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平屋の相見積もり|条件をそろえてから並べる手順

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ノブです。築20年台の戸建てに住んでいます。

終の住処を1階建てにするか、2年かけて調べました。その途中でいちばん効いたのが、複数社に同じ条件で出してもらう作業でした。

ただ、最初はうまくいきませんでした。1社目には電話で、2社目には現地で、3社目にはメールで説明したんです。あとで気づいたのですが、3回とも言っていることが違っていました。

数字の話をします。住宅金融支援機構の2025年度フラット35利用者調査では、注文住宅の平均所要資金が4,262万円でした。前年度より上がっています。

建設物価調査会の建築費指数でも、2026年3月時点の木造住宅は前年同月比でプラス5.9%でした。金額そのものが動いている時期です。

動いている時期だからこそ、同じ条件でそろえた書面が必要になります。ひとつの数字だけでは、高いか安いか判断できません。

この記事は、そのそろえ方の手順です。紙1枚を作るところから、断り方までを順番に書きました。

3社の書面を机に並べた夜のことを覚えています。金額は2,480万円、2,650万円、3,180万円でした。並べた瞬間、いちばん安いところに決めそうになりました。

ところが行ごとに書き写したら、いちばん安い書面には外側の工事が入っていませんでした。足したら真ん中とほぼ同じになったんです。条件がそろっていなかったのは、僕の伝え方のせいでした。

この記事のポイント
  • 伝える内容がそろわないと返る内容もそろわない
  • 紙1枚を作ってコピーして渡すのがいちばん確実
  • 声をかけるのは3社くらいが現実的な線になる
  • 提出の期限を同じ日にすると読み比べやすい
  • 断り方を先に決めておくと気が重くならない

複数社の提案が並ぶと、その金額が相場の中でどこにあるのかが分かります。

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比べる材料は、同じ条件でそろえると見やすい

見積書の書き方は、会社ごとにばらばらです。同じ希望を同時に伝えると、並べたときに違いがはっきり見えます。

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費用はかかりません。依頼する会社は自分で選べます。

平屋の相見積もりは、条件をそろえるところから

この章のポイント
  • 説明のたびに言い方が変わってしまうことに気づく
  • そろっていない書面を並べても比べたことにならない
  • そろえる項目は5つに絞ると準備が軽くなる
  • 準備に30分かければあとの作業がずっと楽になる

複数社から取り寄せる目的は、比べることです。ところが条件がそろっていないと、比べたことになりません。

僕は3回とも違う伝え方をしていました。1回目は丁寧に話しても、3回目には短くなります。短くなると、伝わらない情報が出てきます。その結果、3社が違う前提で書面を作ることになりました。

