
40坪の平屋で4LDK。図面を広げて、最初に気になったのは建物のほうではありませんでした。
この床、うちの土地に本当に載るのか?
住宅金融支援機構が2025年7月に公表した2024年度フラット35利用者調査によると、注文住宅を建てた3,272件の住宅面積は、全国平均で118.5㎡でした。
40坪は132.23㎡です。
平均より13.7㎡、畳にして8枚ぶん広い家になります。
同じ調査の敷地面積は、全国平均で329.7㎡。坪に直すと約99.7坪です。
この2つの数字を並べたとき、40坪の平屋という話が、なぜいつも敷地の条件から始まるのかが腑に落ちました。2階建てなら平均的な敷地に収まる床でも、平屋にして横に広げた瞬間、土地のほうが先に限界を迎えるからです。
僕は平屋を2年かけて調べてきましたが、40坪という数字は、このサイトで扱ってきた中でいちばん広い部類に入ります。親と同居する家、来客の多い家、子どもが多い家。理由はいろいろでしたが、共通していたのは「部屋数だけでなく、部屋の広さも譲りたくない」という希望でした。
知り合いに、義理のお母さんを呼ぶために40坪の平屋を建てた人がいます。最初は35坪で図面を引いてもらったそうですが、お母さんの部屋にトイレと洗面を付けた途端、廊下と水回りで5坪近く持っていかれて、結局40坪に戻したと話していました。
そのとき増えたのは部屋ではなく、通路と配管だったわけです。
この記事では、40坪4LDKの平屋にかかるお金を、敷地の条件、屋根と通路の増え方、水回りを2か所にするかどうか、そして冷暖房と照明という順番で見ていきます。
- 40坪は132.23㎡で全国平均の注文住宅より13.7㎡広い
- 建ぺい率40%なら敷地はおよそ100坪、50%なら80坪が目安
- 屋根と基礎と外周が増えるので坪単価では差が見えにくい
- 水回りを2か所にするかどうかで総額の動き方が変わる
- 広いLDKは冷暖房と照明の計画を先に決めておくと安定する
40坪という広さを前提にした間取りプランと資金計画書は、無料で取り寄せられます。
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平屋40坪4LDKの費用は、1㎡あたりの単価から組み立てる
- 40坪は132.23㎡で、全国平均の118.5㎡より13.7㎡広い
- 1㎡あたりの建設費は全国平均33.3万円、中央値32.1万円
- 130㎡以上を建てた人は3,272件のうち876件だった
- 4LDKの内訳はLDKの畳数と個室4つの配り方で決まる
最初に、40坪という床がどのくらいの位置にある家なのかを、公的な調査の数字の横に置いておきます。
坪単価の話から入ると、いくらという数字だけが頭に残って、40坪という広さが何を連れてくるのかが見えなくなります。僕も最初の半年は、坪単価の比較表ばかり作っていました。
広さ、単価、そして同じくらいの家を建てた人の数。この3つから見ていきます。
40坪は132.23㎡、全国平均より13.7㎡広い
1坪は約3.30578㎡です。
40坪を掛け算すると132.23㎡になります。
2024年度フラット35利用者調査の注文住宅3,272件では、住宅面積の全国平均が118.5㎡、中央値が111.5㎡でした。平均より中央値のほうが7㎡小さいということは、広い家が平均を引き上げている形です。
40坪は、平均より13.7㎡、中央値より20.7㎡広い床になります。
畳に直すと、平均との差が8枚、中央値との差が12枚あまり。
この差は、部屋をひとつ増やせる大きさです。
ただ、平屋の場合は話が少し違いました。2階建てなら階段と上下階の廊下で2坪から3坪を使うので、40坪のうち実際に部屋になるのは37坪前後になります。平屋にはその階段がないぶん、床がまるごと部屋と収納に回せます。
同じ40坪でも、平屋のほうが部屋に使える床は2坪から3坪ぶん多くなります。
そのかわり、あとの章で書く屋根と基礎と外周が、まるごと増えます。
広さの話は、ここまでは有利に働きます。
1㎡あたりの建設費は全国平均33.3万円だった
同じ調査には、1㎡あたりの建設費も出ています。
注文住宅の全国平均は33.3万円、中央値は32.1万円、標準偏差は8.6万円でした。
この平均を40坪、つまり132.23㎡にそのまま掛けると、約4,403万円という数字が出てきます。
あくまで機械的な掛け算です。
実際にはフラット35を使った人の平均なので、土地を持っていた人も、建て替えの人も混ざっています。地域も仕様もばらばらです。それでも、40坪という床を全国平均の単価で建てたらどのあたりに着地するのか、最初の目印にはなりました。
標準偏差が8.6万円あるということは、1㎡あたり25万円の家も42万円の家も、珍しくないという意味です。
この幅を132.23㎡に掛けると、3,300万円から5,550万円まで開きます。
坪単価という言い方に直すと、1㎡あたり33.3万円は坪あたり約110万円。ネットで見かける「平屋の坪単価は60万円から80万円」という数字とはずいぶん違って見えますが、あちらは本体工事だけを指していることが多く、この調査の建設費には付帯工事や設計料まで入っているためでした。
坪単価という言葉が、どこまでを含んだ数字なのかを先に確かめないと、比較そのものが成立しません。
同じ調査の建設費は、全国平均で3,932.1万円でした。
平均の118.5㎡で3,932万円、40坪なら4,400万円あたり。ここを出発点にして、この記事では増える行と減らせる行を見ていきます。
