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平屋を年収600万で建てる|選べる幅が広いときの決め方

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ノブです。築20年台の戸建てに住んでいます。

終の住処を1階建てにするか、2年かけて調べました。その途中で、同じくらいの収入で検討している方の話を聞く機会が何度もありました。

この帯でよく出てくるのは、足りないという悩みではありませんでした。むしろ、どこまで上げるかで迷うという悩みです。

数字の話をします。住宅金融支援機構の2025年度フラット35利用者調査では、注文住宅の平均所要資金が4,262万円、土地付注文住宅が5,313万円でした。前年度より上がっています。

建設物価調査会の建築費指数でも、2026年3月時点の木造住宅は前年同月比でプラス5.9%でした。同じ広さでも、去年より必要な金額が動いています。

選べる幅が広いということは、判断の材料も多く要るということです。この記事は、その材料の並べ方の話です。

相談に乗った方の1人は、断熱の等級を上げるかどうかで3か月迷っていました。差額は120万円。上げれば毎月の光熱費は下がりますが、その回収に何年かかるのかが分からなかったんです。

表を1枚作ってもらったら、30分で決まりました。迷っていた3か月は、計算していなかっただけの時間でした。

この記事のポイント
  • この帯では足りないより上げすぎに気をつける
  • 性能を上げた分は毎月の支出で戻ってくる
  • 敷地の条件を1つ緩めると選べる幅が広がる
  • 期間は完済する年齢から逆算して決める
  • 30年の支出を1枚の表に並べると判断が早い

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この記事の数字は、あなたの家族の人数と予算に当てはめたときに、はじめて自分のものになります。

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平屋を年収600万で建てるときの選択の幅

この章のポイント
  • この帯では選べる会社の帯が2つにまたがってくる
  • 上限まで借りると身動きが取りにくくなってしまう
  • 手取りに直してから割合で置くと現実に近づく
  • 紙1枚に数字を並べるところから準備を始める

