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平屋の資金計画を30坪で組む|返せる額から逆算する手順

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ノブです。築20年台の戸建てに住んでいます。

終の住処を1階建てにするか、2年かけて調べました。最初に決めたのが広さで、30坪という数字でした。

今の家が延床34坪なので、そこから少し減らす形です。子どもが独立したあとを考えると、これくらいが掃除も楽だろうと思いました。

数字の話をします。住宅金融支援機構の2025年度フラット35利用者調査では、注文住宅の平均所要資金が4,262万円、土地付注文住宅が5,313万円でした。前年度より上がっています。

建設物価調査会の建築費指数でも、2026年3月時点の木造住宅は前年同月比でプラス5.9%でした。同じ広さでも、去年より必要な金額が動いているということです。

だからこそ、面積から先に金額を出すのではなく、返せる額から逆算する順番が効いてきます。

この記事は、その逆算の手順を書いたものです。専門的な話ではなく、電卓ひとつでできる作業です。

最初に組んだ計画は、面積から入りました。30坪で坪いくらだからこれくらい、という組み方です。ところが総額を出したら、月々の返済が今の家賃の1.6倍になっていました。

妻に見せたら、10秒で「無理じゃない」と言われました。あのときの空気は、正直きつかったです。そこから順番を入れ替えて、返せる額から組み直しました。

この記事のポイント
  • 面積から入ると総額が先に決まってしまう
  • 30坪の1階建ては屋根と基礎が2階建ての2倍になる
  • 手元に残す現金を先に決めてから借入を考える
  • 毎月の支払いは手取りの2割前後が目安になる
  • 30年後まで並べると判断が変わることがある

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平屋の資金計画を30坪で組むときの出発点

この章のポイント
  • 広さを先に決めると総額があとから決まってしまう
  • 返せる額を先に置くと逆に広さが決まってくる
  • 紙1枚に4つの数字を書くところから準備を始める
  • 家族と同じ紙を見ることで話がようやく前に進む

計画の組み方には、2つの向きがあります。広さから入る向きと、返せる額から入る向きです。

僕は最初、広さから入りました。30坪と決めて、そこに坪あたりの数字を掛けて総額を出したんです。出てきた数字を見て、これなら何とかなるだろうと思いました。ところが、そこに土地の分と外側の費用を足したら、返済が現実的でなくなりました。

