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平屋の返済シミュレーション|毎月払える額から借入額を逆算するとき

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ノブです。2年かけて平屋を調べました。

返済のシミュレーションを、僕は最初に何度もやり直しています。

理由ははっきりしていて、借入額のほうを先に入れていたからでした。3,000万円と打ち込んで、出てきた毎月の額を見て、慌てて2,800万円に打ち直す。その繰り返しです。

順番が逆でした。

数字の話をします。

住宅金融支援機構が公表している2026年9月のフラット35は、返済期間21年以上35年以下・融資率9割以下で、最も多い金利が年3.460%でした。金利の幅は年3.460%から年5.690%です。返済期間20年以下なら、最も多い金利は年3.140%になっています。

同じ2,500万円でも、金利が1.0%のときと3.460%のときでは、総返済額が1,300万円以上ひらきます。

この差は、仕様を落として削れる金額ではありません。

だから、シミュレーションのやり方そのものを変えました。毎月払える額を先に置いて、そこから借入額を逆に出す形です。入れる数字は同じでも、出てくる答えの意味がまるで違いました。

この記事は、その順番の話です。

毎月の額を固定して、金利と期間だけを動かすと、判断できる材料が残ります。

この記事のポイント
  • 毎月払える額を先に置いて借入額を出す
  • 金利0.5%の差が総額で数百万円になる
  • 35年と25年は毎月と総額の両方で見る
  • 住んでからの出費も同じ欄に足しておく
  • 試算の数字と審査で通る額は別物になる

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平屋の返済シミュレーションで、最初に入れる数字

この章のポイント
  • 入力する欄は毎月の額と金利と期間と方式の4つだけ
  • 機構の試算ページは目的ごとに8種類に分かれている
  • 元利均等と元金均等では毎月の重さの出方が変わる
  • 出てきた数字には前提の3行を必ず書き添えて残す

最初に、道具の話をしておきます。

返済のシミュレーションは、特別な計算ではありません。入れる数字が決まれば、答えは1つに決まります。それなのに使いこなせない感じがするのは、どの欄に何を入れるかが決まっていないからでした。

僕は、入れる順番を変えただけで迷わなくなりました。

入力する欄は、じつは4つしかない

画面にはいろいろ並んでいますが、答えを動かしているのは4つです。

月々の返済額。金利。返済期間。返済方式。

この4つのうち3つを決めると、残りの1つが自動的に出ます。だから、どれを「決める数字」にして、どれを「出したい数字」にするかを先に選びます。ここを決めないまま触ると、数字が行ったり来たりして終わりました。

僕が決める数字にしたのは、毎月の返済額です。

これは家計から出る数字で、金利や制度では変わりません。手取りの中から住居に回せる額が月9万円なら、それが上限。ここを動かして帳尻を合わせ始めると、計画そのものが崩れます。

残りの2つ、金利と期間は外から与えられる条件です。

そして出したい数字が、借入額でした。

毎月9万円・35年・金利1.5%なら、借りられるのは約2,939万円です。

元利均等・ボーナス返済なし・金利は全期間変わらないという前提で、僕が計算した数字です。前提が違えば答えも変わるので、必ず3つをセットで書き留めます。

この形にすると、比べる軸が1本に決まります。

毎月9万円という線を動かさずに、金利と期間だけを入れ替える。すると、借入額がいくつも並びます。並んだ数字を見比べるだけで、自分がどこまで建てられるのかが見えてきました。

住宅金融支援機構の試算ページは、目的ごとに分かれている

使ったのは、公的な機関のページです。

住宅金融支援機構のローンシミュレーションには、目的の違う試算が8種類ほど並んでいます。資金計画を組むもの、融資額から返済額を出すもの、3つのプランを同時に比べるもの、繰上返済を試すもの。

どれを開くかで、入れる数字が変わります。

最初に開くなら、返済プランを比べるものが使いやすかったです。3つまで同時に並ぶので、金利だけを変えた3本、期間だけを変えた3本、という作り方ができます。

1本ずつ計算して紙に書き写すより、ずっと早く終わりました。

民間の金融機関の試算ページも同じ計算をしていますが、公的な機関のページを基準にしておくと、あとで数字がずれたときに原因を追えます。どちらが正しいかではなく、基準を1つ決めておくという話です。

基準は、動かしません。

同じページで、同じ前提で、条件だけを入れ替える。これだけで比べられる表になります。

それと、スマートフォンでも動きます。

打ち合わせの席で数字を言われたとき、その場で入れて確かめられると、話の進み方が変わりました。持ち帰って計算してから返事をするより、その場で1問返せるほうが早いからです。