紙を1枚作って、同じものを渡す。それだけで解決しました。この章では、そのそろえ方を書きます。

説明のたびに、言い方が変わってしまうことに気づく

同じことを3回説明するのは、思っている以上に難しいです。

1回目は、頭の中が整理されていないので長くなります。

2回目は、要点がつかめてくるので短くなります。

3回目には、慣れてさらに短くなります。

短くなること自体は自然です。

ところが、削った部分に大事な情報が含まれていることがあります。

僕の場合、3社目には敷地の高低差の話をしませんでした。

1社目には話していたのに、忘れていたんです。

その結果、3社目の書面には造成の項目が入っていませんでした。

安く見えたのは、そのせいでした。

あとで気づいて、追加で出してもらいました。

この手戻りは、紙があれば防げたものです。

口で伝えることには、必ず抜けが出ます。

抜けを前提にした仕組みを作るほうが確実でした。

それに、相手も同じことを何度も聞き返さずに済みます。

聞き返される回数が減ると、打ち合わせが短くなります。

短くなったぶん、こちらの質問に時間を回せました。

そろっていない書面を並べても、比べたことにならない

前提が違う書面を並べても、判断はできません。

金額に差があっても、それが会社の差なのか前提の差なのか分からないからです。

僕が並べたときの差は、700万円ありました。

700万円と聞くと、大きな差に見えます。

ところが行ごとに書き写したら、そのうち470万円は含まれる範囲の違いでした。

前提がそろっていない書面の差は、判断の材料になりません。

実質的な差は、230万円でした。

この230万円なら、仕様の違いで説明がつきます。

だから、比べる前にそろえます。

そろえるまでが準備で、そろえてから比較が始まります。

この順番を守らないと、判断を間違えます。

間違えたまま契約すると、あとから追加が出ます。

契約後の追加は、断りにくいものです。

だから、契約の前にそろえておきます。

そろえる項目は5つに絞ると、準備が軽くなる

そろえる項目は、多ければいいというものではありません。

5つで十分でした。

敷地の情報、希望する延床、間取りの希望、予算の枠、家族の構成。

この5つを書けば、各社が同じ前提で考えられます。

敷地の情報には、住所と面積と間口と高低差を書きます。

測量図があれば、そのコピーを付けます。

延床は、おおよそで構いません。30坪前後といった書き方で足ります。

間取りの希望は、部屋の数と広さの目安を書きます。

予算の枠は、上限と下限の両方を書きます。

下限も書くと、性能を落とした提案が減ります。

家族の構成は、人数と年齢層を書きます。

これだけで、提案の方向が定まります。

細かく書きすぎると、かえって工夫の余地がなくなります。

5つのうち、どれかが決まっていなくても構いません。

未定と書いておけば、そこも含めて相談できます。

空欄のままにするより、未定と書くほうが伝わりました。

準備に30分かければ、あとの作業がずっと楽になる

紙を作る作業は、30分ほどで終わります。

手書きで構いません。きれいに作る必要もありません。

僕はノートを1ページ破って書きました。

それをコンビニで3枚コピーして、各社に渡しました。

渡すと、説明の時間が半分になります。

短くなった時間は、質問に使えます。

それに、紙があると相手も助かるようです。

1社の方に「これは助かります」と言われました。

条件が固まっていると、提案も作りやすいのだと思います。

手間ではありますが、こちらにも相手にも良い作業でした。

紙は打ち合わせのたびに持って行きます。

数字が変わったら、その場で書き直します。

書き直した紙を、次の打ち合わせでまた渡します。

この繰り返しで、条件が全社でそろい続けました。

同じ紙を渡すと返ってくる中身がそろう

この章のポイント
  • 敷地の情報は測量図のコピーを添えるのが確実になる
  • 間取りの希望は部屋の数と用途で書くと伝わりやすい
  • 予算は上限と下限の両方を書いておくほうがいい
  • 譲れない条件を1つだけ書くと提案の軸が定まる
  • 要らないものを書くと提案から自然に消えていく

