまでを、どの部屋で行うかまで書き込みます。
そして、部屋をまたぐ回数を数えます。
これが移動の量です。
同じ部屋の中で連続している動きは0、隣の部屋なら1、家の端から端まで歩くなら3。こうして点数を付けると、どこを近づければいちばん効くかが数字で出てきました。図面を見て考えるより、自分の1日を書き出したほうが早く答えが出ます。
この紙は、打ち合わせにも持っていけます。
「こういう動きをしたい」と伝えると、設計の方が間取りで応えてくれるからです。
坪数を変えずに動線だけ直る提案が出てくることも、実際にありました。
平屋は廊下が伸びるので、回れる形にしておく
最後に、平屋特有の話です。
部屋が横に並ぶので、廊下が長くなります。30坪の平屋で、廊下だけで2坪から3坪使うことも珍しくありません。坪単価80万円なら、160万円から240万円が通路に消えている計算です。
減らす方法が2つあります。
1つは、廊下を作らずにLDKから各部屋へ直接入る形にすること。もう1つは、行き止まりを作らずにぐるりと回れる形にすることです。
回れる形は、動線が短くなります。
キッチンから洗面所へ、洗面所から廊下へ、廊下からLDKへ戻る。この輪ができていると、同じ道を引き返す動きが消えました。朝の時間帯に家族3人が同時に動いても、すれ違いで止まりません。
ただし、回れる形は壁が減ります。
壁が減ると、家具を置く面と、耐震の壁の配置が制約を受けました。どちらを取るかは設計の方と相談することになりますが、希望として先に伝えておくと、そこを軸に図面を引いてもらえます。
収納と広さを、見積書の金額に直す
- 収納はまとめて1か所より使う場所の近くに割っていく
- 1坪の収納を足したときに見積書のどの行が動くのかを見る
- 部屋を1つ増やすと面積のほかに4つの工事が乗る
- 土地から買うかどうかで要るお金が1,000万円動く
- 平均の世帯年収719万円という数字の読み方がある
- 3社に同じ紙を渡して同じ坪数で並べて比べていく
ここまでで決めてきたことを、金額に直します。
坪数の話をしていると、どこかで現実感が薄れてくるんですよね。0.5坪とか2畳とか言われても、それが自分の返済にどう跳ね返るのかが見えないからです^^;
だから、最後に換算します。
公表されている平均の数字も使いながら、3人家族の平屋がどのあたりに着地するのかを置いておきます。
収納は、まとめて1か所より使う場所の近くに割る
収納の置き方には、2つの考え方があります。
1つは、大きな納戸を1つ作って、家じゅうの物をそこに入れる方法。もう1つは、小さな収納を使う場所のそばに分散させる方法です。
3人家族なら、後者が向いていました。
理由は、物の量です。
3人ぶんの持ち物は、4人や5人の家庭ほど多くありません。大きな納戸を作るほどの量にならないので、その部屋の入口までの往復が無駄になりました。
使う場所の近くに割ります。
玄関に土間収納、洗面所に衣類の収納、キッチンにパントリー、リビングに日用品の棚、寝室と子ども部屋にクローゼット。この5か所に1畳から2畳ずつ配ると、合計で6畳から8畳です。
1.5坪から2坪という面積になります。
納戸を1つ作る場合とほぼ同じ面積ですが、使うときの移動が短くなる形でした。
1坪の収納を足すと、見積書のどの行が動くのか
では、その1坪がいくらになるのかを見ます。
坪単価を掛けて80万円、とはなりません。坪単価は家全体の平均であって、収納1坪には水回りもキッチンも入っていないからです。
動く行は、こうなります。
- 基礎工事 面積に比例して増える
- 屋根と外壁 外周が伸びた分だけ増える
- 床と天井と内装 面積に比例して増える
- 建具と照明とコンセント 1か所ずつ乗る
- 設計と申請 ほとんど動かない
この結果、収納1坪の増額は35万円から55万円という水準に収まることが多くなりました。