元利均等と元金均等を、先に選んでおく

返済方式は2つあります。

元利均等は、毎月の支払額がずっと同じになる形です。最初のうちは支払額の中身のほとんどが利息で、元金はゆっくりしか減りません。そのかわり、毎月の家計が読めます。

元金均等は、元金を回数で割って毎月同じだけ返す形です。

利息は残高に掛かるので、最初がいちばん重く、あとになるほど軽くなります。総返済額は元利均等より少なくなるのが一般的でした。

ただ、最初が重い。

建てた直後は、家具も家電も外構も現金で出ていく時期です。そこにいちばん重い返済が重なると、手元が薄くなります。僕は元利均等で組む前提にしました。

試算のページでも、どちらかを選ぶ欄があります。

ここを見ないまま計算すると、他社の数字と並べたときに理由の分からない差が出ます。

並べる相手と方式をそろえる。これだけで、比べる作業が成立しました。

どちらを選ぶかは、収入の形でも変わります。定年までの年数が短い人や、数年内に大きな支出が決まっている人は、重さの来る時期が判断を分けました。

出てきた数字には、前提を書き添えて残す

最後に、記録の話です。

試算の結果は、その場で見て終わりにしません。紙かメモに残します。そのとき、数字だけを書くと後で使えなくなりました。

前提を3行、必ず添えます。

方式、金利、期間。この3つです。

「2,939万円」とだけ書いたメモは、1か月後に見ると何の数字か分かりません。「元利均等・1.5%・35年・毎月9万円で2,939万円」と書いてあれば、そのまま次の比較に使えます。

日付も入れます。

金利は毎月動くからです。3か月前の試算と今日の試算を並べると、同じ条件でも答えが違います。日付が無いと、どちらが今の数字か分からなくなりました。

この積み重ねが、そのまま資金計画の土台になります。

組み立ての全体の順番は、借りられる額ではなく返せる額から組む手順のほうに書いてあります。

数字を残す形も、そこで決めた並びに合わせています。

金利が0.5%動くと、総返済額はいくら変わるのか?

この章のポイント
  • 毎月9万円で借りられる額は0.5%ごとに数百万円動く
  • 2,500万円を35年で借りると利息だけで数百万円になる
  • 2026年9月のフラット35の最頻金利は年3.460%だった
  • 試算に使う数字はいまの水準より高めに置いておく

金利の話は、パーセントで聞くと小さく感じます。

0.5%と聞いて驚く人はいません。ところが、35年という長さを掛けると、この0.5%が数百万円になります。ここを数字で見てから、変動にするか固定にするかを考えました。

先に、動き方だけを押さえます。

毎月9万円で借りられる額は、金利で500万円以上動いた

毎月9万円という線を固定して、金利だけを入れ替えてみます。

元利均等・ボーナス返済なし・返済期間35年。この前提で僕が計算した数字です。

  • 金利0.5% 約3,467万円
  • 金利1.0% 約3,188万円
  • 金利1.5% 約2,939万円
  • 金利2.0% 約2,717万円
  • 金利3.460% 約2,190万円

毎月出ていく額は、どれも同じ9万円です。

それでも、借りられる額は1,277万円ひらきました。0.5%から1.5%までの1.0%ぶんだけでも、約528万円の差です。

この差は、建物の中身に直結します。

500万円あれば、延床で6坪から7坪ぶん。あるいは、窓と断熱の仕様を一段上げて、太陽光と蓄電池まで載せられる金額です。金利が0.5%動くというのは、そのくらいの話でした。

予算が足りないと感じたとき、原因が仕様ではなく金利の置き方にあることがあります。

だから、最初に金利の帯を確かめます。

いくら削るかを考える前に、どの金利で試算しているかを見る。順番はこちらが先でした。

2,500万円を35年で借りたときの、利息の積み上がり方

今度は逆から見ます。借入額を2,500万円で固定して、金利だけを動かした場合です。

同じ前提で計算しました。

  • 金利1.0% 毎月70,571円 総額約2,964万円
  • 金利1.5% 毎月76,546円 総額約3,215万円
  • 金利2.0% 毎月82,816円 総額約3,478万円
  • 金利3.460% 毎月102,744円 総額約4,315万円