紙に何を書くか。ここで返ってくるものが決まります。

僕が最初に作った紙は、希望ばかりを並べたものでした。あれもしたい、これもしたい。読んだ担当の方は困ったと思います。優先順位が書かれていなかったからです。

2回目は、譲れないものを1つだけ書きました。そうしたら、提案の軸がはっきりしました。この章では、その書き方を整理します。

敷地の情報は、測量図のコピーを添えるのが確実になる

敷地の情報は、言葉で書くより図のほうが正確です。

測量図があれば、そのコピーを付けます。

無い場合は、法務局で取れる公図と地積測量図を取り寄せます。

1通600円ほどで、待ち時間を入れても30分で終わります。

これがあると、間口や奥行きの寸法が正確に伝わります。

1階建ては地面を広く覆うので、敷地の形が置ける建物の形を決めます。

だから、この情報がいちばん大事になります。

それから、高低差があるなら必ず書きます。

造成が必要になると、数十万円から数百万円が動きます。

この項目が抜けていると、書面が比べられなくなります。

僕は3社目にこれを伝え忘れて、書き直してもらいました。

紙に書いておけば、忘れることはありません。

建ぺい率と容積率も、分かるなら書いておきます。

不動産会社に聞けば、すぐ教えてもらえます。

間取りの希望は、部屋の数と用途で書くと伝わりやすい

間取りの希望は、図を描く必要はありません。

部屋の数と、それぞれの用途を書けば十分です。

寝室を1つ、子ども部屋を2つ、リビングは18畳前後。

このくらいの書き方で伝わります。

広さの感覚は、今の住まいを基準にすると伝えやすいです。

今のリビングを測って、それより何畳広くしたいかを書きます。

数字なら、誤解が生まれません。

広いという言葉は、人によって基準が違います。

僕は今の家の各部屋をメジャーで測って、紙に書き出しました。

1時間かかりましたが、それ以降の打ち合わせが全部早くなりました。

今の家の寸法は、いちばん確かな基準になります。

収納の量も、同じやり方で伝えられます。

今のクローゼットの幅を測って、足りないぶんを書き足すだけです。

それから、置きたい家具のサイズも書いておきます。

今使っているダイニングのテーブルやピアノなど、動かせないものです。

この情報があると、間取りの提案が具体的になりました。

予算は、上限と下限の両方を書いておくほうがいい

予算の枠は、書きたくない方が多いと思います。

その枠いっぱいの提案が来るのではないか、と考えるからです。

僕も最初は空欄にしました。

ところが、書かないと合わない提案が届くだけでした。

枠から外れた提案を見ても、判断できません。

だから2回目から書くようにしました。

上限だけでなく、下限も書きます。

安ければいいという話ではないと伝わるので、性能を落とした提案が減ります。

僕は3,000万円から3,500万円の間と書きました。

幅を持たせたぶん、提案の中身に厚みが出ました。

枠の決め方は、月々払える額から逆算します。

今の家賃を基準にして、そこから借りられる額を出します。

自己資金を足すと、総額の枠が出ます。

この計算に10分もかかりません。

それと、どこまでが枠に含まれるのかも書いておきます。

敷地の代金を含むのか、外まわりの工事を含むのか。ここも1行書いておきます。

ここが曖昧だと、同じ枠でも各社の解釈が変わってしまいました。

譲れない条件を1つだけ書くと、提案の軸が定まる

希望を全部書くと、優先順位が伝わりません。

だから、譲れないものを1つだけ書きます。

僕の場合は「玄関からキッチンまでを一直線にしたい」でした。

買い物から帰ったときの動線を短くしたかったからです。

この1行を書いたら、3社とも提案の中心がそこになりました。

1つに絞ると、提案の軸がはっきりします。

5つ書くと、どれも中途半端になります。

優先順位を付ける作業は、自分にとっても意味があります。

何がいちばん大事なのかを、考えることになるからです。

僕は妻と話し合って、1つに絞るのに1週間かかりました。

その1週間が、いちばん大事な時間だったと思います。

絞ったあとは、判断が早くなりました。

迷ったときは、その1行に戻ればいいからです。

軸があると、途中でぶれません。

2つ目以降の希望は、優先度を付けて別の欄に書きます。

あくまで参考として扱ってもらう形です。

この分け方をすると、提案の中心がぼやけませんでした。

要らないものを書くと、提案から自然に消えていく

要るものを書くより、要らないものを書くほうが効くことがあります。

僕は和室が不要でした。

それを先に書いておいたら、3社とも提案に入れてきませんでした。

書かなければ、標準の提案として入っていたと思います。

和室を1つ削ると、面積も金額も変わります。

不要なものを削るのは、必要なものを足すより気が楽です。

だから、要らないものは遠慮せずに書きます。

浴室に窓は要らない、2階のトイレは要らない、バルコニーは要らない。

こういう項目は、人によってまったく違います。

僕はバルコニーを削りました。

1階建てなので、そもそも必要がありませんでした。

ところが最初の提案には、屋根の上に物干し場が入っていました。

書いておけば、その手間も省けたはずです。

要らないものの欄を、紙に作っておくといいです。

依頼する数は3社が現実的な線になる

この章のポイント
  • 1社だけでは高いか安いかを判断する材料がない
  • 5社を超えると打ち合わせの調整だけで疲れてくる
  • 帯の違う会社を混ぜると比較が成立しなくなる
  • 足りなければあとから1社だけ追加すれば済む