130㎡以上を建てた人は、3,272件のうち876件だった
40坪の平屋を考えていると、こんなに広く建てる人は少数派なのではと気になってきます。
僕も気になったので、同じ調査の住宅面積の分布表を自分で集計してみました。
130㎡未満が2,396件、130㎡以上が876件。
割合にすると26.8%です。
4人に1人が、40坪前後かそれ以上の家を建てていた計算になります。
想像していたより、ずっと多かったです。
130㎡から135㎡の階級だけでも150件あって、40坪はその真ん中あたりに入ります。
もちろん、この中には2階建ても含まれています。平屋だけを取り出せば数はもっと少なくなります。
それでも、40坪という床が極端な広さではないことは分かりました。
ここで大事なのは、珍しいかどうかではありません。珍しくないなら、その広さを前提にした規格プランを持っている会社があるはずだ、という見当が付くことでした。規格があるかどうかで、設計にかかる手間と金額が変わってくるからです。
40坪前後の平屋の実例があるかどうかは、会社選びのときに最初に聞くことになりました。
4LDKの中身は、LDKの畳数と個室の配り方で変わる
同じ40坪4LDKでも、届いた図面は3通りに分かれました。
LDKを24畳前後まで広げて、個室は6畳を4つ。
LDKは18畳に抑えて、個室を8畳2つと6畳2つにした案。
そして、個室を6畳4つにしたうえで、残りを和室と土間収納とファミリークローゼットに振り分けた案です。
6畳は約9.93㎡なので、4部屋で約39.7㎡。
LDK24畳は約38.9㎡です。
この2つを足すと78.6㎡で、132.23㎡の6割ほど。残りの53㎡あまりに、玄関、廊下、浴室、洗面所、トイレ、収納、そして壁の厚みが入ります。
40坪あると、個室を6畳で取りながらLDKを24畳まで広げても、水回りと収納に50㎡以上が残ります。
32坪で個室を4つ取ると、1部屋あたり4.5畳まで小さくなりました。その割り方と、部屋が1つ増えるたびに増える見積書の行については、平屋32坪4LDKで個室を4つに割ったときに増える見積書の行にまとめています。
40坪は、その窮屈さから解放される代わりに、別の場所でお金が動きます。
どこで動くのかを、次の章から順番に見ていきます。
100坪の敷地が要るかどうかは、建ぺい率で決まる
- 建ぺい率40%なら約100坪、50%なら約80坪、60%なら約67坪
- 建築面積は軒とポーチのぶん延床より大きくなることがある
- フラット35利用者の敷地は平均329.7㎡、中央値258.8㎡
- 角地と防火地域の条件がそろうと建ぺい率に上乗せがある
- 容積率は平屋ではほとんど余るので上限を気にしなくていい
40坪の平屋で最初につまずくのは、建物ではなく土地のほうです。
2階建てなら20坪の建築面積で40坪の延床が作れます。平屋は40坪をそのまま地面に置くので、必要な敷地が倍近くになりました。ここを知らずに土地を先に買うと、あとから建物を削ることになります。
不動産の広告に必ず書いてある建ぺい率という数字が、ここで効いてきます。
建ぺい率40%なら約100坪、50%なら約80坪
建ぺい率は、敷地の面積に対して建物を真上から見た面積が何%までかという上限です。
用途地域ごとに上限が決まっていて、住宅地でよく見るのは40%、50%、60%あたりでした。
40坪の平屋を建てるのに要る敷地を、割り算で出してみます。
建ぺい率40%なら、40坪÷0.4で100坪。
50%なら80坪、60%なら約66.7坪です。
同じ40坪の平屋でも、建ぺい率が40%か60%かで、要る敷地が33坪も変わります。
坪単価20万円の土地なら、この33坪の差は660万円。建物より先に、ここで大きな金額が動いていました。
低層住居専用地域は建ぺい率が40%か50%に抑えられていることが多く、環境は静かでも、平屋には広い土地が要ります。
逆に建ぺい率60%の地域なら、67坪ほどの土地でも40坪の平屋が載りました。
土地を探す段階で、建ぺい率の数字だけは先に決めておくと、見る物件の範囲が一気に絞れます。
建築面積は、軒とポーチのぶん延床より大きくなる
ここで、割り算の前提をひとつ直しておきます。
建ぺい率の計算に使うのは延床面積ではなく、建築面積です。
建築面積は、建物を真上から見たときの輪郭の面積で、軒や庇が壁から1mを超えて出ている部分は、超えた分が面積に入ります。
平屋は軒を深く出す家が多いので、ここが効きます。
軒の出を90cmにすれば建築面積には入りませんが、120cmまで出すと、超えた30cmぶんが外周にそって面積に加わりました。
外周が50mある平屋で軒を120cmにすると、建築面積が15㎡、約4.5坪ふくらむ計算になります。
玄関ポーチや、車を入れるビルトインの部分も同じように数えます。
だから、40坪の平屋に必要な敷地は、さきほどの100坪よりもう少し余裕を見ておいたほうが安全でした。
建ぺい率40%の土地なら105坪から110坪。50%なら85坪あたりを目安にすると、軒を深くしたいという希望が出てきても図面が崩れません。深い軒は、夏の日差しを室内に入れにくくして、雨の日に窓を開けやすくしてくれるので、平屋では削りたくない部分でした。
フラット35利用者の敷地は、平均329.7㎡だった
では、実際に注文住宅を建てた人は、どのくらいの敷地を持っていたのでしょうか?
