一条工務店の換気システムの全知識！後悔しないためのポイント

一条工務店の換気システムについて、詳しく知りたいと考えているのではないでしょうか。

特に、高性能な住宅を提供する一条工務店だからこそ、その換気システムの性能は非常に気になるポイントですよね。

ロスガード90の優れた仕組みや、うるケアとの機能の違い、フィルター交換の手間や掃除の頻度など、具体的な情報が求められます。

また、実際に導入した後の電気代やメンテナンスのコスト、カビ対策やデメリット面での後悔がないかどうかも、事前にしっかりと把握しておきたいところでしょう。

この記事では、一条工務店の換気システムの全体像を明らかにし、メリットだけでなく注意点までを網羅的に解説していきます。

一条工務店の換気システムの仕組みとメリットを解説

一条工務店の住宅が持つ大きな魅力の一つに、標準装備されている高性能な換気システムが挙げられます。

特に「ロスガード90」は、単に空気を入れ替えるだけでなく、熱交換という重要な役割を担っています。

この章では、その具体的な仕組みから、私たちの生活にどのようなメリットをもたらすのかを掘り下げていきます。

高性能フィルターが花粉やPM2.5をいかにして除去するのか、また、快適な室内環境をさらに向上させる「うるケア」との関係性についても詳しく解説します。

さらに、家計に直結する電気代の問題や、システムの性能を維持するために欠かせないフィルターの掃除といったメンテナンス面にも触れていき、一条工務店の換気システムがもたらす快適な暮らしの秘密を解き明かします。

熱交換を行うロスガード90の仕組み

一条工務店が標準で採用している換気システムは、「ロスガード90」と呼ばれています。

このシステムの最も大きな特徴は、第一種換気でありながら、熱交換機能を備えている点にあります。

第一種換気とは、給気と排気の両方を機械の力で行う方式のことです。

これにより、窓を開けることなく、計画的かつ効率的に家中の空気を入れ替えることが可能となります。

そして、「ロスガード90」の核心部分が熱交換の仕組みです。

例えば冬の寒い日、暖房で暖められた室内の空気（例えば20℃）を屋外に排出する際、その暖かい熱を屋外から取り込む冷たい外気（例えば0℃）に移します。

熱交換器を通過することで、0℃の外気は18℃程度まで暖められてから室内に給気されるのです。

夏はその逆で、冷房で冷やされた室内の空気の冷たさを、蒸し暑い外気に移して、涼しい空気を室内に取り込みます。

この「90」という数字は、熱交換効率が90%であることを示しており、業界でもトップクラスの性能を誇ります。

つまり、排出する空気の熱エネルギーの90%を回収し、給気する空気に再利用できるということです。

この仕組みによって、換気による室温の変動を最小限に抑え、冷暖房のエネルギーロスを大幅に削減できるため、省エネで快適な室内環境を一年中維持することに貢献しています。