何社に声をかけるか。ここも迷うところだと思います。

僕は最初、5社に声をかけました。ところが打ち合わせの日程調整だけで、土日が2か月ぶんつぶれました。しかも、5社目に会うころには1社目の印象が薄れていました。

次からは3社にしました。この章では、その理由を書きます。

1社だけでは、高いか安いかを判断する材料がない

1社だけの書面を見ても、判断はできません。

その金額が高いのか安いのか、比べる相手がいないからです。

統計を見れば全国の平均は分かりますが、自分の条件とは違います。

だから、同じ条件で出してもらった書面が2枚以上必要になります。

2枚あれば差が見えます。3枚あれば真ん中が見えます。

真ん中が見えると、自分の位置が分かります。

僕の3枚は、2,480万円、2,650万円、3,180万円でした。

真ん中の2,650万円が、そのときの相場に近い数字でした。

そこから外れている2枚には、理由がありました。

安いほうは含まれる範囲が狭く、高いほうは仕様が上でした。

理由が分かれば、納得して選べます。

1枚だけでは、理由も見えませんでした。

比べるという作業は、理由を見つける作業でもあります。

5社を超えると、打ち合わせの調整だけで疲れてくる

数を増やせば精度が上がるかというと、そうでもありません。

5社に声をかけると、日程の調整が5回になります。

現地に来てもらう日、打ち合わせの日、書面を受け取る日。

これが5社ぶんです。

共働きだと、土日がそれだけで埋まります。

しかも、読む書面も5枚になります。

5枚を比べる作業は、3枚より格段に大変です。

僕は5枚を並べて、途中で分からなくなりました。

3枚なら、机に並べて一目で見渡せます。

5枚だと、机からはみ出します。

単純な話ですが、これが実際の限界でした。

数を増やすより、3社に深く聞くほうが役に立ちました。

質問の数が増えるからです。

質問の数が、そのまま得られる情報の量になります。

それに、断る相手も増えます。

5社なら4社に断ることになります。

そこも含めて考えると、3社くらいがちょうどよかったです。

帯の違う会社を混ぜると、比較が成立しなくなる

3社を選ぶときに、注意したい点があります。

金額の帯を揃えることです。

坪50万円台の会社と坪100万円の会社を並べても、比べられません。

含まれているものが違いすぎるからです。

だから、まず自分の予算の帯を決めます。

その帯にいる会社だけを3社選びます。

僕は最初、帯の違う会社を混ぜていました。

その並べ方では、いつまでも決められませんでした。

帯を揃えて選び直したら、比べられるようになりました。

帯を確かめるには、実例の金額を延床で割ってみます。

その数字が近ければ同じ帯です。

資料を取り寄せた段階で、この計算をしておきます。

計算に5分もかかりません。

この5分で、選ぶ3社が決まりました。

帯の外にある会社も、まったく無駄ではありません。

仕様の上限や下限を知る材料にはなります。

ただ、書面を出してもらう相手としては外しました。相手の時間も使うからです。

足りなければ、あとから1社追加すれば済む

3社で足りなければ、追加すればいいだけです。

最初から全部を決める必要はありません。

3社の書面を読んで、どれも合わなければ4社目を探します。

そのときには、何が合わなかったのかが分かっています。

だから、4社目の探し方も具体的になります。

最初にまとめて5社に声をかけるより、効率が良くなります。

僕は3社で決まりましたが、決まらなければ追加するつもりでした。

その準備があったので、焦らずに読めました。

3社の中から選ばなければいけない、と思うと判断が歪みます。

どれも合わなければ選ばなくていい。

この余地を残しておくと、冷静に読めます。

実際、1社は途中で候補から外れました。

残った2社を比べて、最終的に決めました。

同じ条件で出してもらった書面が並ぶと、金額の理由まで見えてきます。

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声をかけていることは隠さなくていい

この章のポイント
  • 伝えたほうが範囲をそろえた書面が出てくる
  • 他社の金額をそのまま伝えるのは避けておく
  • 嫌がる反応があればそれも判断の材料になる
  • 言い方はひとことで十分に相手へ伝わってくれる