順番を入れ替えたら、同じ30坪でも組み方が変わりました。この章では、その出発点の話をします。

広さを先に決めると、総額があとから決まってしまう

広さから入る組み方は、自然に思えます。

何畳の部屋がいくつ必要か。そこから逆算して、延床が何坪になるかを出す。

この考え方自体は間違っていません。暮らし方から決めているからです。

ところが、この順番だと総額が結果として出てきます。

出てきた総額が払えるかどうかは、最後に分かる形になります。

払えなければ、そこから削ることになります。

削る作業は、たいてい気持ちが重くなります。

一度決めた部屋を減らすのは、増やすより難しいんですよね。

僕は書斎を1つ減らすのに、2週間迷いました。

最初から枠の中で考えていれば、その2週間は要りませんでした。

もちろん、広さから入っても最終的には同じ場所に着きます。

ただ、途中の遠回りが増えるという話です。

時間も気力も、限りがあります。

それでも、暮らし方から考える大切さは変わりません。

だから、両方をやります。暮らし方で必要な部屋を書き出して、そのあと枠に当てはめる。

順番だけ入れ替えれば、同じ材料で無駄なく進みます。

返せる額を先に置くと、逆に広さが決まってくる

逆の向きから組むと、話が変わります。

毎月いくらまでなら払えるか。ここを先に決めます。

そこから借りられる額が出て、自己資金を足すと総額の枠が出ます。

枠から外側の費用を引くと、建物にかけられる金額が残ります。

その金額を坪あたりの数字で割れば、建てられる広さが出ます。

この順番だと、最初から現実の中で話が進みます。

出てきた広さが30坪に届かなければ、そこで判断できます。

広さを取るのか、仕様を落とすのか、地域を変えるのか。ここで手が3つに分かれます。

選択肢が具体的な形で目の前に並びます。

僕はこの順番に切り替えてから、迷う時間が減りました。

妻との話も、数字が土台になるので揉めなくなりました。

感覚で議論すると、どちらも譲れなくなります。

枠があると、その中で工夫する話に変わります。

工夫する話は、前向きに進みます。

削る話は、どうしても後ろ向きになります。

同じ結論に着くとしても、途中の気分がまるで違いました。

紙1枚に4つの数字を書くところから始められる

準備は、紙1枚で足ります。

書くのは4つの数字です。

今の家賃、毎月払える上限、手元に残しておきたい現金、今ある貯蓄。

この4つが決まれば、あとは計算するだけです。

今の家賃は、通帳を見れば分かります。

払える上限は、家賃に管理費や駐車場代を足した額を目安にします。

持ち家になると、毎年の税と手入れの積み立てが加わります。

だから、家賃と同額にすると実質は増えます。

ここを見落とすと、あとで苦しくなります。

僕は家賃より5,000円下げた額を上限にしました。

その5,000円が、税と積み立ての枠です。

紙に書くのに10分もかかりませんでした。

この10分が、その後の判断を全部支えてくれました。

紙はノートの1ページで構いません。

大事なのは、数字が目に見える場所にあることです。

頭の中に置いておくと、打ち合わせのたびに揺れます。書いておけば揺れません。

家族と同じ紙を見ることで、話が前に進む

資金の話は、1人で考えると偏ります。

だから、紙を作ったら家族に見せます。

見せるときは、結論を書かないほうがいいです。

数字だけを並べて、どう思うかを聞きます。

僕は最初、自分の結論を書いた紙を見せてしまいました。

そうすると、賛成か反対かの話になります。

2回目は数字だけにしました。

妻の反応は、まるで違いました。

数字だけの紙は、説得の道具ではなく共有の道具になります。

そこから2人で上限を決めました。

2人で決めた数字なら、あとで揺れません。

1人で決めた数字は、途中で崩れます。

この違いは、実際にやってみて分かりました。

紙は、打ち合わせにも毎回持って行きました。

担当の方にも見せると、その枠の中で提案を作ってくれます。

隠すより、見せたほうが早く進みました。

面積が決まると本体の枠が先に見えてくる

この章のポイント
  • 1階建ては屋根と基礎の面積が2階建ての2倍になる
  • 坪あたりの帯によって本体の金額がかなり動く
  • 本体の外側に2割から3割が積み上がってくる
  • 30坪という広さで実際に取れる部屋の数を見る
  • 広さを1坪減らすと総額がいくら下がるかを知る

枠が決まったら、次は建物の金額です。ここで1階建て特有の事情が効いてきます。

僕は最初、2階建てと同じ坪あたりの数字で計算していました。ところが見積もりを取ったら、想定より高く出ました。理由を聞いて納得しました。同じ延床でも、屋根と基礎の面積がまるで違うんです。