2024年度フラット35利用者調査の注文住宅3,272件では、敷地面積の全国平均が329.7㎡、中央値が258.8㎡でした。
坪に直すと、平均が約99.7坪、中央値が約78.3坪です。
平均のほうは、建ぺい率40%で40坪の平屋を建てられる広さとほぼ一致しました。
この一致を見たとき、少し驚きました。
平均的な敷地の持ち主なら、建ぺい率40%でも40坪の平屋が載る計算になります。
ただし、中央値の78.3坪だと、建ぺい率50%が要ります。平均と中央値がこれだけ離れているのは、地方の広い土地が平均を引き上げているからでした。
同じ調査を地域別に見ると、首都圏の敷地面積は平均235.5㎡、約71.2坪。三大都市圏でも258.9㎡、約78.3坪でした。
首都圏で40坪の平屋を建てるなら、建ぺい率50%か60%の土地を探すことになります。
その他地域の平均は395.4㎡、約119.6坪。地方で土地から探すなら、敷地の広さよりも前面道路と造成のほうが論点になりました。
角地と防火地域の条件がそろうと、上乗せがある
建ぺい率には、条件を満たすと上乗せされる仕組みがあります。
ひとつは角地です。
2つの道路に接している角の敷地で、自治体が定める条件を満たすと、建ぺい率に10%が加算されます。
もうひとつは、防火地域や準防火地域で、耐火建築物や準耐火建築物にした場合の10%です。
両方の条件がそろえば、40%の地域が60%になることもありました。
40%が60%になれば、100坪要るはずだった敷地が67坪で足ります。
ただし、角地の条件は自治体ごとに細かく違います。接している道路の幅や、角の切り取り方まで決まっていることがあるので、必ずその市区町村の建築指導の窓口か、会社の設計担当に確認してもらいました。
不動産の広告に書いてある建ぺい率は、この上乗せを織り込んでいないことがほとんどです。
気になる角地の土地があったら、そこだけは自分で確かめる価値がありました。
容積率は、平屋ならほとんど余る
建ぺい率とセットで書かれている容積率は、平屋ではあまり出番がありません。
容積率は、敷地面積に対する延床面積の上限です。
建ぺい率40%の地域なら、容積率は80%か100%に設定されていることが多いです。
100坪の敷地で容積率80%なら、延床は80坪まで建てられます。
40坪の平屋は、その半分しか使いません。
つまり、平屋は容積率を半分以上あまらせる建て方でした。2階建てなら容積率を使い切って広い家にできる土地で、あえて上限の半分で止めるということです。
平屋は土地の容積率をあまらせる建て方なので、土地代の効率という点では2階建てにかないません。
そのかわり、階段がなく、家族の気配が1つの階に収まり、屋根に上がらなくても外壁の点検ができます。
何を優先するかという話なので、ここは数字だけでは決まりませんでした。
僕自身は、そのあまった空を庭と光に回せるところが平屋の良さだと思っています。
前面道路の幅と間口で、入る形が変わってくる
- 建築基準法43条の接道義務は幅員4mの道路に2m以上
- 幅4m未満の道路はセットバックで敷地の一部が使えなくなる
- 間口が狭いと40坪の平屋は奥に長い形になりやすい
- 重機とトラックが入れるかどうかで工事の手間が変わる
敷地の広さがそろっても、そこに入れる形は道路で決まります。
平屋は建物が横に広がるので、間口の広さと道路との関係が、2階建てよりずっと効いてきました。僕が見た土地の中にも、面積は120坪あるのに、間口が8mしかないせいで40坪の平屋が細長い形にしかならない区画がありました。
道路まわりで押さえておくことを、4つに分けて書きます。
接道義務は、幅員4mの道路に2m以上
建築基準法第43条に、敷地は幅員4m以上の道路に2m以上接していなければならないと書かれています。
これを接道義務と呼びます。
満たしていない敷地には、原則として建物を建てられません。
中古の家が建っている土地でも、この条件を満たしていないことがあります。昔に建てられた家で、そのあと法律が変わったという場合です。
建て替えの相談で最初に確かめるのが、この接道の条件でした。
旗竿地と呼ばれる形の土地では、通路の部分の幅が2mちょうどということがあります。
幅2mだと、乗用車は通れても、工事の車両やコンクリートを運ぶ車は入れません。
そうなると、資材を手で運ぶ手間が工事費に乗ってきます。平屋は基礎と屋根の面積が大きいぶん運ぶ材料も多いので、この差は2階建てよりも大きく出ました。
幅4m未満の道路は、セットバックで敷地が削られる
接している道路の幅が4mに足りていないこともあります。
古い住宅地では珍しくありません。
その場合、道路の中心線から2mの位置まで建物を下げることになります。これがセットバックです。
道路の幅が3mなら、中心線から2mなので、自分の敷地を50cm下げることになります。
間口が15mの土地で50cm下げると、7.5㎡、約2.3坪が敷地の面積から外れます。
この下げた部分は、建ぺい率の計算に使う敷地面積にも入りません。
100坪だと思って買った土地が、実質97坪として計算されるということです。
40坪の平屋は建ぺい率のぎりぎりを使うことが多いので、この2坪や3坪が図面を左右しました。土地の資料に「要セットバック」と書かれていたら、何㎡が削られるのかを数字で出してもらうところから始めます。
削られた部分は、自分の土地でありながら塀も植木も置けません。
間口が狭いと、40坪の平屋は奥に長い形になる
間口というのは、道路に面した敷地の幅のことです。
ここが狭いと、平屋は奥に向かって細長く伸びます。
間口が18mあれば、建物の横幅を14mほど取って、奥行き9mから10mの形に収まりました。
間口が10mしかないと、建物の横幅は7m前後。40坪を確保するには、奥行きを19m近くまで伸ばすことになります。