複数社に声をかけていることを、伝えるべきかどうか。ここも迷いました。

言うと印象が悪くなるのではないか。そう思って、最初は黙っていました。ところが、伝えたほうが返ってくる書面が丁寧になったんです。

比べられると分かっていれば、項目を明確に書くからでした。この章では、その伝え方を書きます。

伝えたほうが、範囲をそろえた書面が出てくる

比べられることを前提にすると、書面の書き方が変わります。

曖昧な書き方だと、比べたときに不利になるからです。

だから、数量も範囲も明確に書いてくれます。

逆に、1社だけだと思っていると、まとめた書き方になることがあります。

これは会社の姿勢というより、必要がないからです。

僕は途中から伝えるようにしました。

伝えたあとの書面は、明らかに項目が細かくなりました。

別途と書かれていた行にも、概算が入るようになりました。

読む側としては、こちらのほうが助かります。

だから、伝えることは相手にとっても悪い話ではありません。

手の内を明かすような気がして、抵抗があるかもしれません。

ただ、比べるのは当たり前のことです。

数千万円の買い物で1社しか見ないほうが、むしろ不自然です。

相手もそれは分かっています。

他社の金額をそのまま伝えるのは、避けておく

ただし、伝え方には注意します。

他社の金額をそのまま伝えるのは、避けたほうがいいです。

金額を伝えると、そこに合わせた提案が出てくることがあります。

それでは、その会社本来の考え方が見えません。

比べたいのは、各社が自分の考えで作った提案です。

他社に合わせた数字を見ても、判断の材料になりません。

僕は金額を最後まで伏せておきました。

聞かれたときは「まだ全部そろっていないので」と答えました。

それで話は終わりました。

無理に聞き出そうとする会社は、ありませんでした。

伝えるのは、声をかけている数だけで十分です。

「他にも2社に見ていただいています」

この一言で、必要な情報は伝わります。

それ以上は、こちらから言う必要がありません。

もし金額を聞かれたら、正直に答えなくても構いません。

まだ全部そろっていないので、と伝えれば済みます。

無理に聞き出そうとする会社は、僕の場合はありませんでした。

嫌がる反応があれば、それも判断の材料になる

伝えたときの反応を見ておきます。

ほとんどの会社は、普通に受け止めます。

中には「ぜひ比べてください」と言ってくれる会社もありました。

その一言で、印象がぐっと良くなりました。

自分たちの提案に自信があるということだからです。

逆に、明らかに嫌そうな反応をされたことは、僕にはありませんでした。

ただ、もしあれば、それも判断の材料になります。

比べられたくない理由があるのかもしれません。

あるいは、単に忙しかっただけかもしれません。

1回の反応で決めつける必要はありません。

ただ、記録として残しておきます。

他の場面でも同じような反応があれば、そのときに判断すればいいです。

小さな反応の積み重ねが、その会社の性格を作ります。

そこを見るのも、比べる作業の一部でした。

反応は、その場でメモに書き留めておきます。

あとから思い出そうとすると、印象が変わってしまいます。

その日のうちに1行書いておくだけで、記録として使えました。

言い方はひとことで、十分に伝わってくれる

長く説明する必要はありません。

「他にも数社に見ていただいています」

これだけで通じます。

言うタイミングは、最初の打ち合わせがいいです。

あとから言うと、それまでの前提が変わってしまいます。

最初に言っておけば、そのつもりで進めてもらえます。

僕は現地に来てもらった日に伝えました。

採寸が終わったあと、書面の話になったタイミングです。

「同じ条件で3社にお願いしています」と言いました。

3社とも「分かりました」で終わりました。

身構えていたのが、少し馬鹿らしくなりました。

やってみると、たいていのことは想像より簡単です。

手をつけるまでが重いだけでした。

紙を渡すときに一緒に言うと、自然に伝わります。

提出の期限を同じ日にする

この章のポイント
  • 届く日がばらつくと最初の印象が薄れてしまう
  • こちらから期限を切ると自然にそろってくる
  • 2週間ほどの余裕を見ておくとお互いに無理がない
  • 読む日をあらかじめ空けておくと集中できる