この帯の収入だと、選べる範囲がかなり広がります。金額を抑えた会社も、中間の帯の会社も、条件によっては上の帯の会社も候補に入ります。

ところが、範囲が広いことは必ずしも楽ではありません。相談に乗った方は、5社を回って半年迷っていました。どれも良く見えて、決め手がなかったんです。

広い範囲から選ぶには、基準が要ります。この章では、その基準の作り方を書きます。

この帯では選べる会社の帯が、2つにまたがってくる

坪あたりの金額には、大きく3つの帯があります。金額を抑えた帯、中間の帯、上の帯です。

金額を抑えた帯は、坪50万円台から60万円台。用意された図面から選ぶ形が中心になります。

中間の帯は、坪70万円台から80万円台あたり。ある程度の自由設計に対応しながら、金額も抑えている形です。

上の帯は、坪90万円を超えます。保証の期間が長く、仕様の水準も高く設定されています。

この帯の収入では、中間の帯が中心になり、条件によっては上の帯にも手が届きます。

だから、比べる相手が2つの帯にまたがります。

ここで気をつけたいのが、帯をまたいで比べても判断できないということです。

含まれているものが違いすぎるからです。

だから、まず自分がどちらの帯で進めるかを決めます。決めてから、その帯の中で3社を選びます。

相談に乗った方は、5社のうち2社が上の帯、3社が中間の帯でした。

この5社を並べていたので、決められなかったわけです。

帯を1つに絞ったら、3週間で決まりました。

上限まで借りると、身動きが取りにくくなってしまう

金融機関が示す上限は、年収に対する返済の割合で機械的に決まります。教育にいくらかけるか、車を何台持つか、そういった事情は入っていません。

この帯の収入だと、上限がそれなりに大きく出ます。だから、そのまま使いたくなります。

ところが、上限まで借りると余白がなくなります。

余白がないと、想定外の出費に対応できません。子どもの進路が変わったとき、親の介護が始まったとき。

だから、上限の8割程度で組むことを勧めています。

2割の余白が、その後の35年を支えます。

相談に乗った方の場合、上限が4,200万円でした。8割なら3,360万円です。

この差の840万円は、たしかに大きいです。仕様も敷地の条件も変わります。

ただ、840万円ぶんの余白があると、判断に迷いが出たときに引き返せます。

結果として、その方は3,400万円で組みました。

今のところ、無理なく続いているそうです。

手取りに直してから割合で置くと、現実に近づく

年収の額面と、実際に振り込まれる額は違います。税と社会保険料が引かれるので、手取りは額面の7割から8割になります。

額面で2割でも、手取りで見ると2割5分を超えていることがあります。

手取りの2割前後が、無理のない目安としてよく語られる水準です。

この帯の収入なら、手取りは月30万円台の後半という水準になります。その2割で7万円台です。

今の家賃と比べるときは、管理費や駐車場代も足して比べます。

持ち家になると、毎年の税と手入れの積み立てが加わるからです。

この3つを月に直すと、2万円から3万円になります。

だから、返済7万円なら住居にかかるお金は月9万円から10万円です。

相談に乗った方は、ここを見落としていました。

3つを足した数字を見せたら、返済を6万5千円まで下げる判断をしました。

先に引いておけば、あとで苦しくなりません。

紙1枚に数字を並べるところから、準備を始める

準備は、紙1枚で足ります。書くのは4つの数字だけです。

今の家賃と管理費の合計、毎月払える上限、手元に残しておきたい現金、今ある貯蓄。

手元に残す現金は、生活費の半年分を目安にします。月の支出が35万円なら210万円です。

これは家を建てるかどうかに関係なく、持っておきたい額です。

貯蓄からこの残す分を引いた額が、自己資金として使える金額になります。

4つの数字が並んだら、そこから総額の枠が出ます。この計算に10分もかかりません。

紙は、家族と一緒に作ります。1人で作って見せると、賛成か反対かの話になります。

一緒に作れば、決めるのも2人になります。

2人で決めた数字なら、あとで揺れません。

この帯の収入では、選べる幅が広いぶん揺れやすくなります。

だからこそ、書いた数字が効いてきます。

冷蔵庫に貼っておくと、家族全員が毎日目にします。

仕様をどこまで上げるかの判断が出てくる

この章のポイント
  • あとから触れない部分から先に決めていくのが基本
  • 上げる項目を3つまでに絞ると判断が早くなる
  • 差額と戻りを並べてから決めると迷いが消える
  • 展示場の仕様は上位のものが入っていることが多い
  • 提案されたものを全部入れると枠を超えてしまう