この形になると、家の真ん中あたりの部屋に光が届きません。
細長い平屋は、中庭か、天井から光を採る窓を入れないと、真ん中が暗くなります。
中庭を作れば光は入りますが、囲む外壁がもう1周ぶん増えます。
天井から光を採る窓は、屋根に穴を開けることになるので、雨仕舞いの手間が加わりました。
どちらを選んでも、間口の狭さは最後にお金で埋めることになります。だから土地を見に行くときは、面積より先に間口をメジャーで測りました。間口18mを超える土地なら、40坪の平屋はかなり素直な形に収まります。
重機とトラックが入れるかで、工事の手間が変わる
道路の話は、法律の条件だけでは終わりません。
実際に工事の車両が入れるかどうかが、そのまま金額になります。
基礎を作るときの生コン車、材料を運ぶトラック、屋根の材料を上げるユニック車。
平屋は基礎の面積も屋根の面積も、同じ延床の2階建てのおよそ2倍です。
運ぶ材料の量も、それに近い比率で増えます。
道路が狭くて生コン車が横付けできないと、ポンプ車を追加で手配することになり、基礎の工事費が上がります。
前面道路が4mちょうどで、電柱が敷地の前に立っている土地では、大きな車が入れずに小型の車で往復する段取りになりました。
この段取りの差は、見積書では現場管理費や運搬費という行に入ります。
会社によっては、契約後の現地調査で初めて出てくることがありました。だから見積もりをもらう段階で、前面道路の幅と電柱の位置を写真に撮って渡しておくと、あとから増える金額を減らせます。
廊下と屋根は、坪単価に表れない
- 40坪の平屋の屋根は同じ延床の2階建てのおよそ2倍になる
- 基礎の面積も同じだけ増えるので土の工事の量が変わる
- 個室4つと2か所の水回りを結ぶと通路が長く伸びていく
- 外周が伸びると外壁と断熱材の平米数がそのまま増える
- 建物が大きいと外構で囲う距離も長くなっていく
ここからが、40坪の平屋でいちばん見えにくいお金の話です。
坪単価という数え方は、延床面積で総額を割った数字です。だから、屋根や基礎や外壁が増えても、坪単価そのものは大きく動きません。動かないまま、総額だけが上がります。
どこが増えているのかを、5つに分けて数えていきます。
40坪の平屋の屋根は、同じ延床の2階建ての約2倍
まず屋根です。
40坪の2階建てなら、1階と2階が20坪ずつなので、屋根がかかるのは20坪ぶん。
40坪の平屋は、40坪ぶんに屋根がかかります。
ここに勾配がつくので、実際の屋根の面積はさらに増えます。4寸勾配なら、水平に見た面積の約1.08倍でした。
40坪の平屋の屋根は、勾配を入れて約143㎡。20坪ぶんの2階建てなら約71㎡です。
差は72㎡。
屋根材、下葺きの防水シート、野地板、垂木、そして雨樋。これが全部、倍の量になります。
仮に屋根まわりを1㎡あたり1万円と置いても、72万円の差でした。実際には断熱材と軒の出も加わるので、もう少し開きます。
屋根が広いということは、建てるときだけでなく、将来の塗り替えや葺き替えの面積も倍になるということです。
そのかわり、平屋の屋根は足場を低く組めるので、メンテナンスの手間そのものは軽くなります。
面積は増えるが、作業はしやすい。この2つを並べて見ておくと、屋根材を選ぶときの判断が変わりました。
基礎の面積も、同じだけ増える
屋根と対になるのが基礎です。
建物が地面に接している面積は、屋根と同じ40坪ぶん。
コンクリート、鉄筋、型枠、そして掘削して出た土の処分。すべてが2階建ての倍になります。
132㎡のベタ基礎なら、コンクリートだけで20立方メートルを超えました。
ここに地盤改良が必要になると、さらに面積で効いてきます。
地盤改良は建物が載る範囲に打つので、平屋は改良する面積も2階建ての倍になります。
柱状改良で1本あたり数万円という単価だと、本数が倍になった時点で100万円単位の差が出ました。
地盤の調査は、土地を買ったあとでないとできないことが多いです。
だから土地を選ぶ段階では、周りの造成の様子や、近所で工事をしている家の基礎を見て見当を付けておきます。田んぼを埋めた新しい分譲地は改良が要ることが多く、昔から住宅が建っている土地はそのまま建てられることが多い、という程度の見当でも、心の準備が変わりました。
個室4つと水回りを結ぶと、通路が長く伸びる
次が通路です。
40坪の平屋に個室を4つ置くと、その4部屋を結ぶ廊下が要ります。
6畳の部屋を4つ横に並べると、幅は約14m。
その前に幅91cmの廊下を通すと、それだけで約12.7㎡、3.8坪です。
ここに玄関からのつなぎと、水回りへ折れる部分が加わると、5坪近くになる図面もありました。
40坪のうち5坪が通るだけの床になると、延床の12%を廊下に払っていることになります。
本体工事が4,000万円なら、1坪あたり100万円。通路の5坪は500万円です。
この数字を出したとき、正直、手が止まりました。
削る方法はあります。LDKを家の真ん中に置いて、個室をその周りに振り分けると、長い廊下が短い通路に分かれました。回遊できる間取りにして、廊下の一部を収納の前の通路と兼ねる案もありました。
ただ、40坪で親と同居する家では、廊下が音の緩衝帯になっていることもあります。削りすぎると、生活の時間帯が違う家族どうしで気をつかうことになりました。
外周が伸びると、外壁と断熱材の平米数が増える
屋根と基礎の次は、外周です。
建物を真上から見たときの輪郭の長さが外周で、ここに外壁と断熱材と窓が付きます。
40坪、132.23㎡を長方形で作るなら、14m×9.45mで外周は約46.9m。
これをL字にすると、同じ面積でも外周は50mを超えます。
中庭を囲むコの字にすると、内側にもう1周の壁ができるので、60mを超える図面もありました。
外周が10m伸びると、高さ2.6mの壁で26㎡、外壁と断熱材と下地がその分だけ増えます。