書面が届く日は、放っておくとばらつきます。早い会社は1週間、時間がかかる会社で1か月ということもあります。

僕は最初、来た順に読んでいました。ところが最後の1枚が届いたころには、最初の1枚の印象が薄れていたんです。読み返す手間が二重にかかりました。

期限を切るだけで、この問題は消えます。この章では、その決め方を書きます。

届く日がばらつくと、最初の印象が薄れてしまう

記憶は、思っている以上に早く薄れます。

2週間前に読んだ書面の細かい部分を、正確に思い出すのは難しいです。

特に、数字は記憶に残りにくくなります。

だから、まとめて読める状態を作ります。

そろっていれば、机に並べて一気に読めます。

一気に読むと、差がはっきり見えます。

時間を空けて読むと、印象が混ざります。

僕は最初、3週間かけて1枚ずつ読みました。

読み終わったあと、もう一度最初から読み直しました。

結局、二度手間になりました。

そろえてから読めば、1回で済みます。

そろえる手間より、読み直す手間のほうが大きいです。

だから、そろえるほうを選びます。

この判断は、2回目からできるようになりました。

もし1社だけ遅れるようなら、その1社だけ後から読みます。

先の2社をまとめて読んでおけば、比べる感覚は残ります。

全部がそろうまで待つより、そのほうが早く進みました。

こちらから期限を切ると、自然にそろってくる

期限は、こちらから伝えます。

「◯月◯日までにいただけますか?」と言うだけです。

それだけで、そろいます。

会社側も、期限があるほうが作業を組みやすくなります。

期限がないと、他の仕事が優先されるのは当然です。

だから、伝えることは相手にとっても親切です。

僕は現地に来てもらった日に、その場で伝えました。

「2週間後の日曜までにお願いできますか?」と言いました。

3社とも「大丈夫です」という返事でした。

そして、3社とも前日までに届きました。

期限を切っただけで、そろったわけです。

これほど簡単に解決するとは思っていませんでした。

言わなければ、そろわなかったはずです。

ひとこと伝えるだけの作業でした。

期限を伝えるときは、理由も添えると角が立ちません。

まとめて読みたいので、と言えば十分です。

相手も納得して、その日程で動いてくれました。

2週間ほどの余裕を見ておくと、無理がない

期限の設定には、余裕が要ります。

短すぎると、雑な書面が出てきます。

長すぎると、そのぶん検討の期間が延びます。

2週間ほどが、ちょうどよかったです。

現地を見てから、図面を描いて、金額を積算する。

この作業に、それくらいの時間がかかります。

急がせると、概算のままの書面が出てくることがあります。

それでは、比べる材料になりません。

逆に、1か月かけてもらう必要もありません。

僕は2週間で頼んで、3社とも間に合いました。

もし難しいと言われたら、その理由を聞きます。

忙しい時期なら、そこは調整します。

相手の都合も聞いたうえで決めると、無理がありません。

年度末や連休の前は、どの会社も混みます。

その時期にかかるなら、3週間ほど見ておくと安心です。

急がせて雑な書面が出てくるより、待ったほうが結果的に早く決まりました。

読む日をあらかじめ空けておくと、集中できる

期限を決めたら、その翌日を空けておきます。

届いた書面を読む日です。

2時間ほどまとめて取ると、3枚を最後まで読み切れます。

細切れに読むと、比べる感覚が保てません。

僕は日曜の午後を空けておきました。

机の上を片付けて、3枚を並べて、コーヒーを淹れました。

途中で立つと集中が切れるので、飲み物は先に用意します。

紙で並べると、画面で見るより比べやすかったです。

データで届いた場合も、印刷して並べました。

横に置いて見比べる。この形がいちばん分かりやすかったです。

その日のうちに、印象を1行ずつメモに書きました。

翌日になると、細かい部分が抜け落ちます。

読んだ日に書くのが、いちばん正確でした。

届いた紙は行ごとに並べ直して読む

この章のポイント
  • 合計の欄は手で隠してから項目を読んでいく
  • 項目名を左に置いて各社の数字を右に並べる
  • 空欄が並ぶ行がそのまま次の質問の材料になる
  • 差の理由を説明できるかどうかを最後に見る