この帯の収入でいちばん時間を使うのが、この判断でした。足りないから削るのではなく、余裕があるから上げるかどうかで迷います。

相談に乗った方は、断熱、窓、外壁、キッチン、床材、玄関の扉。この6つで迷っていました。全部を上げると枠を超えます。

だから、絞る作業が必要でした。この章では、その絞り方を書きます。

あとから触れない部分から、先に決めていくのが基本

建物には、あとから触れる部分と触れない部分があります。

触れないのは、構造材、断熱材、配管、配線、防水。全部が仕上げの内側に入ります。

これらを替えるには、まず壁や床を壊す必要があります。壊して、直して、また仕上げる。

だから、材料費より工事費のほうが高くなります。建てるときなら、材料の差額だけで済みます。

実家の断熱を後から入れる工事の見積もりを取ったら、200万円を超えました。建てるときなら30万円ほどだったはずの差です。

あとから足せるのは、照明、カーテン、エアコン、収納の棚、外構、物干し。

これらは住み始めてから少しずつ足せます。

だから、上げるならまず触れない部分から上げます。

相談に乗った方の6つのうち、触れないのは断熱と窓と外壁の3つでした。

キッチンと床材と玄関の扉は、あとから替えられます。

この線引きをした時点で、迷う項目が半分になりました。

紙を左右に分けて書くだけの作業です。

上げる項目を3つまでに絞ると、判断が早くなる

全部を上げようとすると、金額が止まらなくなります。

だから、上げる項目を3つまでと決めます。数を決めると、どれが本当に大事かを考えるようになります。

3つを選ぶときの基準は、毎日触れるかどうかと、あとから替えられるかどうかです。

毎日触れて、あとから替えられないもの。ここがいちばん優先されます。

断熱と窓は、この条件に当てはまります。毎日体感しますし、あとからは替えにくい部分です。

逆に、玄関の扉は毎日触れますが、あとから替えることもできます。

この2つの軸で並べると、順位がつきます。

相談に乗った方は、断熱、窓、外壁の3つに絞りました。

キッチンは、あとから入れ替えるという判断にしました。

10年後に入れ替えるつもりで、そのぶんを積み立てる形です。

この考え方だと、今の枠に収まります。

絞る作業は、優先順位を考える作業でもありました。

差額と戻りを並べてから決めると、迷いが消える

上げるかどうかは、感覚では決められません。数字で並べます。

並べるのは3つです。上げるための差額、毎月戻ってくる額、そして受け取れる支援の差。

断熱を上げる場合、差額が120万円だとします。

毎月の光熱費が3千円下がるなら、年に3万6千円です。

30年で108万円になります。

そこに、制度で受け取れる額の差を足します。等級が上がれば、その分だけ増えます。

この3つを足すと、120万円の差額を上回ることがあります。

相談に乗った方の場合、30年で146万円という計算になりました。

差額の120万円を26万円上回ります。

ここまで計算したら、3か月の迷いが30分で消えました。

表を作るのは、表計算ソフトで30分です。

迷っていた時間のほうが、ずっと長かったわけです。

この計算は、上げるかどうか迷う項目ごとにやります。

窓なら窓、外壁なら外壁。それぞれで差額と戻りを出します。

3つぶんやっても、1時間半で終わりました。

展示場の仕様は、上位のものが入っていることが多い

展示場の建物は、宣伝のために作られています。だから、仕様は上位のものが入っていることがほとんどです。

広さも、実際に建てる家より大きく作ってあります。天井も高く、廊下も広く取ってあります。

だから、展示場を見て「この感じで」と言うと、金額が跳ね上がります。

まず「この建物は何坪ですか?」と聞きます。

答えを聞いて、自分の予定の坪数と比べると、見え方が補正されます。

それから「この中で、標準ではない部分はどこですか?」とも聞きます。

答えを聞くと、標準の姿が想像できるようになります。

相談に乗った方は、この質問をせずに5社を回っていました。

だから、どこも良く見えたわけです。

質問してから回り直したら、印象がかなり変わったそうです。

同じ建物でも、標準かどうかで意味が違います。

展示場は、仕様の上限を知る場所として使うのがちょうどいいです。

提案されたものを全部入れると、枠を超えてしまう

担当の方は、良いものを提案してくれます。それは仕事として当然のことです。

ただ、提案されたものを全部入れると、枠を超えます。

だから、枠を先に伝えておきます。「この金額の中で提案してください」と言うだけです。

枠を伝えると、その中での提案が出てきます。

伝えないと、良いものを並べた提案が出てきます。

相談に乗った方は、枠を伝えていませんでした。だから、最初の提案が枠を600万円超えていました。

そこから削る作業になって、時間がかかりました。

枠を伝えてから作ってもらえば、その手間はありません。

枠を伝えたくない気持ちは分かります。

ただ、伝えないと合わない提案が届くだけなんですよね。

この帯の収入では、枠を伝えることが特に効きました。

性能を上げた分は毎月の支出で戻ってくる

この章のポイント
  • 1階建ては外に接する面が広く体感に出やすい
  • 数値で比べられるので会社どうしを並べやすい
  • 使える制度は性能の等級で金額が変わってくる
  • 毎年の税でも認定の有無が効いてくることがある