坪単価の半分ちょっとです。
設備の入らない部屋は、坪単価より安く増やせます。
逆に、水回りが増える1坪は坪単価より高くつきます。2つ目のトイレを足すなら、便器と給排水と換気で、面積のぶんに加えて30万円から50万円が乗りました。
だから、増やす1坪の中身で単価が変わります。
坪単価は、増減の計算には使えない数字でした。
見積書を見るときは、この行ごとの動き方で読みます。
「この1坪を足すと、どの行がいくら増えますか?」と聞けば、行単位で出してもらえました。
部屋を1つ増やすと、面積のほかに4つの工事が乗る
部屋の場合は、収納とは違います。
前の章で書いた4つが乗るからです。間仕切りの壁、建具、照明とコンセント、それにエアコンの回路。
6畳を1部屋足す場合を計算します。
1.5坪の面積ぶんで、内装と床と天井と基礎と屋根が増えて80万円前後。そこに4つの工事で40万円から80万円。合計すると120万円から160万円という幅になりました。
同じ1.5坪でも、収納なら50万円から80万円です。
倍ちがいます。
この差を知っていると、「収納を減らして1部屋増やす」という設計変更をしたときに、総額がどう動くのかが読めるようになります。面積は同じでも金額は上がる、という場面が出てくるからです。
見積書が出てから驚かないために、この換算を先に持っておきます。
それと、部屋を増やすと毎年の固定資産税も少しずつ上がります。
建物の評価額は床面積と仕様から計算されるので、6畳ぶんの床と壁と建具が増えれば、そのぶん課税の対象も広がるからです。年に数千円という水準ですが、30年ぶんを足すと十数万円になりました。
1部屋の判断は、建てるときの120万円と、毎年の数千円の両方で見ます。
それでも要るなら、増やします。
土地から買うかどうかで、要るお金が1,000万円動く
ここで、全体の数字に戻ります。
2025年度の【フラット35】利用者調査では、平均の所要資金が融資の区分ごとに公表されていました。注文住宅が4,262万円で、前の年度より326万円増えています。土地付注文住宅は5,313万円で、306万円増でした。
差は1,051万円です。
この差が、土地の代金にあたります。
注文住宅という区分は、すでに土地を持っている人。土地付注文住宅は、土地から買った人です。同じ家を建てても、土地の有無で1,000万円の開きがありました。
平屋では、この差がさらに開く可能性があります。
同じ延床でも、平屋は2階建ての倍の敷地面積を使うからです。30坪の平屋を建ぺい率60%の土地に建てるなら、敷地は50坪以上が要ります。2階建てなら25坪の敷地でも収まる計算です。
土地の単価が坪30万円の地域なら、25坪の差で750万円。
坪50万円なら、1,250万円です。
3人家族の平屋で最も大きく動くのは、建物ではなく土地の広さでした。
平均の世帯年収719万円という数字の、読み方
同じ調査には、世帯年収も載っています。
2025年度の利用者全体の平均が716万円で、前の年度より47万円増えました。注文住宅に限ると719万円で、66万円の増です。
この数字の読み方には、注意が要ります。
本人と収入を合算した人の合計だからです。
共働きの3人家族なら、2人の年収を足した額がここに入ります。夫婦それぞれが360万円なら、合計で720万円。平均のど真ん中でした。片働きで719万円と、共働きで719万円では、同じ数字でも意味が違います。
借入の審査では、合算した額で見てもらえます。
ただし、返済の負担感は違いました。
共働きの場合、どちらかが働けなくなったときの影響が大きいからです。だから僕は、借りられる額ではなく、1人の収入だけになった時期でも回る額から逆算する形をすすめています。
平均は、自分の位置を知るためだけに使っています^^;