形の好みだけで決めると、ここで数十万円が動きます。
それでも、L字やコの字には理由があります。中庭を囲めば、隣家の視線を気にせず窓を開けられます。細長い敷地では、家の真ん中に光を入れる方法がそれしかないこともありました。
だから、形を決めるときは、外周の長さを図面に書き込んでもらって、長方形の案と並べて比べます。増えた外周の長さと、その形で得られるものを、同じ表に並べる。それだけで、なんとなくの好みが判断に変わりました。
建物が大きいと、外構で囲う距離も長くなる
最後は建物の外です。
敷地が100坪あると、建物が載っていない60坪が残ります。
この60坪をどうするかが、外構の工事になりました。
駐車場、アプローチ、庭、そして境界の塀やフェンス。
100坪の敷地を四角と考えると、外周は約72mです。
そのうち道路に面した部分を除いた50mほどにフェンスを立てると、1mあたり1万5千円としても75万円になりました。
外構は建物の見積書に入っていないことが多く、あとから別の見積書で出てきます。
平屋は外から中が見えやすいので、目隠しの高さや植栽にお金をかける家が多かったです。
全部を引き渡しのときにそろえなくても大丈夫でした。駐車場とアプローチと境界だけを先に作って、庭は住みながら少しずつ作っていく家もあります。
ただ、境界のフェンスだけは、引っ越す前に隣の方と話をして決めておいたほうが後の付き合いが楽でした。
同じ40坪でも会社によって屋根の形も通路の取り方も変わるので、複数社の間取りプランを並べて比べられます。
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届くのは、わが家のために描かれた平屋の計画書
住宅展示場でもらうカタログは、誰にでも同じ1冊です。平屋住宅特集で届くのは、あなたの希望から作られた、あなたの家のための資料です。
無料で届くもの
- 間取りプラン(家族の人数と暮らし方に合わせた平屋の図面)
- 資金計画書(建物の本体だけでなく、諸費用まで含めた総額の目安)
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同じ条件で複数の会社から届くので、並べたとたんに各社の得意なところが見えてきます。
提携している住宅会社は1,280社以上です(タウンライフ家づくり公式サイト、2026年9月現在・同社調べ)。

二世帯や親との同居なら、水回りを2か所にするのか?
- 完全同居と一部共用と完全分離で増える設備の数が違う
- 2か所目のトイレと洗面は配管の距離で金額が変わる
- キッチンを2つにすると給排水と換気とガスの工事が増える
- 来客の多い家は4.5畳から6畳の客間を玄関の近くに置く
- 生活の時間がずれる家は寝室の距離と扉で音の道を切る
- メーターを2契約にすると基本料金が毎月2つぶんかかる
- 玄関を2つにするかは動線と将来の使い道で決めていく
40坪という広さを選ぶ理由で、いちばん多かったのが同居でした。
親と一緒に住む、あるいは将来そうなるかもしれない。来客が多くて泊まる部屋が要る。そういう家が、35坪では足りずに40坪まで来ていました。
同居の形は3通りあって、どれを選ぶかで増える設備の数が変わります。ここを先に決めないと、届いた見積書の金額がそろいません。
完全同居と一部共用と完全分離で、増える設備が違う
完全同居は、玄関も水回りもLDKもひとつ。親の部屋だけを個室として用意する形です。
40坪なら、この形がいちばん余裕を持って収まりました。
一部共用は、玄関とLDKは一緒で、トイレと洗面だけを2か所にする形。完全分離は、玄関から水回りまですべてを2つずつ用意して、間の扉で行き来する形です。
完全分離を40坪でやると、それぞれの世帯が20坪ずつになります。
20坪は約66㎡なので、LDKと寝室と水回りで、ほぼいっぱいです。
子どもの部屋まで入れると、どちらかの世帯が窮屈になりました。
40坪で完全分離を選ぶと、1世帯あたりは20坪しか残りません。
僕が見た40坪の同居の図面は、ほとんどが一部共用でした。玄関とLDKと浴室は一緒、トイレと洗面だけ2か所。この形が、広さと予算のつり合いがいちばん取れていたからです。
どの形にするかは、料理の時間がずれるかどうかで決めている家が多かったです。朝と夜の食事を別々に取るなら、ミニキッチンだけでも足しておくと暮らしが回りました。
2か所目のトイレと洗面は、配管の距離で金額が変わる
トイレを2か所にすると、何が増えるのでしょうか?
便器と手洗い、換気扇、照明、ドア、そして給水と排水の配管です。
本体と工事を合わせて、1か所あたり30万円から50万円くらいが目安でした。
ただ、この金額は場所で動きます。
既にあるトイレや浴室の近くに置けば、配管を分岐させるだけで済みます。家の反対側に置くと、床下を長く配管が走ることになりました。
水回りを1か所にまとめると配管が短くなり、離すほど床下の配管の長さと手間が増えます。
平屋は床下に配管を通せるので、2階建てより自由度は高いです。
そのかわり、排水は勾配で流すので、距離が長くなるほど床下の高さが要ります。
洗面所を2か所にする場合も同じでした。親の部屋の近くに小さな洗面台を置くだけなら、廊下を歩く距離が短くなって、夜も安心です。40坪あれば、この1坪を確保する余裕がありました。
キッチンを2つにすると、給排水と換気とガスが増える
キッチンは、水回りの中でいちばん重い設備です。
給水、排水、ガスか電気の配線、そして外まで抜く換気のダクト。
本体だけでなく、この4つがセットで付いてきます。
2つ目をフルサイズで入れると、本体と工事で150万円から300万円ほど動きました。
2つ目のキッチンを幅120cmのミニキッチンにすると、フルサイズの半分以下に収まることがあります。