性能を上げると金額が上がります。ただ、その分は住み始めてから戻ってきます。

実家を整理したとき、父の家計簿が出てきました。毎月の光熱費が、僕の家の1.4倍でした。同じ地域で家族の人数もほぼ同じです。違ったのは建物の性能だけでした。

その差が30年続いたら、いくらになるのか。計算してみて、数字の大きさに驚きました。この章では、その戻り方を整理します。

1階建ては外に接する面が広く、体感に出やすい

延床30坪の2階建てなら、屋根も基礎も15坪ぶんです。ところが1階建ては、屋根も基礎も30坪ぶんになります。

つまり、外に接する面が広いということです。

だから、断熱の仕様が体感にはっきり出ます。屋根が弱いと夏の室温が上がりますし、床が弱いと冬に足元が冷えます。

逆に、しっかり入っていればエアコン1台で家全体が保てることもあります。

1階建ては仕切りが少ない間取りにしやすいので、空気が回りやすい形です。

この形の良さは、断熱が効いてはじめて出てきます。

僕が見学した家では、20畳のLDKと寝室をエアコン1台でまかなっていました。

住んでいる方に年間の電気代を聞いたら、想像より安くて驚きました。

この帯の収入なら、ここに回す余裕があります。

だから、断熱と窓には優先して回します。

2階建てより効果が大きい形なので、投資として理にかなっています。

体感の差も、住み始めた日から感じられます。

数値で比べられるので、会社どうしを並べやすい

性能は、数値で表せます。だから、会社どうしを比べやすい項目です。

展示場で「この仕様の数値はいくつですか?」と聞けば、答えが返ってきます。

数字が出てこない場合は、標準仕様が固まっていない可能性があります。そこも情報です。

僕は3社に同じ質問をして、0.46、0.55、0.87という答えをもらいました。

並べて初めて、幅が見えました。

1社ずつ聞いていたら、この比較はできませんでした。

数値が良いほど、毎月の支出は下がります。

ただし、良くするための費用も上がります。

だから、数値と金額をセットで比べます。

相談に乗った方は、この表を作って中間の会社を選びました。

いちばん数値の良い会社は、金額が枠を超えていたからです。

数値だけを追うと、枠を忘れます。

数値の意味が分からない場合は、その場で聞きます。

「この数字が良いと、暮らしはどう変わりますか?」と聞けば説明してくれます。

数字と体感を結び付けて説明できる方は、経験が厚いです。

使える制度は、性能の等級で金額が変わってくる

2026年度は、みらいエコ住宅2026事業が動いています。国土交通省、経済産業省、環境省の3省が連携する住宅省エネ2026キャンペーンの一部です。

建物の性能によって、1戸あたりの金額が3段階に分かれています。

詳しくはみらいエコ住宅2026事業の公式サイトで確認できます。

この帯の収入なら、上の等級も現実的な選択肢になります。

ただし、等級を上げるための工事費も増えます。だから、差額どうしを並べて比べます。

工事費の増加と受け取る額の増加、そこに光熱費の差を足します。

この3つを足すと、判断が変わることがあります。

対象になるのは、2025年11月28日以降に基礎工事に着手したものとされています。

予算に上限があるので、枠が埋まれば条件を満たしていても受け取れません。

だから、早く動くほど有利になります。

公式ページには申請額の割合が出ているので、月に1回だけ見ておけばペースが読めます。

毎年の税でも、認定の有無が効いてくることがある

性能を上げて認定を受けると、毎年の税にも効いてきます。

新築から一定期間は税額を減らす仕組みがあり、認定を受けているとその期間が延びる扱いになります。

だから、性能を上げる判断は3方向に効きます。受け取る額、毎月の光熱費、毎年の税。

この3つを全部足してから、上げるかどうかを決めます。

市の税務課に電話すれば、自分の場合の目安を計算してもらえます。

建てる場所と建物の規模を伝えるだけで、その場で出してくれます。

相談に乗った方が聞いたときは、認定の有無で年に3万円ほどの差でした。

その期間が5年延びるなら、15万円の差になります。

大きな金額ではありませんが、判断の材料としては足せます。

3方向を全部足すと、上げる判断がしやすくなりました。

1方向だけ見ていると、たいてい上げないほうが有利に見えます。

性能を上げた場合の工事費は、複数社に同じ条件で出してもらうと幅が見えます。

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敷地の条件を1つ緩めると幅が広がる

この章のポイント
  • 全部の条件を満たす区画はほとんど出てこない
  • 譲れない条件を2つまでに絞ると候補が増える
  • 1階建ては広い区画が必要なので数が限られる
  • 駅からの距離を5分緩めるだけで価格が動く