総返済額の内訳を見ると、差の正体は全部が利息でした。

毎月の差は、1.0%と1.5%で約6,000円です。

月6,000円なら、なんとかなりそうに見えます。ところが総額では約251万円の差になりました。1.0%と2.0%で比べると、その差は約514万円です。

月あたりの感覚と、総額の感覚がずれます。

このずれが、判断を狂わせる部分でした。毎月の数字だけを見て「この程度なら大丈夫」と決めてしまうと、35年ぶんの総額を見ないまま契約することになります。

だから、2つを並べて書きます。

毎月の額と、総返済額。この2列がそろっていない表は、比べるのに使えません。

試算のページでも、総返済額は必ず出ます。見落とさずに写しておきます。

2026年9月のフラット35は、年3.460%だった

では、いま実際にいくらの水準なのかを見ておきます。

住宅金融支援機構が毎月公表しているフラット35の借入金利を見ると、2026年9月の数字が出ています。

返済期間21年以上35年以下・融資率9割以下で、最も多い金利が年3.460%。金利の幅は年3.460%から年5.690%でした。

返済期間20年以下なら、最も多い金利は年3.140%です。

これは全期間固定の数字です。変動の金利はこれより低い水準で出ていますが、途中で見直されるという前提が付きます。

同じ「金利」でも、中身が違います。

試算するときは、どちらの数字を入れているのかを意識します。変動の低い数字をそのまま35年ぶん掛けると、実際より楽な答えが出るからです。

ネットで見た坪単価と同じで、金利も去年の数字は当てになりません。

だから、試算の日に公表されている数字を見ます。毎月更新されるので、確かめるのに1分もかかりませんでした。

試算に使う数字は、いまより少し高めに置く

最後に、どの数字を入れるかです。

僕は、いまの水準より0.5%から1.0%ほど高い数字で計算しています。実際にそうなると決めつけているわけではなく、そうなっても成立するかを見るためでした。

低いほうで組むと、余白が残りません。

高いほうで組んでおくと、実際が低かったときは前倒しで返せます。逆をやると、上がったときに削る先が無くなりました。

この置き方は、家計の余裕がどれだけあるかで変えます。

共働きで収入が2本あるなら、上振れを吸収できる幅も広くなります。年収の水準ごとの置き方は、年収500万円で組むときの毎月の額の決め方のほうにまとめてあります。

高めで試算して届く額が、自分が本当に建てられる額です。

ここを決めてから、間取りの話に入ります。

順番を逆にすると、気に入った図面を削る作業から始まることになりました。

期間を35年にするか、25年に縮めるか

この章のポイント
  • 10年縮めると毎月2万3千円上がり総額は215万円減る
  • 完済する年齢のほうが先に上限を決めてしまうことがある
  • 短く組むと家計が動かせる範囲そのものが狭くなる
  • 長めに借りて繰上返済で縮めるという組み方もある
  • 団体信用生命保険の加入条件も期間の長さに効いてくる

次は、長さの話です。

期間は、毎月の額と総返済額を同時に動かします。片方だけを見ていると、必ず判断を誤る部分でした。

僕も最初は、短いほうが正しいと思い込んでいます。

毎月の差は2万3千円、総額の差は215万円

2,500万円・金利1.5%・元利均等・ボーナス返済なしで、期間だけを変えます。

35年なら毎月76,546円で、総額は約3,215万円。25年なら毎月99,984円で、総額は約3,000万円でした。

毎月は23,438円上がります。

総額は約215万円下がります。

この2つを並べると、判断の材料がそろいます。毎月2万3千円を10年ぶん余計に払える家計なら、215万円が浮く。払えないなら、その215万円は買えません。

単純な引き算です。

ところが、この表を作らないまま「短いほうが得」と決める人が多い場所でもありました。得かどうかではなく、払い続けられるかどうかが先です。

毎月の額が上がると、途中で止まる可能性のほうが上がります。

止まってしまえば、215万円どころの話ではありません。

30年で組むという中間もあります。同じ条件で毎月86,280円、総額は約3,106万円でした。5年刻みで3本並べると、自分の位置が見えます。

完済する年齢から、上限のほうが先に決まる

期間は、好きなだけ延ばせるわけではありません。

多くの住宅ローンには、完済時の年齢に上限が設けられています。80歳未満という設定が多く、申し込みの時点の年齢から逆算すると、借りられる年数の上限が決まりました。

40代の後半、たとえば45歳で申し込むなら、35年で組むと完済は80歳です。

年齢の条件に触れます。

ここで期間が30年に縮むと、毎月の額は自動的に上がります。金利や仕様の話をする前に、この上限で選択肢が減っていることがありました。

だから、年齢から先に確かめます。

そして、上限まで借りられたとしても、定年後にどれだけ残るかは別の問題です。60歳で定年、65歳まで再雇用という形なら、65歳以降の返済は年金から出すことになります。