自分の返済額は、平均からは出てきません。
3社に同じ紙を渡して、同じ坪数で並べる
最後に、比べ方です。
ここまでで決めてきたことを、1枚の紙にまとめます。
3人家族であること、子どもの年齢、部屋数を2LDKにするか3LDKにするか、主寝室の広さ、空いたあとの部屋の使い道、泊まる人が年に何泊か、収納を何か所に割るか、駐車の台数。この8つです。
作るのに、30分かかりません。
この紙を3社に同じ内容で渡します。
すると、返ってくる提案が同じ土俵に乗ります。A社が28坪で、B社が31坪で、C社が30坪。坪数が違っても、同じ条件から出た数字なので理由が読めるようになりました。条件をそろえて初めて、坪数の差が会社の考え方の差として見えてきます。
口頭で伝えると、前提がずれます。
紙1枚です。
条件のそろえ方と、提案が届いてからの並べ方は、平屋の相見積もりで条件をそろえる手順のほうに書いてあります。
それと、10年後20年後に夫婦2人に戻ったときの姿も、いま一緒に見ておくと決めやすくなりました。子どもが独立したあとの坪数の考え方は、平屋25坪2LDKの費用と部屋の使い方にまとめてあります。3人家族の平屋は、3人でいる期間と2人に戻ってからの期間の、両方で使う家です。
まとめ:3人家族の平屋は、部屋数より使い方で決める
平屋を3人家族で建てる費用は、坪単価から逆算しても出てきませんでした。国が示していた3人世帯の目安は一般型で100平方メートル、約30.3坪でしたが、その表は2026年3月27日に閣議決定された新しい住生活基本計画から姿を消しています。しかも前の計画でさえ、子どもが4歳なら世帯人数は2.5人として数える決まりで、その場合は87.5平方メートル、約26.5坪でした。30坪という数字は、3人家族の全員に当てはまる線ではなかったわけです。
だから、部屋を1つずつ積み上げることになります。子ども部屋を6畳にするか4.5畳にして収納を外に出すか。主寝室を8畳にするか6畳にするか。年5泊の来客のために6畳を作るか、LDKを2畳広げて兼ねさせるか。洗う場所と干す場所とたたむ場所を5メートルの中に収めるか。この一つひとつが0.5坪から1.5坪の話で、坪単価80万円なら40万円から120万円ずつ動いていきます。積み上げた結果が28坪になるのか32坪になるのか、そこで初めて金額が出ました。僕が知人の家で一番いいと思ったのは、子ども部屋を10畳で作って建具と窓を2組ずつ先に入れておいた家です。今は広い遊び場で、必要になったら壁1枚で2部屋になり、出て行ったあとはまた1部屋に戻せます^^
まずは、去年1年で親が何泊したかを数えるところから始めてみてください。そこから坪数が動き始めます。
- 戸建てを建てた人の中で3人の世帯が最も多い
- 前の計画の目安は一般型で100平方メートル
- 子どもが6歳未満なら2.5人として計算していた
- 2026年3月の計画から面積の表が無くなった
- 2LDKと3LDKの差は壁1枚ではなく4つの工事
- 子ども部屋は空いている期間のほうが長くなる
- 年5泊の来客なら部屋より兼用のほうが安い
- 洗う干すたたむしまうを5メートルに収める
- 設備の入らない1坪は坪単価より安く増やせる
- 土地から買うかどうかで1,000万円ほど動く
間取りプランと資金計画書と土地情報の3点が無料で届くので、一社だけで決めなくて大丈夫です。
【PR】タウンライフ家づくり(平屋住宅特集)
届いたプランを、家族で広げる時間をつくる
平屋の家づくりでいちばん心がはずむのは、自分たちの暮らしが図面の上に描かれた瞬間です。
子ども部屋の場所、洗濯物の通り道。紙の上で話すと、家族それぞれの「こうしたい」が自然に出てきます。
その材料は、今日のうちに頼んでおけます。
費用はかかりません。依頼する会社は自分で選べます。