敷地から探す場合、条件の絞り方で結果が変わります。この帯の収入なら、条件を1つ緩めるだけでかなり幅が広がります。

相談に乗った方は、5つの条件を全部満たす区画を探して1年半かかりました。条件を1つ緩めたら、3か月で見つかりました。

1年3か月の差です。この章では、その緩め方を書きます。

全部の条件を満たす区画は、ほとんど出てこない

希望の条件は、たいてい5つくらいになります。広さ、価格、駅からの距離、日当たり、建ぺい率。

この5つを全部満たす区画は、そう多くありません。

1階建てを建てるなら、広さの条件が厳しくなります。60坪以上という条件を付けた時点で、候補はかなり減ります。

そこに駅から徒歩10分という条件を足すと、さらに減ります。

相談に乗った方の地域では、5つ全部を満たす区画が年に2件か3件しか出ませんでした。

その2件か3件を待つと、当然ながら時間がかかります。

しかも、良い区画は情報が出てから1週間で決まることもあります。

だから、待っている間に決まってしまうことも起きます。

1年半で3回、それを経験したそうです。

待つ期間の家賃も積み上がります。月8万円なら、1年半で144万円です。

この144万円は、建物の仕様をひとつ上げられる金額です。

だから、探す期間も計画の一部として考えます。

譲れない条件を2つまでに絞ると、候補が増える

5つの条件に、優先順位を付けます。

絶対に譲れないものを2つまでに絞って、あとは幅を持たせます。

1階建てなら、広さと建ぺい率は譲れません。この2つが合わないと、そもそも建てられないからです。

残りの3つは、幅を持たせられます。

価格は、上限を少し上げるか下げるかで調整できます。

駅からの距離は、5分から10分の幅で動かせます。

日当たりは、建物の配置で工夫できることもあります。

相談に乗った方は、駅からの距離を10分から15分に緩めました。

それだけで、候補が3件から12件に増えました。

選べる数が増えると、価格の比較もできるようになります。

3件しかないと、その中から選ぶしかありません。

条件を1つ緩めるだけで、選ぶ立場に戻れました。

緩める条件は、あとから取り返せるものを選びます。

駅からの距離は、車や自転車で埋められる部分もあります。

逆に、広さと建ぺい率はあとから変えられません。だから、ここは譲りませんでした。

1階建ては広い区画が必要なので、数が限られる

延床30坪を1階に置くと、地面を30坪覆います。そこに玄関のポーチや軒の出も加わります。

さらに、駐車場と庭と隣地との距離が必要です。

だから、敷地は60坪から80坪あるとゆとりが出ます。

2階建てなら、40坪台の敷地でも同じ延床が置けます。

ところが、開発された分譲地では40坪台に区切られていることが多くなります。

だから、60坪を超える区画は数が限られます。

探す範囲を広げるか、2区画を合わせて買うかという選択になります。

不動産会社に「隣も一緒に買えますか?」と聞くと、対応してくれることがあります。

相談に乗った方は、この方法で条件に合う敷地を見つけました。

2区画を合わせて78坪でした。

1区画ずつだと足りませんでしたが、合わせれば足りたわけです。

聞いてみないと、この選択肢は出てきませんでした。

駅からの距離を5分緩めるだけで、価格が動く

敷地の価格は、駅からの距離で大きく変わります。

徒歩10分と徒歩15分では、坪単価が2割から3割違うこともあります。

70坪で坪単価が5万円下がれば、350万円の差になります。

350万円あれば、建物の仕様をかなり上げられます。

だから、5分の差をどう評価するかという話になります。

毎日通うなら、往復で10分の差です。年間で40時間ほどになります。

在宅で働く日が多いなら、この差は小さくなります。

だから、働き方も含めて考えます。

相談に乗った方は、週に2日は在宅でした。

だから、5分の差より350万円を取る判断になりました。

この判断も、数字にしてから決めました。

感覚で決めると、たいてい距離を優先してしまいます。

借入の期間は完済する年齢から決める

この章のポイント
  • 期間を延ばすと毎月は軽くなるが総額は増える
  • 定年後も払い続ける形になるかを先に確かめる
  • 固定と変動を組み合わせる形も選べることがある
  • 上がった場合の表も作っておくと落ち着ける