定年後に残る回数を数えておくと、退職金を当て込んだ計画かどうかが分かります。

回数で数えると、はっきりします。

45歳で35年なら、65歳の時点で残り180回。60代に入ってから何年ぶん残るのかが、回数で見えます。

短く組むと、家計の逃げ場が無くなる

短い期間で組むことには、はっきりした弱点があります。

毎月の額を、あとから下げられないことです。

25年で組んで毎月10万円にした場合、収入が減ってもその10万円は毎月来ます。条件の変更を申し出ることはできますが、審査が要りますし、必ず通るものでもありませんでした。

一方、35年で組んで毎月7万6千円にしておくと、余裕のある月に繰上返済ができます。

こちらは、自分で止められます。

この差が大きいと感じました。毎月の義務を軽くしておいて、上乗せを自分の判断で増減させる。家計の側に操作できる部分を残しておく形です。

特に、子どもの教育費が重なる時期があります。

高校と大学が重なる数年間は、家計の余白が一気に減ります。その時期に毎月の返済が固定で重いと、貯蓄を取り崩すことになりました。

重い時期を先に地図の上に置いてから、期間を決めます。

いつ重くなるかは、子どもの年齢で分かります。

長く借りて、あとから縮める組み方

実際に僕が選んだのは、この形でした。

期間は長めに取って毎月を軽くし、手元の資金が貯まったところで繰上返済をする。期間を縮める形の繰上返済なら、利息の減り方が大きくなります。

100万円を早い時期に入れると、効きます。

残高に対して利息が掛かる仕組みなので、残高が大きいうちほど効果が出るからです。同じ100万円でも、20年目に入れるのと5年目に入れるのでは、減る利息の額が違いました。

ただし、条件を先に確かめます。

繰上返済のたびに手数料がかかる金融機関と、無料の金融機関があります。インターネットからの手続きなら無料という設定も多くなりました。

35年のうちに何度か使うなら、この差も積み上がります。

「繰上返済の手数料はいくらですか?」と、契約の前に聞いておきます。

それと、住宅ローン控除との兼ね合いもあります。期間を縮めすぎて返済期間が10年を下回ると、控除の条件から外れました。

縮める前に、残りの年数を数えます。

団体信用生命保険の条件も、期間に効いてくる

もう1つ、期間と一緒に見ておく部分があります。

団体信用生命保険です。

契約した人が亡くなったときなどに、残りの返済が保険で支払われる仕組みで、多くの住宅ローンでは加入が条件になっています。健康の状態によっては加入できないこともありました。

年齢の条件も付きます。

加入できる年齢の上限があり、完済時の年齢にも上限があります。ここが、借りられる期間の上限と重なっていました。

それと、保険料の扱いが商品によって違います。

金利に含まれている形と、別に払う形。別払いなら、その額も毎月の負担に足して考えます。がんの保障などを上乗せすると、金利が0.1%から0.3%ほど上がる設定が一般的でした。

0.2%の上乗せなら、2,500万円・35年で毎月2,400円ほど。

35年で約100万円です。

上乗せの保障を付けるかどうかも、総額の欄に入れてから決めます。

保険として要るかどうかは、いま入っている生命保険との重なりでも変わりました。両方を並べて、重複している部分を削るほうが先です。

机の上の卓上カレンダーと、閉じた手帳と、ペン

変動と固定、どちらの数字で試算するか

この章のポイント
  • 変動は半年ごとに見直され返済額は5年ごとに変わる
  • 上がった場合の表を同じ紙に並べて置いておきたい
  • 全期間固定なら35年ぶんの数字が最初から動かない
  • 2つに分けて借りて真ん中に置くという組み方もある

ここからは、どの数字で試算するかの話です。

変動と固定は、どちらが得かという比べ方をすると答えが出ません。将来の金利が分からない以上、誰にも計算できないからです。

比べるのは、上がったときに耐えられるかどうかでした。

変動は、5年ごとの見直しで返済額が決まる

変動の仕組みを、先に押さえておきます。

適用される金利は半年ごとに見直されますが、毎月の返済額そのものは5年間変わらない設定が一般的です。これを5年ルールと呼びます。

金利が上がっても、5年間は同じ額。

楽に見えますが、中身は変わっています。支払額のうち利息にあたる部分が増えて、元金の減り方が遅くなるからです。同じ額を払っていても、残高が思ったほど減りません。

さらに、5年後の見直しにも上限があります。

新しい返済額は、それまでの1.25倍までという設定が一般的でした。毎月8万円なら、上がっても10万円まで。これを125%ルールと呼びます。

ここにも、続きがあります。

上限を超えた分の利息は消えるわけではなく、後ろに回ります。最後にまとめて請求される形になることもありました。

2つのルールは支払いを先送りする仕組みで、免除する仕組みではありません。

ここを理解してから選びます。

上がった場合の表を、同じ紙に並べておく

変動で試算するなら、1本では足りません。

いまの金利での表と、上がった場合の表を作ります。僕は3本作りました。いまの数字、プラス1.0%、プラス2.0%の3本です。

2,500万円・35年で見ると、こうなります。

  • 金利1.0%のまま 毎月70,571円
  • 途中で2.0%になった場合 毎月82,816円の水準へ
  • 途中で3.0%になった場合 毎月96,213円の水準へ