ミニキッチンは、流しとコンロ1口と小さな冷蔵庫が入るくらいの大きさです。
朝食とお茶を入れるだけなら、これで足りていました。
将来、親の部屋を使わなくなったときに、ミニキッチンがある部屋は貸し出したり、趣味の部屋にしたりと使い道が広がります。配管を先に入れておけば、あとで本格的なキッチンに替えることもできました。
ガスを2か所に引くなら、ガスメーターの容量も確かめておきます。1つの契約で足りるのか、2つに分けるのかで、毎月の基本料金が変わってくるからです。
来客が多い家は、客間を玄関の近くに置く
同居のほかに、40坪という広さを選ぶ理由がもうひとつありました。
来客です。
法事で親戚が集まる家、子どもの友だちが泊まりに来る家、地域の集まりを引き受けている家。年に何度かでも10人以上が一度に入る場面があると、LDKの畳数だけでは足りませんでした。
そこで出てくるのが、玄関のすぐ近くに置く和室です。
4.5畳から6畳の和室を玄関の横に置いて、引き戸で仕切れるようにしておきます。
普段は開け放して、人が来たときだけ閉める。
玄関の近くに客間を置くと、来客のときに家族の生活の場を通らずに済みます。
この形にすると、廊下が客間の前を通ることになるので、通路の坪数は0.5坪ほど増えます。
そのかわり、泊まった人が夜中にトイレへ行く道が、家族の個室の前を通らなくなりました。
和室を客間として使うなら、押し入れに客用の布団が入る奥行きがあるかを図面で確かめておきます。幅1間で奥行き90cmあれば、来客用の布団が4組ほど収まりました。上段と下段で分ければ、季節の物も一緒に置けます。
床の間まで作ると和室の工事が一段上がるので、そこは省いて、壁の一面だけ仕上げを変える家が多かったです。
40坪あると、客間を1部屋確保しても、個室4つとLDKの広さが減りません。
35坪でこれをやると、個室のどれかを4.5畳まで削ることになります。ここが、5坪の差でいちばん分かりやすく表れる部分でした。
生活の時間がずれる家は、寝室の距離と扉で分ける
同居の相談でいちばん多かったのが、音の行き来の話でした。
平屋はすべての部屋が同じ階に並ぶので、2階建てのように上と下で分けられません。
朝が早い親の世帯と、就寝が深夜になる子の世帯。
この2つが1本の廊下でつながっていると、起きる時間と寝る時間の音が、そのまま届きます。
分ける方法は3つありました。
ひとつめは、LDKを家の真ん中に置いて、2つの世帯の寝室を両端に離す配置です。40坪の平屋なら、端から端まで18m前後の距離が取れるので、この離し方がいちばん効きました。
2つめは、間の廊下に引き戸を1枚入れて、夜だけ閉める形。
廊下に扉を1枚入れるだけで、音の通り道が切れて、冷暖房の効く範囲も分かれます。
引き戸1枚なら、工事としては数万円の話です。
3つめが、水回りの位置を寝室から離すことでした。
夜中や早朝にトイレと浴室を使う音は、壁1枚を隔てただけだとよく届きます。親の寝室の隣にトイレを置きたいなら、その間に収納をひとつ挟むだけで、届き方がかなり変わりました。
寝室とトイレの間に収納を1つ挟むと、近さを保ったまま音の壁が1枚増えます。
この3つは、どれも建てたあとでは直せません。
図面の段階で、家族それぞれが何時に起きて何時に寝るのかを書き出して、設計の担当に渡しておきます。生活の時間割を紙にして渡した家では、寝室と水回りの配置が最初から考えられた図面が返ってきました。
メーターを分けるかどうかは、財布の分け方で決まる
水道と電気とガスのメーターを、世帯ごとに分けるのか、1つにまとめるのかを決めます。
これは設備の話に見えて、実際には暮らし方の話でした。
完全分離にするなら、分ける家が多いです。
分ければ、使った分だけをそれぞれの世帯が払う形になります。生活の時間帯も家電の使い方も違う世帯どうしなら、このほうが気持ちの上で楽でした。
ただし、分けると基本料金が2契約ぶんかかります。
電気と水道とガスを2契約にすると、基本料金だけで毎月数千円が増えます。
年にすると、数万円。
一部共用の家では、メーターを1つのままにして、生活費をまとめてから分担する形が多かったです。
気をつけたいのが、水道の引き込みでした。2本目を引くには前面道路を掘ることになるので、建てたあとに足すと、道路の復旧まで含めた工事になります。電気の分電盤やガスのメーターより、この1本がいちばん動かしにくい部分でした。
だから、水道だけは着工前に決めておきます。
決め方は単純で、財布を分けるならメーターも分ける、まとめるなら1つにする。
メーターの数は、設備の話ではなく、毎月どちらが払うのかという約束の形です。
ここを曖昧にしたまま建てた家では、住み始めてから光熱費の分け方で話し合うことになりました。図面を決める段階で、そこまで話しておくほうが穏やかでした。
玄関を2つにするかは、動線と将来の使い道で決める
最後が玄関です。
玄関を2つにすると、完全分離に近い暮らし方になります。
お互いの出入りが見えないので、生活の時間帯が違う家族どうしでは楽でした。
そのかわり、玄関ホールと土間と収納が2組になるので、3坪から4坪を余分に使います。
40坪のうち4坪は、6畳の部屋2つ分。
玄関を1つにまとめて、そのぶんを土間収納と広い上がり框に回した図面のほうが、暮らしやすそうに見えました。
実際、玄関を2つにした家でも、数年経つと片方しか使わなくなったという話をよく聞きます。
迷ったときは、玄関は1つにして、代わりに勝手口を親の部屋の近くに付ける方法がありました。庭に出る道ができるので、外の空気を吸いに行くときに、家族の前を通らずに済みます。
二世帯の広さと予算のつり合いをどう取るかは、平屋2500万円で35坪と二世帯のどちらを取るかを並べた記事にも書きました。金額を先に決めてから広さを配る順番も、ひとつの考え方でした。
部屋が広くなると、冷暖房と照明の電気代が動く