この構造を知らないと、計画が2割ずれます。この章では、その仕組みを整理します。

1階建ては屋根と基礎の面積が、2階建ての2倍になる

延床30坪の2階建てなら、1階は15坪です。

屋根も基礎も、15坪ぶんで済みます。

ところが延床30坪の1階建ては、屋根も基礎も30坪ぶん必要になります。

単純に2倍です。

屋根と基礎は、建物の中でも単価の高い部分です。

だから同じ延床なら、坪あたりの数字は上がりやすくなります。

1階建ての坪あたりが高めに見えるのは、この面積の違いが理由です。

これは会社の姿勢とは関係のない、物理的な話です。

逆に言うと、階段が要らない、上下の移動がない、足場が低く済むといった部分では有利になります。

足場の費用は、2階建てより抑えられることが多いです。

だから総額で見ると、思っているほど差がつかないこともあります。

僕が3社に同じ延床で頼んだときは、1階建てのほうが6%ほど高い程度でした。

坪あたりの見た目ほどの差ではありませんでした。

坪あたりの帯によって、本体の金額がかなり動く

坪あたりの数字には、幅があります。

金額を抑えた商品を扱う会社なら、坪50万円台から60万円台という帯です。

中間の帯は、坪70万円台から80万円台あたり。

大手のハウスメーカーだと、坪90万円を超える帯になります。

30坪で計算すると、坪60万円なら1,800万円、坪90万円なら2,700万円です。

900万円の差になります。

この差は、他のどの項目より大きいです。

だから、自分がどの帯を見ているのかを先にはっきりさせます。

帯が決まれば、その中での比較ができます。

帯をまたいで比べても、判断の材料になりません。

僕は中間の帯で考えていました。

30坪で坪75万円なら2,250万円。ここが出発点になりました。

この数字を紙に書いて、そこから足し引きしていきました。

帯を確かめるには、本体の金額を延床で割ってみます。

その数字が近ければ同じ帯、大きく離れていれば別の帯です。

電卓ひとつでできる作業でした。

本体の外側に、2割から3割が積み上がってくる

本体だけでは終わりません。

屋外の給排水、地盤の改良、外構、照明やカーテン、登記や保険。

これらを足すと、本体の2割から3割が乗ることが珍しくありません。

本体2,250万円なら、総額は2,800万円から2,900万円あたりです。

この差を知らないまま計画を立てると、あとで足りなくなります。

僕は最初、本体の数字だけで枠を組んでいました。

外側を足した紙をもらった日、正直かなり焦りました。

そこから組み直して、ようやく現実的な形になりました。

だから、見積もりを頼むときは総額で聞きます。

本体でいくら、ではなく総額でいくら。

この聞き方だけで、話が現実に近づきます。

会社側も、総額で聞かれれば総額で答えてくれます。

聞き方ひとつで、出てくる紙が変わりました。

外側の項目は、1行ずつ書き出しておきます。

書き出すと、抜けている項目が見えてきます。

抜けている行は、あとから足されます。先に見つけておくほうが楽でした。

30坪という広さで、実際に取れる部屋の数を見る

数字の話ばかりだと想像しにくいので、広さの感覚も書いておきます。

30坪は、およそ99平方メートルです。

1階建てでこの広さなら、3LDKが標準的な形になります。

LDKを18畳前後、主寝室を8畳、子ども部屋を5畳から6畳で2つ。

そこに水回りと廊下と収納が入ります。

4LDKにすると、1部屋あたりが狭くなります。

1階建ては廊下が長くなりやすいので、そこで面積を使います。

だから、廊下を減らす設計にすると部屋が広く取れます。

リビングを通って各部屋に入る形にすれば、廊下はほとんど要りません。

僕は寝室だけ短い廊下でつなぐ形にしました。

完全になくすのではなく、減らす。そのくらいがちょうどよかったです。

図面をもらったら、廊下の面積を計算してみてください。

3坪あれば、それだけで150万円ぶんの床です。

広さを1坪減らすと、総額がいくら下がるかを知る

調整の余地を知っておくと、判断が楽になります。

坪75万円なら、1坪減らすと本体が75万円下がります。

外側の費用も少し下がるので、総額では90万円ほど動きます。

30坪を28坪にすれば、180万円ほど変わる計算です。

この数字を持っていると、削るかどうかの判断ができます。

180万円のために2坪減らすのか、2坪を残して仕様を落とすのか。ここで判断します。

どちらを取るかは、その人の優先順位で決まります。

僕は面積を残して、外構を後回しにしました。

外構はあとから足せますが、面積はあとから増やせません。

この判断の軸を持っていると、迷いが減ります。

あとから触れるものと触れないもの。この分け方が効きます。

紙の左に触れないもの、右に触れるものを書いておきました。

削るときは、右から順に削りました。

土地の有無で必要な現金が変わってくる

この章のポイント
  • 持っている場合と探す場合で総額が千万円単位で違う
  • 1階建ては同じ延床でも広い敷地が必要になる
  • 建ぺい率の上限が置ける建物の大きさを決める
  • 建て替えなら解体と仮住まいの費用が加わる

同じ30坪でも、敷地を持っているかどうかで話がまるで変わります。ここは最初に整理しておきたい部分です。

僕は建て替えだったので、敷地を買う必要はありませんでした。そのかわり、解体の費用と仮住まいの家賃が乗りました。持っているから安く済む、と単純には言えなかったんです。