期間の決め方には、2つの軸があります。毎月いくらにするかと、いつ払い終わるかの2つです。

この帯の収入では、毎月の額に少し余裕があります。だから、年齢のほうから決める余地が生まれます。

相談に乗った方は、42歳で35年組もうとしていました。完済は77歳です。この章では、その見直し方を書きます。

期間を延ばすと毎月は軽くなるが、総額は増える

返済の期間は、選べることが多いです。25年、30年、35年。長いほど毎月は軽くなります。

ただ、そのぶん利息の総額は増えます。同じ額を借りても、期間が10年違えば総額はかなり変わります。

だから、両方を表に出して比べます。毎月の額と、払い終わるまでの総額。この2つです。

相談に乗った方が3つの期間で表を作ったところ、25年と35年で総額が400万円以上違いました。

ただ、毎月の額は3万円ほど違います。

毎月3万円の差は、家計にはっきり効きます。

だから、単純に短くすればいいという話でもありません。

この帯の収入なら、30年を選んで余裕が出た年に繰り上げるという形が現実的でした。

最初から短くすると、苦しくなったときに戻せません。

長めに取っておけば、早く返す選択は残ります。

繰り上げの条件も、先に確かめておきます。

定年後も払い続ける形になるかを、先に確かめる

今42歳で35年組むと、完済は77歳になります。

定年後も払い続ける形です。年金だけで払えるかどうかを、先に考えておきます。

払えないなら、退職までに繰り上げる計画が要ります。

その原資をどこから出すのかも、あわせて考えます。

この帯の収入なら、毎年少しずつ繰り上げる余地があります。

年に20万円でも、20年で400万円になります。

相談に乗った方は、65歳完済を目標にしました。

そこから逆算して、期間を30年にして繰り上げの計画を組みました。

できない年があってもいいように、義務にはしていません。

義務にすると、できなかったときに苦しくなります。

目標として持っておくくらいが、続けやすい形でした。

年に1回、家計を見直すタイミングで確かめます。

退職金を当てにする計画は、慎重に考えます。

金額が読めませんし、他に使う予定が出ることもあります。

当てにしない前提で組んでおいて、あれば繰り上げに回す。この順番が安全でした。

固定と変動を組み合わせる形も、選べることがある

金利には、固定と変動があります。

固定は、期間中ずっと変わりません。そのかわり、最初の金利は高めです。

変動は、最初の金利が低めです。そのかわり、上がる可能性があります。

この2つを組み合わせる形もあります。半分ずつにすれば、上がったときの影響も半分になります。

扱っていない金融機関もあるので、相談のときに聞いておきます。

相談に乗った方は、この形を選びました。

全部を固定にすると毎月が重くなり、全部を変動にすると不安が残る。その真ん中を取ったわけです。

選択肢として知っておくと、判断の幅が広がります。

金融機関は1行だけで決めないほうがいいです。

同じ条件でも、金利も手数料も行によって違います。

3行に当たると、条件の幅が見えます。

金利の差は0.3%でも、30年で見ると数百万円になります。

上がった場合の表も、作っておくと落ち着ける

変動を選ぶ場合、上がったときの表を作っておきます。

今の水準、プラス1%、プラス2%。この3つです。

1%上がると、3,400万円の借入で年に34万円ほど増える計算です。月に直すと2万8千円になります。

プラス2%でも成り立つなら、安心して選べます。

成り立たないなら、借入額を減らすか固定の比率を上げます。

相談に乗った方は、この計算をして半分を固定にしました。

厳しいほうの数字を見ておくと、判断が保守的になります。

30年の話なので、保守的なくらいでちょうどよかったです。

それに、表を作っておくと上がったときに慌てません。

想定の範囲だと分かっていれば、落ち着いて対応できます。

想定していないと、数字を見て動揺します。

表は、そのための備えでもありました。

繰り上げて返す計画は年に1回だけ考える

この章のポイント
  • 毎月考えていると気持ちのほうが疲れてしまう
  • 手元の現金を先に確かめてから余った分を回す
  • 期間を縮める形と月額を下げる形の2つがある
  • 教育の山が終わってからのほうが動きやすい