実際には残高と残りの期間で計算し直されるので、この額そのものにはなりません。上がる幅の感覚をつかむための目安です。

それでも、この3本があると判断が変わります。

1.0%で毎月7万円だから大丈夫、という判断が、3.0%で9万6千円になっても大丈夫か、という問いに変わるからです。後者に答えられるなら、変動で組めます。

答えられないなら、借入額のほうを下げます。

上がった場合の額で家計が回るところまで、借入額を落としておきます。

この作業をやっておくと、ニュースで金利の上昇が伝えられても慌てずに済みました。自分の表のどこに当たるかが、すぐ分かるからです。

全期間固定なら、35年ぶんの数字が動かない

もう一方の全期間固定は、考え方が単純です。

契約した金利が最後まで変わりません。毎月の額も総返済額も、最初に決まります。フラット35がこの形です。

2026年9月の最頻金利は年3.460%でした。

2,500万円・35年なら毎月102,744円、総額は約4,315万円。変動の低い数字と並べると、かなり重く見えます。

そのかわり、上振れの余地がありません。

35年の家計表を1回作れば、それが最後まで使えます。子どもの進学、車の買い替え、親の介護。先の出費を並べるときに、住居費が固定されているのは扱いやすい条件でした。

どちらを選ぶかは、性格の問題でもあります。

毎年の見直しを自分で追える人なら、変動でも困りません。追わない人が変動を選ぶと、気づいたときに残高が減っていない形になりました。

自分が半年ごとの通知を開ける人かどうかで、選ぶ側が変わります。

半分ずつ借りて、真ん中に置く組み方

3つ目の選択肢もあります。

2本に分けて借りる形です。

2,500万円のうち1,250万円を変動、1,250万円を全期間固定にすると、金利が上がったときに影響を受けるのは半分だけになります。下がったときの恩恵も半分です。

振れ幅が、半分になります。

手続きは2本ぶん必要で、事務手数料も2回かかることがあります。そのぶんの費用も総額に入れてから比べました。

扱っていない金融機関もあります。

だから、先に聞きます。

「変動と固定を組み合わせて借りられますか?」という一問です。できると答える会社もあれば、1本だけという会社もありました。

試算のページでは、2本を別々に計算して足します。

毎月の額は単純に足し算で出ますが、総返済額も2本ぶんを足さないと意味がありません。片方だけ見て軽いと判断すると、全体が見えなくなります。

同じ条件で複数の会社に資金計画を作ってもらうと、組み方の違いが並びます。

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ボーナス返済を入れるかどうか

この章のポイント
  • 毎月は1万5千円軽くなるが年間の支払いはほぼ同じ
  • 支給が止まった年に9万2千円の請求が2回来ること
  • 入れるとしても全体の2割から3割までに抑えておく
  • あとから外せる金融機関かどうかを契約の前に聞く

試算の画面には、ボーナス返済の欄があります。

ここに数字を入れると、毎月の額がすっと下がります。同じ借入額でも軽く見えるので、つい使いたくなる欄でした。

僕は、入れていません。

毎月は1万5千円軽くなるが、年間ではほぼ同じ

数字で見ます。

2,500万円・35年・金利1.5%・元利均等。このうち500万円をボーナス返済の枠に回した場合を、僕が計算しました。

毎月は61,237円になります。

そして、ボーナス月に92,073円が年2回。

全額を毎月で返す場合の76,546円と比べると、毎月は15,309円軽くなります。ところが年間で見ると、併用が約91万9千円、全額毎月が約91万9千円で、ほとんど同じでした。