並べ方には順番があります。合計から見ると、そこで印象が決まってしまいます。

僕は最初、合計だけを見て順位を付けました。ところが項目を書き写したら、順位が入れ替わったんです。読む順番を変えただけで、結論が変わりました。

合計はいちばん最後に見る。この章では、その読み方を書きます。

合計の欄は、手で隠してから項目を読んでいく

書面を開いたら、合計の欄を手で隠します。

そのうえで、項目を上から読んでいきます。

意味の分からない言葉があれば、印を付けます。

数量が入っていない行にも、印を付けます。

読み終わってから、印を付けた行を質問します。

この順番だと、合計に引きずられません。

僕は3枚とも、この読み方をしました。

結果として、印が10個以上付いた書面が1枚ありました。

質問したら、丁寧に説明してもらえました。

説明を聞いて、その会社の印象がむしろ良くなりました。

読まなければ、質問もできませんでした。

質問しなければ、その説明も聞けませんでした。

読む作業は、相手を知る作業でもあります。

鉛筆を持って、印を付けながら読みます。

手を動かしながら読むと、記憶にも残ります。

目で追うだけだと、読んだつもりで終わってしまいます。

印が付いた行の数は、そのまま質問の数になりました。

項目名を左に置いて、各社の数字を右に並べる

書き写すときは、表の形にします。

左の列に項目名、右の3列に各社の数字。

これだけです。

表計算ソフトでも、紙に手書きでも構いません。

項目名は、いちばん詳しい書面のものを使います。

行数が多い書面を基準にすると、他社の抜けが見えます。

僕は12行ある書面を基準にしました。

他の2社は、7行と9行でした。

だから、基準にした書面の項目を左に並べて、そこに他社の数字を入れました。

入らない行が、そのまま空欄になります。

書き写す作業に1時間かかりました。

ただ、その1時間で判断が変わりました。

2回目からは、20分で終わるようになりました。

単位もそろえておきます。

片方が税込、片方が税抜だと、それだけで数字がずれます。

どちらかにそろえてから書き写すと、比べたときに迷いませんでした。

空欄が並ぶ行が、そのまま質問の材料になる

空欄は、その会社の書面に入っていない項目です。

入っていないから安いのか、含まれているから書いていないのか。ここは聞かないと分かりません。

これは聞かないと分かりません。

だから、空欄に色を付けて、次の打ち合わせで質問します。

「この項目は御社の場合いくらになりますか?」と聞くだけです。

僕は空欄に黄色を付けて持って行きました。

3社とも、その場で概算を出してくれました。

埋まった時点で、はじめて合計の比較ができる状態になります。

ここまでやらないと、比べたことになりません。

順番を守ると、判断を間違えません。

順番を逆にすると、安いほうを選んであとから足していくことになります。

その足し算は、契約したあとに始まります。

だから、契約の前に埋めておきます。

埋めた表は、そのまま契約の資料にもなりました。

この項目が入っている前提で契約した、という記録になるからです。

僕は表を印刷して、契約の書類と一緒にファイルしました。

あとで話が食い違ったときに、戻れる場所があると安心です。

差の理由を説明できるかどうかを、最後に見る

空欄が埋まっても、差は残ります。

同じ条件で頼んでも、差はゼロにはなりません。

その差の理由を聞きます。

仕様が上だから、工法が違うから、範囲が広いから。

説明できる会社は、自分たちの積算を分かっています。

説明が曖昧な会社は、他社に合わせた数字を出しているだけということもあります。

僕は3社に同じ質問をしました。

3社とも、差の理由をきちんと説明してくれました。

説明を聞いて、真ん中の会社に決めました。

金額だけなら別の会社でしたが、説明の中身で決めました。

住宅生産団体連合会の住宅生産団体連合会のような業界団体の資料や、住宅金融支援機構のフラット35利用者調査を見ると、全国の水準も分かります。

自分の数字がその中でどこにあるかを知っておくと、落ち着いて判断できます。

基準がひとつあると、数字の大きさに振り回されません。

断るときの言い方を先に決めておく

この章のポイント
  • 断りの文面を1つ用意しておけば迷わずに送れる
  • 断る理由を細かく説明する必要はまったくない
  • 決めたその日のうちに送るほうが気が楽になる
  • お礼を1行添えておくと次に頼みやすくなる