この帯の収入なら、余裕が出る年があります。その余裕をどう使うかで、35年の結果が変わります。

ただ、毎月考えていると疲れます。年に1回、決まった時期に見るくらいがちょうどよかったです。

相談に乗った方は、毎年1月に見直すことにしました。この章では、その続け方を書きます。

毎月考えていると、気持ちが疲れてしまう

繰り上げは、少しでも早く返したいという気持ちから来ます。その気持ち自体は自然です。

ただ、毎月残高を見て計算していると、それだけで疲れます。

しかも、月ごとの判断だと金額が小さくなります。手数料がかかる場合、効率も悪くなります。

だから、年に1回にまとめます。

見直しのタイミングは、年末か確定申告の時期に合わせると忘れません。

そのときに、1年間で貯まった額を確かめます。

そこから必要な分を引いて、残りを繰り上げに回すかどうかを決めます。

相談に乗った方は、毎年1月の連休に見直すことにしました。

1時間だけ表を開く。それだけの習慣です。

続けていれば、変化にも気づけます。

収入が変わった、支出が増えた、金利が動いた。

年に1回でも、見ていれば分かります。

見直す日は、カレンダーに入れておきます。

予定に入っていないと、たいてい忘れます。

毎年同じ日にしておくと、習慣になりました。

手元の現金を先に確かめてから、余った分を回す

繰り上げに回す前に、手元の現金を確かめます。

生活費の半年分と、これから使う予定の分。この2つを先に確保します。

予定の分というのは、車の買い替え、教育、手入れの積み立てです。

これらを引いて、残った分だけを繰り上げに回します。

全部を回してしまうと、何かあったときに動けなくなります。

繰り上げたお金は、戻ってきません。

だから、慎重に判断します。

相談に乗った方は、年に30万円を上限にしていました。

それ以上余っても、手元に残す判断です。

30万円でも、20年続ければ600万円になります。

期間にすると、数年短くなる計算です。

無理のない範囲で続けるほうが、結果的に長く続きました。

繰り上げの手数料も、先に確かめておきます。

1回いくらかかるのか、無料の回数はあるのかを確かめます。

手数料が高いなら、回数を減らして1回の金額を大きくします。

条件によって、続け方が変わってきます。

期間を縮める形と、月額を下げる形の2つがある

繰り上げには、2つの形があります。

期間を縮める形と、毎月の額を下げる形です。

期間を縮める形は、利息の減り方が大きくなります。早く終わるからです。

毎月の額を下げる形は、家計が楽になります。ただ、期間は変わりません。

どちらを選ぶかは、その時点の状況で決めます。

家計に余裕があるなら、期間を縮める形が有利です。

家計が苦しいなら、毎月の額を下げる形が助かります。

相談に乗った方は、教育の山が来るまでは期間を縮める形にしました。

山が来たら、毎月の額を下げる形に切り替える予定だそうです。

状況に合わせて選べるということも、知っておくと安心です。

金融機関に「どちらの形も選べますか?」と聞いておきます。

選べない場合もあるので、契約の前に確かめます。

それから、繰り上げできる金額の下限が決まっていることもあります。

1万円からできる先もあれば、100万円からという先もあります。

この条件も、金融機関を選ぶときの材料になりました。

教育の山が終わってからのほうが、動きやすい

繰り上げは、いつやってもいいわけではありません。

教育の山が来る時期は、そちらを優先します。

子どもの進学は、待ってくれないからです。

だから、山の位置を先に見ておきます。横に年、縦に支出を書いた表を作ると分かります。

山の前は、繰り上げより積み立てを優先します。

山を越えてから、繰り上げを再開します。

相談に乗った方の場合、8年後と11年後に山がありました。

だから、最初の8年は積み立てを優先する計画にしました。

12年目以降に、繰り上げを本格的に始める形です。

この順番なら、どちらも無理なく進みます。

順番を決めておくと、毎年の判断が早くなります。

30年の支出を1枚に並べる

この章のポイント
  • 建てるときの金額だけでは判断の材料が足りない
  • 光熱費と手入れと税を同じ1枚の表に並べておく
  • 設備の交換は同じ時期に重なって山ができる
  • 1枚あれば以降の判断がすべて早くなってくる