総返済額も、ほぼ並びます。

約3,216万円と約3,215万円。

つまり、ボーナス返済は総額を減らす仕組みではありません。払うタイミングを年2回にまとめているだけでした。

軽くなったように見えるのは、毎月の欄だけです。

この構造を知らないまま使うと、借入額を増やす理由に使ってしまいます。毎月が軽いから、あと200万円借りられる。そう考えた瞬間に、危うい計画になりました。

支給が止まった年に、9万2千円が2回来る

問題は、ボーナスが約束されたものではないことです。

業績で変わりますし、転職すれば制度そのものが違います。年俸制の会社なら、そもそもまとまった支給がありません。

それでも、返済のほうは来ます。

さきほどの例なら、7月と12月に92,073円。ボーナスが出なかった年は、この18万4千円を毎月の家計から出すことになりました。

12月は、他の出費も重なります。

年末の支払い、冬の光熱費、帰省や年始の費用。そこに9万2千円が乗る形です。35年のうち、そういう年が一度も来ないと言い切れるかどうかでした。

35年という長さは、勤め先の制度が2回3回と変わる長さです。

だから、僕は毎月だけで組みました。

ボーナスが出たら、繰上返済に回します。義務にせず、出たときだけ使う形です。

この置き方だと、出なかった年に何も起きません。

支給があった年は、そのまま元金にぶつけます。100万円を早い時期に入れれば利息の減り方も大きくなるので、結果としては併用より前に進むこともありました。義務にしないほうが、使い道を自分で選べます。

同じお金でも、約束するかどうかで意味が変わります。

入れるなら、全体の何割までにするか

それでも使いたい場面はあります。

毎月の額がどうしても収まらないときです。その場合でも、上限を決めてから入れました。

借入額の2割から3割まで。

2,500万円なら500万円から750万円という水準です。これを超えると、ボーナスが止まったときの穴が大きくなりすぎます。

そして、止まった場合の計算も先にやります。

年2回ぶんを12で割って、毎月の額に足してみる。さきほどの例なら、61,237円に15,345円を足して76,582円。この額で家計が回るなら、入れても崩れません。

回らないなら、入れない。

ボーナスが無い前提で成立する計画かどうかを、先に確かめます。

この1回の計算で、判断がはっきりしました。

割合を決めるときは、支給の実績ではなく、下がった年の額を使います。

過去5年でいちばん少なかった年の支給額。そこを基準にすると、枠は自然に小さくなりました。平均で計算すると、平均を下回った年に穴が空きます。使うのは平均ではなく、いちばん低かった年の数字です。

この基準なら、上振れした年は繰上返済に回せます。

あとから外せるかどうかを、先に聞いておく

もう1つ、確かめておく部分があります。

途中で変更できるかどうかです。

ボーナス返済の割合を減らしたり、全額を毎月に戻したりする手続きは、多くの金融機関で用意されています。ただし、手数料がかかる場合と、審査が要る場合がありました。

条件は、会社ごとに違います。

だから、契約の前に聞きます。

「ボーナス返済は、あとから外せますか?」という聞き方です。外せる、手数料は何円、手続きは何日。この3つが分かれば十分でした。

聞いておくと、選ぶときの心理が変わります。

戻せると分かっていれば、いまの条件で組んで、変わったら直せばいいと判断できるからです。戻せないなら、最初から入れないほうを選びます。

あとから動かせる部分と動かせない部分を、契約の前に仕分けます。

期間と金利の種類も、同じように聞いておきました。

住んでからの出費も、同じ月額の欄に足す

この章のポイント
  • 固定資産税の標準税率は1.4%で新築には減額の期間がある
  • 火災保険と地震保険は数年ぶんをまとめて払う形が多い
  • 手入れのための積み立ては自分で毎月よけておく
  • 1階建ては屋根と外まわりの面積がそのまま金額になる
  • 合計すると返済額の上に1万円台が毎月乗ってくる

ここが、試算のページには出てこない部分です。

画面に出るのは、返済額だけ。ところが、家を持つと毎年出ていくお金が3種類増えます。これを足さずに「毎月9万円なら大丈夫」と決めると、実際の負担は9万円では終わりませんでした。

だから、同じ欄に足します。

固定資産税は、毎年決まった時期に出ていく

まず、税金です。

総務省の固定資産税の概要によると、標準税率は1.4%です。土地と建物の評価額に掛かり、市町村から通知が届きます。

新築の住宅には、3年間の減額措置が置かれています。

つまり、4年目から上がります。

建てた直後の数字を基準にしていると、4年目の通知で驚くことになりました。最初の3年と、4年目以降の2つの金額を聞いておきます。

1階建ては、ここで条件が変わる部分があります。

同じ延床面積でも、地面を覆う面積が2階建てより広くなるので、必要な敷地も広くなります。土地の評価額が上がれば、そのぶん税額も上がりました。建物だけを見て比べると、この差が抜け落ちます。