どちらの立場かで、必要な現金の性質が変わります。この章では、その違いを並べます。

持っている場合と探す場合で、総額が千万円単位で違う

住宅金融支援機構の調査では、注文住宅の平均所要資金が4,262万円でした。

敷地も含む場合は5,313万円です。

差は1,051万円になります。

これは全国の平均なので、地域によってはもっと大きく開きます。

都市部なら、敷地だけで数千万円ということも珍しくありません。

だから、まず自分がどちらの立場かをはっきりさせます。

探す場合は、敷地の予算を先に決めます。

総額の枠から建物と外側の費用を引いた残りが、敷地に使える額です。

この順番で決めると、無理のない範囲で探せます。

逆に、気に入った場所を先に見つけると、そこに合わせて建物を削ることになります。

僕の知人はその順番で進めて、建物の仕様をかなり落としていました。

本人は「敷地は変えられないから」と言っていました。

その考え方も分かります。ただ、順番の結果であることは知っておきたいところです。

1階建ては同じ延床でも、広い敷地が必要になる

ここが2階建てとの大きな違いです。

延床30坪を1階にすべて置くので、地面を30坪覆うことになります。

そこに軒の出や玄関ポーチも加わります。

さらに、駐車場と庭と隣地との距離が必要です。

だから、敷地は60坪から80坪あるとゆとりが出ます。

2階建てなら、40坪台の敷地でも同じ延床が置けます。

この差は、敷地の価格にそのまま効いてきます。

坪単価20万円の地域なら、20坪の差で400万円です。

だから、探す場合は敷地の広さも計算に入れます。

僕が見ていた地域では、60坪以上の区画が限られていました。

そこで探す範囲を1駅ぶん広げました。

広げたら、条件に合う区画が3つ見つかりました。

範囲を動かすことも、選択肢のひとつです。

それから、敷地の形も効いてきます。

細長い区画だと、同じ面積でも置ける建物の形が限られます。

1階建ては上に逃げられないので、この制約が強く出ます。間口の寸法も確かめておきます。

建ぺい率の上限が、置ける建物の大きさを決める

敷地の広さがあっても、置ける建物の大きさには上限があります。

建ぺい率という割合で決まっていて、地域ごとに違います。

建ぺい率50%の60坪の敷地なら、地面を覆えるのは30坪までです。

1階建ては全部の床が1階なので、この数字がそのまま上限になります。

だから、30坪を建てるなら建ぺい率50%で60坪が下限になります。

建ぺい率40%なら、75坪の敷地が要ります。

この計算を先にしておくと、敷地を探すときの条件がはっきりします。

不動産会社の方に「この区画の建ぺい率はいくつですか?」と最初に聞くだけです。

数字が合わない区画は、そこで候補から外せます。

僕は候補地3つの建ぺい率を聞いて、1つを外しました。

40%だったので、30坪を置くには足りませんでした。

見に行く前に分かったので、時間の節約になりました。

電話1本で確かめられます。

建て替えなら、解体と仮住まいの費用が加わる

敷地を持っている場合でも、建て替えなら別の費用が出ます。

今の建物の解体費用です。

木造の戸建てなら、坪あたり3万円から5万円ほどが目安として語られています。

30坪の家なら、90万円から150万円ということになります。

そこに、廃材の処分や、地中から出てきたものの撤去が加わることがあります。

それから、仮住まいの家賃と引っ越しの費用です。

工期が半年なら、家賃6か月分と引っ越し2回分になります。

月10万円なら60万円、引っ越しで40万円。合わせて100万円です。

この2つで、200万円を超えることも珍しくありません。

僕は解体に130万円、仮住まい関係で95万円かかりました。

合計225万円です。最初の計画には入れていませんでした。

あとから足すことになって、資金計画を組み直しました。

建て替えの方は、この2つを最初から枠に入れておいてください。

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借入の額は返せる範囲から逆算する

この章のポイント
  • 借りられる額と返せる額はまったく別の数字になる
  • 期間を延ばすと毎月は軽くなるが総額は増える
  • 変動を選ぶなら上がった場合の表も作っておく
  • 完済する年齢から逆算して返済の期間を決める

ここが計画のいちばん大事な部分です。金融機関が示す数字と、自分が払える数字は違います。

僕は事前の審査で、思っていたより大きな額を提示されました。その数字を見たとき、正直うれしくなったんです。これだけ借りられるなら、あの仕様も入れられるな、と。ところが月々の返済に直したら、今の家賃の1.6倍でした。