- 2025年4月から新築住宅は省エネ基準への適合が義務になった
- LDKが24畳あるとエアコンの能力を1段上げることになる
- 照明は部屋の数ではなく床の広さに比例して増えていく
- 屋根が広いぶん太陽光のパネルを載せる面積は取りやすい
建てたあとに毎月かかるお金も、床の広さで動きます。
40坪の平屋は、冷暖房する空間が35坪の家より約16㎡広く、しかも天井のすぐ上が屋根です。2階建てなら2階が断熱の役割をしてくれる部分を、平屋は屋根の断熱だけで受け止めることになります。
ここを最初に決めておくと、住んでからの電気の使い方が安定しました。
2025年4月から、省エネ基準への適合が義務になった
大きな制度の変更がありました。
国土交通省の令和4年度改正建築物省エネ法の概要によると、2025年4月以降に着工する原則すべての新築住宅と非住宅に、省エネ基準への適合が義務づけられました。
これまでは努力義務だった部分が、確認申請で審査される項目になったということです。
つまり、いま建てる平屋は、断熱の性能の下限が法律で決まっています。
2025年4月以降に着工する新築住宅は、省エネ基準に適合していないと建築確認が下りません。
この変更は、見積書にも表れました。断熱材の厚み、窓のガラスとサッシの種類、そして計算書を作る手間が、標準の仕様に組み込まれたからです。
数年前のネットの記事に載っている坪単価が今と合わないのは、この部分が乗っているからでもありました。
基準は、あくまで下限の線です。
40坪の平屋で、屋根の面積が2階建ての倍あることを考えると、屋根と天井の断熱だけは基準より上を狙う価値がありました。夏に屋根から入ってくる熱の量が、そのまま冷房の効きに出てくるからです。
LDKが24畳あると、エアコンの能力を1段上げる
40坪の平屋でLDKを24畳取ると、約38.9㎡の空間になります。
ここを1台のエアコンで冷やすことになります。
エアコンのカタログに書いてある畳数の目安は、木造なら断熱の条件が古い家を前提にした数字です。
24畳のLDKには、その目安どおりなら7.1kWから8.0kWのクラスが当たります。
断熱の性能を上げておくと、同じ24畳でも1つ下のクラスで足りることがあります。
6.3kWと7.1kWでは、本体の価格が数万円違いました。
それよりも効くのが、電気の使用量です。
さらに、24畳のLDKと個室4つに続き間の和室まで入れると、エアコンは最大で6台になります。全部を同時に動かすわけではなくても、分電盤の回路と室外機の置き場所は6台ぶん要りました。平屋は室外機がすべて地面に並ぶので、6台がどこに並ぶのかを図面に描いてもらいます。
家のまわりを歩く通路をふさがない位置に置けるかどうかを、図面の段階で確かめておきました。
照明は、部屋の数ではなく床の広さで増える
照明は、部屋の数だけで増えるものではありません。
24畳のLDKには、ダウンライトを10個以上入れる図面が普通でした。
6畳の個室なら、シーリングライト1つで足ります。
つまり、床が広いほど、1部屋あたりの器具の数も増えていきます。
ダウンライトは1つあたり本体と工事で1万円前後。
10個なら10万円です。
広いLDKは、照明の数と配線の距離が両方増えるので、電気工事の行が一段大きくなります。
そのうえで、スイッチをどこに置くかも決めます。40坪の平屋は端から端まで20m近くあるので、廊下の照明を片側でしか消せないと、毎晩そこまで歩くことになりました。
廊下と玄関は、両端で消せる配線にしておきます。
人が通ると点くセンサーを玄関と廊下に入れておくと、夜中にトイレへ行くときに手で探さずに済みました。親と同居する家では、ここを入れておくと喜ばれます。
屋根が広いぶん、太陽光を載せる面積は取りやすい
ここまで負担の話が続きましたが、広い屋根には利点もあります。
太陽光のパネルを載せる面積が、たっぷり取れることです。
40坪の平屋なら、南に向いた屋根だけで60㎡以上を確保できる形もありました。
一般的なパネルは1枚あたり約1.6㎡で、出力は400W前後。
60㎡なら、単純計算で37枚、約15kWが載る計算になります。
2階建てでは屋根の面積が足りずに5kWで止まるところが、平屋なら10kWを超えることがあります。
もちろん、載せる量を増やせば初期の費用も増えます。
売る電気の単価は年々下がっているので、いまは売るためではなく、自分の家で使うために載せる考え方が主流になりました。
日中に家にいる人がいる家、電気で給湯する家、電気自動車を充電する家。この3つのどれかに当てはまるなら、広い屋根は毎月の電気の請求書で返ってきます。屋根が広いということは、パネルを載せない場合でも、将来載せられる余白を持っているということでした。
屋根の形を決めるときに、南の面をどれだけ取れるかだけは設計の担当に伝えておきます。
一括見積りで届いた図面を、同じ条件に直して並べる
- 要望欄には敷地の建ぺい率と前面道路の幅まで先に書いておく
- 建築面積と延床と屋根の平米数を1枚の表にそろえて並べる
- 水回りを2か所にする案としない案の2通りで出してもらう
- 総額は建物の外にある外構と地盤の行まで足してから比べる
ここまでの話を、実際の見積もりに落とし込みます。
40坪の平屋は、会社によって得意な形がはっきり分かれました。長方形の規格プランを持っている会社、中庭のある形を提案してくる会社、二世帯の実例を多く持っている会社。同じ条件で頼んでも、返ってくる図面の方向がまるで違います。
ばらばらのまま金額だけを見ると判断できないので、並べ方を先に決めておきます。
要望欄には、建ぺい率と前面道路の幅まで書く
最初に、頼み方です。
40坪の平屋では、敷地の条件を書いたかどうかで、返ってくる図面の精度がまるで変わりました。
書く項目は5つです。
敷地の面積、建ぺい率と容積率、前面道路の幅と接している向き、間口の長さ、そして駐車したい台数。