目安の額は、会社に聞けば出してもらえます。

「この建物と土地で、固定資産税は年いくらになりますか?」と聞きます。

正確な額は評価を受けてから決まりますが、近い水準の事例は持っています。年10万円なのか20万円なのかが分かれば、月額に直せました。

火災保険と地震保険は、まとめて払う形が多い

次が、保険です。

火災保険は、住宅ローンを借りるときに加入を求められるのが一般的でした。地震保険は火災保険とセットでしか入れない仕組みで、付けるかどうかは選べます。

支払いは、数年ぶんをまとめる形が多くなります。

毎月の口座から引かれるわけではないので、返済額と並べて考えにくい部分でした。だから、契約年数で割って月額に直します。

5年で30万円なら、月5,000円。

この数字にして、初めて返済額と足せます。

補償の範囲でも金額が変わります。水災を付けるかどうかは、敷地のハザードマップを見てから決めました。

そして、建物の構造でも変わります。

省エネや耐震の等級で割引が付くことがあるので、証明書が出るかを会社に確かめます。

書類が出るなら、保険会社に渡します。数万円ぶん変わることがありました。

手入れのための積み立ては、自分で作る

3つ目が、修繕の積み立てです。

分譲マンションなら毎月の管理費と一緒に引かれますが、一戸建ては誰も集めてくれません。自分でよけておく形になります。

月1万円から1万5千円が、僕が置いた水準です。

10年で120万円から180万円。外壁と屋根の手入れが10年から15年で来ることを考えると、このくらい要りました。

それと、設備の交換も重なります。

給湯器、エアコン、食洗機。15年前後で山が来る形で、同じ年に2つ3つ重なることもありました。ここを見込んでいないと、そのたびにローンを組むことになります。

別の口座に移します。

同じ口座に置いておくと、生活費として使ってしまうからです。給料日に自動で移る設定にしておくと、手をつけずに残りました。

積み立ての1万円は、返済額と同じ重さで家計に置きます。

1階建ては、屋根と外まわりの面積がそのまま金額になる

手入れの金額は、建物の形で変わります。

1階建ては、同じ延床面積の2階建てと比べて屋根の面積がおよそ2倍になります。30坪なら、屋根も基礎も30坪ぶん。塗り替えや葺き替えの費用は面積で決まるので、そのぶん金額が上がりました。

足場は、低いぶん安く済みます。

ただし、面積が広いので作業の日数は延びます。差し引きすると、2階建てより少し高くなるという水準でした。

外壁は、逆の動き方をします。

同じ延床面積なら、1階建てのほうが外壁の面積は小さくなることが多いです。箱の形が平たくなるからでした。屋根で上がって、外壁で下がる。合計でどうなるかは、形と仕様で決まります。

だから、建てる前に聞いておきます。

「10年後と20年後に、いくらかかる見込みですか?」という聞き方です。

屋根材と外壁材を決めるときに、次の手入れまでの年数も一緒に書面でもらいます。

この数字があると、積み立ての額を勘で決めずに済みました。建物の総額の考え方は、平屋の総額を3つの箱に分けて数える方法のほうに書いてあります。

合計すると、返済額の上に1万円台が乗る

3つを足します。

固定資産税が年15万円なら月12,500円。保険が5年で30万円なら月5,000円。修繕の積み立てが月10,000円。

合計で27,500円です。

毎月9万円の返済で組んでいたなら、実際に住居に出ていくのは117,500円になります。

この差は、無視できません。

手取りに対する割合で見ていたつもりでも、3割近くまで上がっていることがあります。だから、返済額を決める段階で先に引いておきました。

住居に回せるのが月11万円なら、返済に使えるのは8万2千円ほど。

試算のページに入れる毎月の額は、この引き算のあとの数字です。

ここを間違えると、借入額が2割ほど過大になります。2,939万円のつもりが、実際に耐えられるのは2,600万円台だった、という形でした。

先に引く。これだけで防げます。

試算で出た額と、審査で通る額は別になる

この章のポイント
  • 返済比率という物差しで貸せる上限が決められている
  • 車や教育のための借入があるとその分だけ枠が減る
  • 事前審査で出る数字は上限であって目標ではないこと
  • 諸費用まで借りられるかで用意する現金の額が変わる

最後の章です。

ここまで作った表は、自分が払える額を出すためのものでした。ところが、金融機関が貸せると判断する額は、別の物差しで決まります。

2つの数字は、一致しません。

返済比率という物差しで、上限が決められている

金融機関が見ているのは、年収に対する年間返済額の割合です。

返済比率と呼ばれます。年収400万円未満なら30%まで、400万円以上なら35%までという設定が一般的でした。

年収500万円で35%なら、年間175万円。

月に直すと約145,800円です。

僕が置いた毎月9万円と比べると、5万5千円も上があります。つまり、貸せる額のほうがかなり大きく出ました。

ここに落とし穴があります。

この比率は額面の年収で計算されます。手取りではありません。年収500万円の手取りが約390万円だとすると、手取りに対する割合は45%近くになりました。

審査の上限で借りると、手取りの4割以上が住居費になります。

そこに、固定資産税と保険と積み立てが乗ります。

回りません。

それと、この比率は審査に使う金利でも動きます。

実際に適用される金利ではなく、審査用に高めに置いた金利で年間返済額を計算する金融機関があるからです。変動の低い数字で借りるつもりでも、審査では3%台や4%台で見られることがありました。