借りられる額は、払える額の証明ではありません。この章では、その逆算を書きます。

借りられる額と返せる額は、まったく別の数字になる

金融機関は、年収に対する返済の割合で上限を決めます。

この割合は、年収の帯によって変わります。

ただ、その上限まで借りると生活が窮屈になることがあります。

上限は、あくまで貸せる上限だからです。

実際に払えるかどうかは、その家庭の支出の形で決まります。

教育にかける費用、車の台数、趣味にかける金額。

ここは家庭ごとにまったく違います。

だから、上限をそのまま使うのは危ういです。

僕は提示された額の8割で組みました。

2割の余白が、その後の安心につながっています。

余白があると、想定外の出費にも対応できます。

子どもの進路が変わったときにも、慌てずに済みました。

余白は、数字には表れない価値があります。

8割という数字に根拠があるわけではありません。

ただ、2割の余白があると気持ちが落ち着きます。

数字の最適だけを追うと、この部分が抜け落ちます。

期間を延ばすと毎月は軽くなるが、総額は増える

返済の期間は、選べることが多いです。

25年、30年、35年。長いほど毎月は軽くなります。

ただ、そのぶん利息の総額は増えます。

同じ額を借りても、期間が10年違えば総額はかなり変わります。

だから、両方を表に出して比べます。

毎月の額と、払い終わるまでの総額。この2つです。

僕は3つの期間で表を作りました。

作ってみると、毎月の差より総額の差のほうが大きく感じました。

ただ、毎月が苦しいと生活が続きません。

だから、まず毎月で決めて、余裕が出たら繰り上げるという形にしました。

期間を長めに取って、繰り上げで調整する。この形が僕には合っていました。

最初から短くすると、苦しくなったときに戻せません。

長く取っておけば、早く返す選択は残ります。

繰り上げには、手数料がかかる場合があります。

無料の回数が決まっていることもあるので、条件を先に確かめます。

僕の借入先は、一定額以上ならいつでも無料でした。

変動を選ぶなら、上がった場合の表も作っておく

金利には、固定と変動があります。

変動を選んだ場合、上がると返済額が増えます。

1%上がると、3,000万円の借入で年に30万円ほど増える計算です。

月に直すと2万5千円です。

これは家計にとって小さくない額です。

だから、上がった場合の表も作っておきます。

今の水準、プラス1%、プラス2%。この3つです。

プラス2%でも成り立つなら、安心して選べます。

成り立たないなら、借入額を減らすか固定を選びます。

僕は3つのパターンで表を作りました。

作ってみて、借入額を200万円減らすことにしました。

厳しいほうの数字を見ておくと、判断が保守的になります。

35年の話なので、保守的なくらいでちょうどいいです。

固定と変動を組み合わせる形もあります。

半分ずつにすれば、上がったときの影響も半分になります。

選択肢として知っておくと、判断の幅が広がります。

完済する年齢から逆算して、期間を決める

もうひとつの軸が、年齢です。

今45歳で35年組むと、完済は80歳になります。

定年後も払い続ける形になります。

年金だけで払えるかどうかを、先に考えておきます。

払えないなら、退職までに繰り上げる計画が要ります。

その原資をどこから出すのかも、あわせて考えます。

僕は65歳完済を目標にしました。

そこから逆算して、期間と繰り上げの計画を組みました。

年に1回、余裕があれば繰り上げる形です。

できない年があってもいいように、義務にはしていません。

義務にすると、できなかったときに苦しくなります。

目標として持っておくくらいが、続けやすいです。

この考え方に落ち着くまで、何度も計算し直しました。

手元に残す現金を先に決める

この章のポイント
  • 貯蓄をすべて入れると住み始めてから動けなくなる
  • 生活費の半年分は手をつけずに口座に残しておく
  • 引き渡しの前後に現金が要る場面がいくつかある
  • 入居してから半年で出ていく金額も見込んでおく

自己資金をいくら入れるか。ここも先に決めておきたい部分です。

入れれば入れるほど借入は減りますし、利息も減ります。だから全部入れたくなります。僕も一度、貯蓄をほぼ全額入れる計画を作りました。

ところが、住み始めてから半年でカーテンとエアコンと外構で100万円以上出ていきました。手元が薄いと、そこで身動きが取れなくなります。この章では、残す額の決め方を書きます。