この帯の収入でいちばん役に立ったのが、この表でした。選べる幅が広いぶん、比べる材料が要るからです。

相談に乗った方は、この表を作るのに2時間かかりました。ところが、その2時間で3か月分の迷いが消えました。

作ってしまえば、以降の判断は全部この表の上でできます。この章では、その作り方を書きます。

建てるときの金額だけでは、判断の材料が足りない

建てるときに120万円高かった家が、30年後には安くなっていることがあります。

断熱を上げると、毎月の光熱費が下がるからです。

年に3万6千円違えば、30年で108万円です。

そこに、制度で受け取れる額と、毎年の税の差を足します。

この3つを足すと、120万円の差額を上回ることがあります。

建てるときの数字だけを見ていると、この逆転が見えません。

だから、30年で並べます。

並べる項目は5つです。建てるときの金額、毎月の光熱費、手入れの費用、毎年の税、受け取れる支援。

この5つを30年ぶん並べるだけです。

表計算ソフトで作れば、数字を入れ替えて比べられます。

仕様を上げた場合と、そのままの場合。2列作って並べます。

作るのに2時間かかりましたが、その2時間で迷いが消えました。

光熱費と手入れと税を、同じ表に並べておく

光熱費は、性能によって変わります。数値が良いほど下がります。

会社に「この仕様だと年間の光熱費はいくらになりますか?」と聞けば、試算してもらえます。

ただし、前提の数字も一緒に聞きます。電気の単価をいくらで計算しているかで、結果が変わるからです。

手入れの費用は、10年から15年ごとに発生します。外壁と屋根です。

素材のグレードを上げると、この周期が延びます。

周期が15年から25年に延びれば、30年で1回ぶん減ります。1回100万円なら、100万円の差です。

毎年の税は、市の税務課に電話すれば目安を出してもらえます。

建てる場所と建物の規模を伝えるだけです。

この3つを表に入れると、30年の全体が見えます。

1階建ては外壁の面積が小さめで屋根が広いという特徴があります。

だから、屋根の素材の判断が特に効いてきました。

設備の交換は、同じ時期に重なって山ができる

給湯器、エアコン、換気扇、食洗機、インターホン。これらは10年から15年で交換の時期が来ます。

しかも、全部が同じ時期に来ます。同じ日に設置したからです。

だから、10年目から15年目にかけて支出が集中します。

ここを想定していないと、その時期に苦しくなります。

年ごとの支出を並べた表を作って、山がどこに来るかを見ます。

僕が作ったときは、12年目と13年目に大きな山がありました。

その山に向けて積み立てる計画にしました。

山が見えていれば、備えられます。見えていないと、その年に慌てます。

山を平らにする方法もあります。交換の時期を1年ずつずらして進めるやり方です。

全部を同時に替えなければ、負担は分散されます。

この帯の収入なら、山が来ても対応できる余地があります。

ただ、知っているかどうかで気持ちの余裕が変わりました。

1枚あれば、以降の判断がすべて早くなってくる

表ができると、打ち合わせの進み方が変わります。

何か提案されるたびに、この表に入れて確かめられるからです。

30年でいくら変わるのかが、その場で出ます。

だから、持ち帰って考える回数が減ります。

相談に乗った方は、この表を印刷して打ち合わせに持って行きました。

担当の方も、その表を見ながら数字を入れてくれたそうです。

そうなると、話が具体的になります。

住宅金融支援機構のフラット35利用者調査のような統計も横に置いておくと、全国の水準と比べられます。

自分の数字がその中でどこにあるかを知っておくと、落ち着いて判断できます。

基準がひとつあると、数字の大きさに振り回されません。

表は1枚で足ります。増やす必要はありません。

1枚を育てていくほうが、使い続けられました。

まとめ:選べる幅が広いほど基準が要る

この帯の収入だと、選べる範囲がかなり広がります。金額を抑えた会社も、中間の帯も、条件によっては上の帯も候補に入ります。ところが範囲が広いことは、必ずしも楽ではありません。基準がないと、どれも良く見えて決められなくなります。だから、帯を1つに絞る。上げる項目を3つまでに絞る。差額と戻りを表に並べる。この3つの基準を作れば、判断が早くなります。

相談に乗った方は、断熱の等級を上げるかどうかで3か月迷っていました。差額は120万円。上げれば光熱費は下がりますが、回収に何年かかるのかが分からなかったんです。表を1枚作ってもらったら、30年で146万円という数字が出ました。差額を26万円上回ります。そこまで見えたら、判断は30分で終わりました。迷っていた3か月は、計算していなかっただけの時間だったんですよね。

まずは、上げたい項目を紙に書き出して、そこから3つに絞ってみてください。絞る作業が、いちばん判断を早くします。

この記事のまとめ
  • 選べる会社の帯が2つにまたがるので先に1つに絞る
  • 上限の8割程度で組むと2割の余白が残る
  • 上げる項目はあとから触れないものを3つまでに絞る
  • 差額と光熱費と支援の3つを足して判断する
  • 1階建ては外に接する面が広く断熱が効きやすい
  • 譲れない条件を2つに絞ると候補の数が増える
  • 駅から5分緩めるだけで数百万円動くことがある
  • 期間は完済する年齢から逆算して決める
  • 繰り上げは年に1回だけ考える習慣にする
  • 30年の支出を1枚の表に並べると判断が早い

提案の中身まで含めて比べられるので、金額だけの比較になりません。

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