だから、出てくる上限が思ったより小さいことがあります。

審査でいくらの金利を使っているかは、聞けば教えてもらえます。

車や教育のための借入があると、その分だけ枠が減る

返済比率には、住宅以外の返済も含まれます。

自動車のローン、教育ローン、カードの分割払い。これらの年間返済額が先に引かれて、残った枠で住宅ローンの額が決まりました。

月2万円の自動車ローンがあるとします。

年24万円です。

年収500万円・35%の枠が175万円なら、住宅に使えるのは151万円。月に直すと約125,800円で、2万円ぶん枠が減った形になります。借入額でいうと、金利1.5%・35年で約650万円ぶんでした。

月2万円が、650万円です。

この効き方を知らないと、なぜ希望額まで届かないのかが分かりません。

だから、申し込みの前に整理します。

残り少ない借入は、先に返しておくと枠が戻ります。

使っていないカードの枠も見られることがあります。何枚も持っているなら、解約しておくほうが話が早くなりました。

事前審査の数字は、上限であって目標ではない

事前審査を受けると、いくらまで貸せるかが出ます。

この数字を見て、家の予算を決めてしまう人がいます。3,500万円と出たから、3,500万円の家を建てる。順番としては、これが逆でした。

出てくるのは、上限です。

その額まで借りても金融機関は困りませんが、返すのは自分です。上限と目標は、別の数字として扱います。

僕がやったのは、2つを並べることでした。

自分の表から出た額と、審査で出た額。この2つを紙に書いて、低いほうを採ります。多くの場合、自分の表のほうが低く出ました。

その差が、そのまま家計の余白になります。

借りられる額と借りる額をそろえないことが、途中で止まらない条件でした。

審査の数字は、交渉のときにも使えます。上限が分かっていれば、無理な提案かどうかをその場で判断できるからです。

諸費用まで借りられるかで、用意する現金が変わる

もう1つ、忘れやすい部分があります。

諸費用の扱いです。

登記の費用、事務手数料、保証料、印紙代、火災保険の初回。これらを合わせると、借入額の1割前後になることがありました。2,500万円なら250万円前後です。

これを借入に含められるかどうかで、必要な現金が変わります。

含められる金融機関もあれば、自己資金で用意するよう求める金融機関もありました。含められても、そのぶん借入額が増えるので毎月の返済は上がります。

試算のページでは、ここを分けて入れます。

建物と土地の代金で1本、諸費用で1本。合計して初めて、毎月の額が出ました。諸費用を入れ忘れた試算は、実際より2割ほど軽く出ます。

だから、最後にもう一度足します。

試算の紙に、諸費用の行があるかどうかを確かめます。

行が無いなら、その試算はまだ途中でした。

まとめ:毎月の額を決めてから、期間と金利を動かす

平屋の返済シミュレーションは、借入額を入れる道具ではありませんでした。毎月払える額を先に置いて、金利と期間を入れ替えながら、借りられる額を並べていく道具です。順番を変えるだけで、出てくる数字の意味が変わります。僕が最初に何度もやり直したのは、この順番が逆だったからでした。

数字で見ると、はっきりします。毎月9万円・35年・元利均等・ボーナス返済なしという前提で、金利0.5%なら約3,467万円、1.5%なら約2,939万円、2026年9月のフラット35の最頻金利である3.460%なら約2,190万円。同じ9万円でも、1,277万円ひらきました。そして、この表に固定資産税と保険と修繕の積み立てを足すと、毎月の住居費は返済額の上に2万円台が乗ります。試算のページには出てこない数字ですが、毎月出ていくことに変わりはありません。

まずは、毎月いくらまでなら30年後も払い続けられるかを1つ決めてみてください。そこから先は、条件を入れ替えるだけの作業になります。

この記事のまとめ
  • 毎月払える額を固定して借入額を逆に出す
  • 前提は方式と金利と期間の3行で必ず残す
  • 金利0.5%の差が借入額で500万円を超える
  • 毎月の額と総返済額は必ず2列で並べる
  • 35年と25年は毎月2万3千円と総額215万円
  • 変動なら上がった場合の表を3本作っておく
  • ボーナス返済は総額を減らす仕組みではない
  • 固定資産税と保険と積み立てを月額に足す
  • 審査で出る額は上限であって目標ではない

一社だけで決めなくて大丈夫です。複数社の資金計画書を取り寄せて、同じ前提で並べれば比べられます。

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