3社に頼めば、2社は断ることになります。ここを気にして、そもそも1社しか頼まない方もいると思います。

僕も断るのが苦手です。ところが実際にやってみると、あっさりしたものでした。文面を1つ用意しておいたら、10分で2社ぶん送れました。

準備しておけば、負担になりません。この章では、その伝え方を書きます。

文面を1つ用意しておけば、迷わずに送れる

文面は、1つ作っておけば使い回せます。

会社名だけ入れ替えて送ります。

内容は短くて構いません。

書面のお礼と、今回は見送るという結論。この2つです。

丁寧に書こうとすると、かえって書けなくなります。

僕は3行の文面を作りました。

書面のお礼、今回は他社に決めたこと、また機会があればという一言。

これだけです。

作るのに5分かかりました。

そのあとは、コピーして会社名を変えるだけです。

2社ぶんで10分ほどでした。

用意していなかったら、1社ごとに悩んで何日もかかっていたと思います。

準備の効果が大きい作業でした。

文面はメモアプリに保存しておくと、次にも使えます。

宛名だけは、必ず会社ごとに変えます。

ここを間違えると、失礼になってしまいます。

送る前に1回だけ読み返す。それだけで防げました。

理由を細かく説明する必要は、まったくない

断るときに、理由を詳しく書く必要はありません。

「他社に決めました」で十分です。

金額が合わなかった、対応が合わなかった。こういう理由は書かなくて構いません。

書くと、そこから話が続いてしまうこともあります。

もちろん、伝えたい理由があるなら書いてもいいです。

ただ、義務ではありません。

僕は理由を書きませんでした。

2社とも、それ以上は聞いてきませんでした。

返信は「またの機会によろしくお願いします」という1行でした。

比べられることを前提にしている仕事なので、断られることも織り込み済みなのだと思います。

気にしすぎると、連絡できないまま時間が過ぎます。

時間が過ぎるほうが、相手にとっても迷惑です。

だから、短くても早く送るほうがいいです。

短い文面のほうが、相手も読みやすいです。

決めたその日のうちに送るほうが、気が楽になる

決めたら、その日のうちに送ります。

相手も予定を組んでいるので、早いほうが助かります。

連絡がないまま放置されるのが、いちばん困る形です。

電話だと、相手の都合を気にして先延ばしになりがちです。

メールなら、時間を選ばずに送れます。

僕は日曜の夜に、まとめて送りました。

10分で終わりました。

翌朝には、返信が届いていました。

どれも短い返信で、引き止められることはありませんでした。

身構えていたのが、少し馬鹿らしくなりました。

まとめて送ると、心理的な負担も1回で済みます。

1社ずつ日を空けて送ると、そのたびに気が重くなります。

1回で終わらせるほうが、結果的に楽でした。

送ったあとは、返信を待たなくて構いません。

受け取ったという確認だけの場合もあります。

送った時点で、こちらの務めは終わっています。

お礼を1行添えると、次に頼みやすくなる

断るときに、ひとこと添えておきます。

「丁寧に見ていただいて助かりました」といった一文です。

これを入れておくと、次に何かあったときに頼みやすくなります。

家づくりは、これ1回で終わりではありません。

外構も、手入れも、いずれ時期が来ます。

そのときに、印象の良い会社があると助かります。

僕が断った1社は、敷地の見方を丁寧に教えてくれた会社でした。

その旨をメールに書いたら、丁寧な返信が来ました。

その後も、季節ごとの案内が届いています。

断ったあとも関係が残るのは、悪くないものです。

1行足すだけの話です。

その1行で、印象がまるで変わります。

まとめ:そろえてから並べると、差の理由が見える

複数社に頼む目的は、安い会社を探すことではありません。自分の家の相場を知ることです。そのためには、条件をそろえて頼む必要があります。敷地の情報、希望する延床、間取りの希望、予算の枠、家族の構成。この5つを紙1枚にまとめて、同じものを各社に渡す。それだけで、返ってくる書面がそろいます。そろった書面を行ごとに並べ直せば、差の理由が見えてきます。

3枚を机に並べた夜、いちばん安いところに決めそうになりました。700万円の差があったからです。ところが行ごとに書き写したら、そのうち470万円は含まれる範囲の違いでした。実質的な差は230万円で、それは仕様の違いで説明がつく金額でした。条件がそろっていなかったのは、会社のせいではありません。3回とも違う伝え方をしていた、僕のせいでした。紙1枚を作るのに30分。それで防げた700万円の勘違いでした。

まずは、敷地と延床と間取りと予算と家族の5つを紙に書いてみてください。30分で終わります。

この記事のまとめ
  • 説明のたびに言い方が変わるので紙にして渡す
  • そろえる項目は5つに絞ると準備が軽くなる
  • 敷地の情報は測量図のコピーを添えると確実
  • 譲れない条件を1つだけ書くと提案の軸が定まる
  • 声をかけるのは3社くらいが現実的な線になる
  • 帯の違う会社を混ぜると比較が成立しない
  • 他社の金額をそのまま伝えるのは避けておく
  • 提出の期限をこちらから切るとそろってくる
  • 合計の欄は手で隠してから項目を読んでいく
  • 空欄を埋めてもらってから合計を比べる

提案の中身まで含めて比べられるので、金額だけの比較になりません。

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