この5つを書いて渡すと、建ぺい率に収まらない図面が届くことがなくなります。
土地をまだ持っていない場合は、探している地域と、希望する建ぺい率を書いておきます。
そうすると、その条件で40坪の平屋が載る土地の情報まで一緒に届くことがありました。
同居の予定があるなら、誰が何年後に一緒に住む可能性があるのかも書きます。トイレを2か所にするかどうかの判断が、会社の側でできるようになるからです。書かないと、4LDKが1列に並んだだけの図面が届きがちでした。
建築面積と延床と屋根の平米数を、1枚の表にそろえる
図面が届いたら、表を1枚作ります。
縦に会社の名前、横に比べる項目を並べます。
項目は、建築面積、延床面積、屋根の平米数、外周の長さ、LDKの畳数、個室の内寸、通路の坪数、水回りの箇所数。
この8つです。
建築面積と延床面積を分けて書くと、軒をどれだけ出した設計なのかが数字で見えてきます。
屋根の平米数は、図面に書いていないことが多いです。
その場合は、屋根の伏図という図面をもらうか、外周と勾配から計算してもらいます。
通路の坪数も、図面の方眼を数えれば出せました。91cmのマスが4つで約1坪です。僕は3社ぶんを数えて、いちばん通路が短い案といちばん長い案で2.5坪の差があることに気づきました。坪単価に直すと、そこだけで200万円以上の違いでした。
数えるのは面倒でしたが、ここがいちばん効く作業でした。
水回りを2か所にする案としない案の、2通りで出す
同居を考えている家なら、頼み方をひとつ足します。
同じ40坪で、水回りを1か所にした案と2か所にした案の両方を出してもらうことです。
同じ会社の中で2案が並ぶと、2か所目にいくらかかるのかが、そのまま差額として見えます。
3社に頼めば、6枚の図面と2つずつの見積書が届きます。
同じ会社の2案の差額を3社ぶん並べると、2か所目の相場が自分の条件で見えてきます。
僕が見た範囲では、トイレと洗面だけを足す案で40万円から70万円、ミニキッチンまで足すと150万円前後の差が付いていました。
この数字を家族に見せると、話が具体的になります。
「いまは要らないけれど5年後に要るかもしれない」という場合は、配管の口と電気の回路だけを先に入れておく第3の案も頼めました。あとから設備を足すだけなら、床を壊す工事にならずに済みます。
総額は、建物の外にある行まで足してから比べる
最後に、金額のそろえ方です。
40坪の平屋は、建物の外で動く金額が2階建てより大きくなります。
地盤改良、外構、給排水の引き込み、そして土地が広いぶんの造成。
この4つが、会社によって見積書に入っていたり、入っていなかったりしました。前提をそろえないまま金額だけを並べると、比較そのものが成り立ちません。
入っていない行がある見積書のほうが総額は安く見えるので、行の有無をそろえてから比べます。
本体、付帯、諸費用という3つの箱の分け方は、平屋の総額を3つの箱に分けて数える方法で整理しました。
40坪の場合は、その3つの箱の付帯工事の欄が、35坪の家より一段大きくなります。
地盤改良の面積、外構で囲う距離、屋根と基礎の面積。すべてが床の広さに連動しているからです。
ここまでそろえば、あとは数字を並べるだけでした。どの会社がどこにお金をかけているのかが、同じ物差しの上で見えてきます。
まとめ:40坪の平屋は、広さより配り方で決まる
平屋40坪4LDKの費用は、坪単価ではなく、床の広さが連れてくるものを数えると読みやすくなります。40坪は132.23㎡で、2024年度フラット35利用者調査の注文住宅の平均118.5㎡より13.7㎡広い床でした。1㎡あたりの建設費の全国平均33.3万円を掛けると約4,403万円。そこから、建ぺい率で決まる敷地、前面道路と間口、2階建ての倍になる屋根と基礎、個室4つを結ぶ通路、水回りを2か所にするかどうか、そして広いLDKの冷暖房と照明が、順番に乗ってきます。
知り合いが35坪から40坪に戻したとき、増えたのは部屋ではなく通路と配管でした。その話を聞いたあとで自分の図面を数えてみたら、通路だけで4.8坪。本体の金額を延床で割って掛け算すると、そこに500万円近くを払っている計算になって、しばらく図面を見つめてしまいました。広く建てるというのは、部屋を大きくすることではなく、部屋と部屋のあいだに払うお金まで引き受けることだったんです。
まずは手元の図面で、建築面積と通路の坪数を数えてみてください。そこから先は、同じ条件をそろえた複数社の図面を並べていけば大丈夫です。
- 40坪は132.23㎡で注文住宅の全国平均より13.7㎡広い
- 1㎡あたりの建設費の全国平均は33.3万円だった
- 建ぺい率40%なら敷地は約100坪、60%なら約67坪
- 軒を1m超で出すと建築面積が増えるので余裕を見ておく
- 屋根と基礎は同じ延床の2階建てのおよそ2倍になる
- 個室4つを1列に並べると通路だけで5坪近くになる
- 一部共用なら玄関とLDKは1つでトイレだけ2か所にする
- 2025年4月から新築は省エネ基準への適合が義務になった
- 広い屋根は太陽光を載せる余白としても残っている
- 見積書は建物の外の行までそろえてから総額で比べる
一社だけで決めなくて大丈夫で、40坪の配り方が違う複数社の提案を取り寄せて、納得できるものを選べます。
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届いたプランを、家族で広げる時間をつくる
平屋の家づくりでいちばん心がはずむのは、自分たちの暮らしが図面の上に描かれた瞬間です。
子ども部屋の場所、洗濯物の通り道。紙の上で話すと、家族それぞれの「こうしたい」が自然に出てきます。
その材料は、今日のうちに頼んでおけます。
費用はかかりません。依頼する会社は自分で選べます。