貯蓄をすべて入れると、住み始めてから動けなくなる

建物にお金を入れきると、手元が空になります。

ところが、暮らしは引き渡しの日から始まります。

カーテン、照明、エアコン、家具、外構。

これらは建物の金額に入っていないことが多い項目です。

入れていても、標準の仕様で足りないことがあります。

僕は照明とカーテンだけで80万円かかりました。

エアコンを3台入れて、そこで50万円。

合わせて130万円が、引き渡しから2か月で出ました。

この金額を借入に含めることもできますが、含めなかった場合は現金で払います。

だから、その分は残しておきます。

残していないと、生活費から出すことになります。

生活費を削ると、住み始めた実感が薄れます。

せっかく建てたのに、そこは避けたいところです。

家具も、想像より買い足しました。

部屋の形が変わると、今の家具が合わなくなることがあります。

僕はダイニングのテーブルを買い替えました。20万円ほどでした。

生活費の半年分は、手をつけずに残しておく

目安として、生活費の半年分は残します。

月の支出が30万円なら、180万円です。

これは家を建てるかどうかに関係なく、持っておきたい額です。

病気やけが、勤め先の状況の変化。何が起きるか分かりません。

そのときに、この現金が支えになります。

僕は半年分に加えて、家の初期の支出分を別に取りました。

合計で320万円を残す計画にしました。

そのぶん借入は増えましたが、精神的にはずっと楽でした。

夜、通帳の残高を見て不安になることがなくなりました。

この安心は、利息の差では買えないものだと思います。

数字だけで最適を求めると、この部分が抜けます。

家は住むための場所なので、住み心地には気持ちも含まれます。

そう考えると、残す判断にも意味があります。

残す額は、家族と合意しておきます。

1人で決めると、あとで揺れます。

2人で決めた数字なら、途中で崩れませんでした。

引き渡しの前後に、現金が要る場面がいくつかある

借入のお金は、引き渡しのときにまとめて実行されるのが一般的です。

ところが、それより前に払うものがあります。

契約のときの手付金、着工のときの中間金、地鎮祭や上棟の費用。

これらは自己資金で払う場面が多くなります。

つなぎの融資を使う方法もありますが、その場合は手数料がかかります。

だから、いつ何を払うのかを工程表に書き込んでおきます。

僕は工程表の下に、支払いの日と金額を書き足しました。

そうすると、いつ現金が必要かが一目で分かります。

その月だけ、他の支出を抑えるという調整もできます。

知らないまま来ると、その月に慌てます。

手付金は、契約の場で求められることもあります。

金額と時期を先に聞いておくと、準備ができます。

「支払いはいつ、いくら必要になりますか?」と聞くだけです。

入居してから半年で出ていく金額も、見込んでおく

住み始めてからも、お金は動きます。

足りない家具を買い足す、収納の棚を付ける、物干しを増やす。

暮らしてみて分かることは、たくさんあります。

それから、外構を後回しにした場合はその費用も残っています。

僕は外構を2年後にしました。

その間、雨の日は玄関前がぬかるみました。

正直、不便でした。

だから、駐車場と玄関までの動線だけは先にやっておくべきでした。

後回しにするなら、生活に支障が出ない範囲で線を引きます。

植栽やフェンスは後でも困りません。

足元と動線は、先にやったほうがいいです。

この線引きを、僕は住んでから学びました。

毎月の支払いは家計の2割前後に収める

この章のポイント
  • 額面ではなく手取りに対する割合で見ると現実的になる
  • 返済のほかに毎年かかるものが3つ加わってくる
  • 教育にかかる時期と重なるかどうかを確かめる
  • 共働きなら片方の収入が減った場合も試算する

払える額を決めるとき、何を基準にするか。ここで判断が分かれます。

僕は最初、額面の年収に対する割合で考えていました。ところが実際に手元に入るのは、税と社会保険を引いたあとです。額面で2割でも、手取りで見ると2割5分を超えていました。

基準を手取りに変えたら、数字が現実に近づきました。この章では、その見方を書きます。

額面ではなく、手取りに対する割合で見ると現実的になる

年収の額面と、実際に振り込まれる額は違います。

税と社会保険料が引かれるので、手取りは額面の7割から8割になります。

だから、額面で計算すると実態より軽く見えます。

手取りの2割前後が、無理のない目安としてよく語られる水準です。

手取りが月35万円なら、7万円前後ということになります。

これは今の家賃と比べやすい数字です。

家賃が8万円なら、少し下げる形になります。

持ち家になると、税と手入れの積み立てが加わるからです。

僕は手取りの19%を上限にしました。

その数字を紙に書いて、冷蔵庫に貼りました。

打ち合わせで金額が動くたびに、その紙を見て確かめました。

基準が目に見えるところにあると、判断がぶれません。

紙1枚の効果は、思っている以上に大きかったです。

手取りは、給与明細の振込額を見れば分かります。

賞与がある場合は、年間の合計を12で割ります。

賞与を返済に組み込むかどうかは、意見が分かれるところです。僕は組み込みませんでした。

返済のほかに、毎年かかるものが3つ加わってくる

持ち家になると、毎年かかるものが増えます。

建物と敷地にかかる税、火災と地震の保険料、手入れのための積み立て。

この3つです。

税は地域と建物の規模で変わりますが、年に10万円から20万円という帯が多くなります。

保険料は、まとめて長期で払う形なら年あたりに直して計算します。

積み立ては、10年後の外壁と屋根の手入れに備えるものです。

月1万円を積み立てれば、10年で120万円になります。

この3つを月に直すと、2万円から3万円ほどになります。

返済とは別に、これだけ出ていくということです。

だから、家賃と同額の返済だと実質は増えます。

僕は返済を家賃より5,000円下げて、その分を積み立てに回しました。

10年経った今、その口座には残高が積み上がっています。

手入れの時期が来ても、慌てずに済みそうです。

教育にかかる時期と重なるかどうかを、確かめる

返済は35年続きます。

その間に、子どもの進学の時期が来ます。

高校、大学。この時期は支出が一気に増えます。

だから、年表を作って重なりを見ます。

横軸に年、縦軸に支出。単純な表で構いません。

返済の額、教育にかかる額、車の買い替え。

これを並べると、山がどこに来るかが分かります。

僕がやったときは、7年後と10年後に山がありました。

下の子の大学と、車の買い替えが重なる年です。

その年に向けて、別に積み立てる計画にしました。

山が見えていれば、備えられます。

見えていないと、その年に慌てます。

表を作るのは1時間で済みます。

進学の費用は、公的な調査でおおよその水準が公開されています。

自分で数字を作らなくても、目安として使えます。

年表は、手書きでも構いません。

横に年、縦に項目。これだけです。

作ってみると、思っていた時期とずれていることに気づきます。僕は3年ずれていました。

共働きなら、片方の収入が減った場合も試算する

2人の収入で組む場合、注意したい点があります。

どちらかの収入が減る可能性を、計算に入れておきます。

介護、育児、体調の変化。理由はいろいろあります。

片方の収入だけで払えるかどうかを試算します。

払えないなら、その差をどう埋めるかを先に考えます。

貯蓄で埋めるのか、保険で備えるのか、返済を軽くするのか。手は3つあります。

僕は妻の収入がゼロになった場合で計算しました。

その条件だと、返済は払えるが積み立てができなくなる形でした。

それが分かっていれば、その場面でも判断できます。

厳しいほうの想定をしておくと、逆に安心して進められます。

考えないでおくと、不安だけが残ります。

数字にすると、不安が課題に変わります。

課題なら、対処を考えられます。

30年後まで並べると判断が変わる

この章のポイント
  • 建てるときの差が30年で逆転することがある
  • 性能を上げると毎月の支出のほうが下がってくる
  • 使える制度を計算に入れると使える枠が広がる
  • 表を1枚作れば以降の判断がすべて早くなる

計画は、建てるまでの話で終わりません。住み始めてからの30年が本番です。

実家を整理していたとき、父の家計簿が出てきました。毎月の光熱費が、僕の家の1.4倍でした。同じ地域で、家族の人数もほぼ同じです。違ったのは建物の性能だけでした。その差が30年続いたら、いくらになるのか。計算してみて、数字の大きさに驚きました。

建てるときの金額だけでは、判断の材料が足りません。この章では、その足し算を書きます。

建てるときの差が、30年で逆転することがある

建てるときに200万円安かった家が、30年後には高くなっていることがあります。

逆に、200万円高かった家が追い抜くこともあります。

どちらになるかは、どこにお金をかけたかで決まります。

あとから触れない部分にかけていれば、追い抜く可能性が高くなります。

断熱、窓、構造、配管。この4つは、あとから替えるのに大きな費用がかかります。

建てるときなら、材料の差額だけで済みます。

実家の断熱を後から入れる工事の見積もりを取ったら、200万円を超えました。

建てるときなら、30万円ほどだったはずの差です。

内側に入るものは、建てるときに決めるのがいちばん安く済みます。

この構造を知っておくと、削る順番が決まります。

僕は紙を左右に分けて、触れないものと触れるものを書きました。

予算が足りないときは、右側から削りました。

この順番を守ったおかげで、住み始めてから困ったことは今のところありません。

性能を上げると、毎月の支出が下がってくる

断熱の仕様は、毎月の光熱費に効きます。

1階建ては屋根と床の面積が延床とほぼ同じなので、この影響が大きく出ます。

屋根が広いぶん、そこが弱いと夏の室温が上がります。

逆に、しっかり入っていればエアコン1台で家全体が保てることもあります。

1階建ては仕切りが少ない間取りにしやすいので、空気が回りやすい形です。

この形の良さは、断熱が効いてはじめて出てきます。

僕が見学した家では、20畳のLDKと寝室をエアコン1台でまかなっていました。

住んでいる方に年間の電気代を聞いたら、想像より安くて驚きました。

年に3万円違えば、30年で90万円です。

建てるときの差額が60万円なら、30年で見れば逆転します。

この計算をして、僕は窓のグレードを上げました。

体感の差もあります。冬の朝、窓際に立ったときの感じがまるで違います。

これは数字では表せない部分です。

使える制度を計算に入れると、枠が広がる

2026年度は、みらいエコ住宅2026事業という制度が動いています。

国土交通省、経済産業省、環境省の3省が連携する住宅省エネ2026キャンペーンの一部です。

性能の等級によって、1戸あたりの金額が3段階に分かれています。

詳しくはみらいエコ住宅2026事業の公式サイトで確認できます。

戻ってくる額が分かっていれば、その分だけ枠が広がったのと同じになります。

ただし、受け取れなかった場合でも成立する計画にしておきます。

予算の枠が埋まれば、条件を満たしていても受け取れなくなるからです。

受け取れなくても成立する形を先に作って、受け取れたら繰り上げに回す。

この順番なら、どちらに転んでも困りません。

僕はこの形にしてから、夜よく眠れるようになりました。

それから、納める額が減る形の支援もあります。

目立ちませんが、金額としては小さくありません。

受け取る形と減る形を、同じ表に入れて計算します。

表を1枚作れば、以降の判断がすべて早くなる

ここまでの話を、1枚の表にまとめます。

建てるときの金額、毎月の光熱費、手入れの費用、毎年の税、受け取れる支援。

これを30年ぶん並べます。

表計算ソフトで作れば、数字を入れ替えるだけで比べられます。

仕様を上げた場合と、そのままの場合。2列作って並べます。

作るのに2時間かかりましたが、その2時間で迷いが消えました。

それ以降、打ち合わせで何か提案されるたびに、この表に入れて確かめました。

その場で判断できるので、持ち帰る回数も減りました。

住宅金融支援機構のフラット35利用者調査のような統計も、横に置いておくと位置が分かります。

全国の平均と自分の数字を並べて、大きく外れていないかを見ます。

外れているなら、その理由を確かめます。

理由が説明できるなら、それでいいわけです。

基準がひとつあるだけで、判断が楽になりました。

まとめ:面積から入らず、返せる額から組む

組む順番を変えるだけで、計画の現実味がまるで変わります。広さから入ると総額があとから決まり、払えるかどうかは最後に分かります。返せる額から入れば、最初から現実の枠の中で話が進みます。30坪の1階建ては屋根と基礎が2階建ての2倍になるので、坪あたりの数字は上がりやすくなります。そのうえで、外側に2割から3割が積み上がる。ここまで押さえておけば、提示された数字を自分で検算できます。

最初に作った計画を妻に見せたとき、10秒で「無理じゃない」と言われました。あのときは正直むっとしましたが、今は感謝しています。あの一言がなければ、そのまま進んでいたはずです。数字を並べ直して、返せる額から組み直したら、同じ30坪でも別の形が見えてきました。削ったのは面積ではなく、あとから足せる部分でした。順番を変えるというのは、そういうことだったんですよね。

まずは紙1枚に、今の家賃と払える上限と手元に残す現金と貯蓄の4つを書いてみてください。10分で終わります。

この記事のまとめ
  • 広さからではなく返せる額から逆算する
  • 30坪の1階建ては屋根と基礎が2階建ての2倍になる
  • 本体の外側に2割から3割が積み上がってくる
  • 1坪減らすと総額はおよそ90万円動く
  • 建ぺい率50%なら30坪には60坪の敷地が要る
  • 建て替えは解体と仮住まいで200万円台が乗る
  • 借りられる額と返せる額はまったく別の数字
  • 手取りの2割前後が毎月の目安としてよく語られる
  • 返済のほかに税と保険と積み立てが毎年かかる
  • 30年で並べると建てるときの差が逆転することがある

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