高性能フィルターで花粉やPM2.5を除去するメリット

ロスガード90がもたらすメリットは、熱交換による省エネ効果だけではありません。

もう一つの大きな柱が、給気の際に通過する高性能フィルターの存在です。

このフィルターは、屋外の空気に含まれる様々な汚染物質をシャットアウトし、清浄な空気だけを室内に取り込むという重要な役割を担っています。

特に注目すべきは、その捕集性能の高さです。

春先の悩みの種である花粉はもちろんのこと、それよりもはるかに粒子が小さいPM2.5（微小粒子状物質）についても、高い確率で除去することが可能です。

公式なデータによれば、花粉を99%以上、PM2.5を97%以上カットするとされています。

この性能は、アレルギー体質の方や、小さなお子様、高齢のご家族がいる家庭にとって、非常に大きな安心材料となるでしょう。

窓を開けて換気を行うと、花粉や黄砂、排気ガスなどがダイレクトに室内へ侵入してしまいますが、ロスガード90を通せば、常にきれいで安全な空気が供給されます。

これにより、室内の空気質を高く保ち、家族の健康を守ることに直結するわけです。

また、窓を閉めたままで生活できるため、外部の騒音を気にする必要がなく、静かで落ち着いた居住空間を維持できるという副次的なメリットも生まれます。

全館加湿機能を持つ「うるケア」との違い

一条工務店では、オプションとして「うるケア」という全館加湿システムを選択できます。

これは、ロスガード90の給気経路に加湿ユニットを組み込むことで、家全体に潤いのある空気を送るものです。

ロスガード90が「換気」と「空気清浄」を担うのに対し、うるケアは「加湿」という役割をプラスする機能と理解すると分かりやすいでしょう。

両者の関係性を整理すると、ロスガード90は標準装備のベースとなる換気システムです。

一方、うるケアは、そのロスガード90の機能を利用して、加湿した空気を家の隅々まで届けるためのアドオン（追加機能）となります。

したがって、うるケアを導入するということは、ロスガード90がなくなるわけではなく、ロスガード90に加湿機能が追加される、と考えるのが正確です。

うるケアのメリットは、冬場の乾燥対策として非常に効果的である点です。

部屋ごとに加湿器を設置する必要がなく、給水の手間も大幅に軽減されます。

また、家全体の湿度を適切に保つことで、肌や喉の乾燥を防ぐだけでなく、ウイルスの活動を抑制する効果も期待できます。

ただし、うるケアはオプションであり、追加のコストが発生します。

また、加湿ユニットの定期的なメンテナンスも必要となるため、自身のライフスタイルや予算、乾燥に対する悩みなどを考慮して、導入を検討する必要があるでしょう。

気になる電気代はどのくらい？

高性能な換気システムを24時間365日動かし続けると聞くと、電気代がかなり高くなるのではないかと心配になるかもしれません。

しかし、一条工務店のロスガード90は、省エネ性能も非常に高く設計されています。

ロスガード90の消費電力は、運転モードにもよりますが、おおよそ20Wから50W程度です。

これを基に、一般的な家庭での電気代をシミュレーションしてみましょう。

仮に平均的な消費電力を35Wとし、電力料金単価を31円/kWhとして計算すると、以下のようになります。

この計算から分かるように、月々の電気代は数百円から1,000円程度に収まることがほとんどです。

もちろん、これはあくまで目安であり、電力会社との契約プランや運転設定によって変動します。

重要なのは、熱交換機能によって削減される冷暖房費のメリットを考慮することです。

換気システムにかかる電気代以上に、冷暖房のエネルギーロスを防ぐことによる節約効果の方が大きいケースがほとんどでしょう。

したがって、トータルのランニングコストで考えれば、ロスガード90は非常に経済的なシステムであると言えるのです。

メンテナンスで重要なフィルター掃除の頻度

ロスガード90の高性能を維持するためには、定期的なメンテナンス、特にフィルターの掃除が不可欠です。

フィルターが目詰まりを起こすと、換気量が低下したり、異音の原因になったり、さらには電気代の上昇にもつながりかねません。

一条工務店が推奨しているメンテナンスの頻度は、以下の通りです。

特に、屋外の空気を取り込む部分にある虫袋は、虫や大きなゴミが溜まりやすいため、こまめな確認が必要です。

フィルターの掃除自体は、慣れればそれほど難しい作業ではありません。

本体のカバーを開け、フィルターを取り出して掃除機で吸うのが基本となります。

ただし、給気フィルターを水洗いした場合は、カビの発生を防ぐために、完全に乾かしてから元に戻すことが非常に重要です。

また、これらのフィルターは消耗品であり、定期的な交換も必要となります。

交換時期の目安は製品の種類によって異なりますが、およそ2年～5年程度が一般的です。

定期的な掃除を怠ると、せっかくの高性能な換気システムが宝の持ち腐れになってしまうため、忘れずに行うようにしましょう。

一条工務店の換気システムのデメリットと注意点

ここまで一条工務店の換気システム「ロスガード90」が持つ多くのメリットについて解説してきましたが、物事には必ず両面があります。

優れたシステムであっても、いくつかのデメリットや注意すべき点が存在するのも事実です。

この章では、そうした側面に焦点を当て、導入後に「こんなはずではなかった」と後悔することを避けるための重要な情報を提供します。

具体的には、定期的に発生するフィルター交換の手間と、それに伴うコストの問題、また、人によっては気になる可能性のある稼働音について掘り下げます。

さらに、高気密・高断熱住宅ならではの課題である湿度管理とカビのリスク、そして最終的に満足のいく家づくりを実現するための比較検討の重要性について詳しく解説していきます。

フィルター交換の手間とコストのデメリット

ロスガード90の性能を維持するために定期的なフィルター掃除が欠かせないことは前述の通りですが、それに加えて、フィルター自体の定期的な交換も必要になります。

このフィルターは消耗品であり、永続的に使えるわけではありません。

これが、デメリットの一つとして挙げられる点です。

まず、手間の面です。

交換作業自体はそれほど複雑ではありませんが、フィルターを発注し、届いたら古いものと交換するという一連の作業を、数年に一度とはいえ定期的に行う必要があります。

次に、コストの面です。

交換用フィルターは無料ではなく、購入費用が発生します。

2023年時点での情報によれば、PM2.5対応の高性能フィルターは約15,000円程度です。

これを数年ごとに交換していくことになるため、長期的な視点で見ると、ランニングコストとして計画に含めておく必要があります。

もちろん、このコストは清浄な室内空気を維持するための必要経費と考えることもできます。

しかし、家を建てた後にかかる費用は住宅ローンだけではないため、こうした定期的な出費があることを事前に理解しておくことが、後々の資金計画において非常に重要です。

何年後にどのくらいの費用がかかるのか、家づくりの段階でしっかりと確認しておきましょう。

稼働音がうるさいと感じる場合も

ロスガード90は24時間稼働し続ける機械であるため、当然ながら稼働音が発生します。

多くの場合、その音は日常生活の中では気にならないレベルに抑えられています。

しかし、音の感じ方には個人差が大きく、設置場所や間取りによっては、稼働音が「うるさい」と感じてしまうケースもゼロではありません。

特に、寝室の近くにロスガード90本体が設置されている場合、就寝時などの静かな環境下では、モーター音やファンの音が気になってしまう可能性があります。

また、各部屋に設置された給気口や排気口から聞こえる「シュー」という風切り音が気になるという声も聞かれます。

対策としては、まず設計段階で、ロスガード90本体の設置場所を寝室や書斎など、静けさを求める部屋から離れた位置にすることが重要です。

クローゼットの中や廊下の突き当りなど、生活空間からワンクッション置ける場所が望ましいでしょう。

もし入居後に音が気になる場合は、運転モードを「弱」に設定することで音を軽減できる場合があります。

ただし、換気量を減らすことになるため、室内環境への影響も考慮する必要があります。

音の問題は主観的な要素が大きいため、可能であれば宿泊体験などを利用して、実際の稼働音を体感しておくことをお勧めします。

湿度管理を怠るとカビが発生する可能性

一条工務店の家は高気密・高断熱であることが大きな特徴です。

これは、外気の影響を受けにくく、快適な室温を保ちやすいという絶大なメリットがある一方で、家の中の湿気が外に逃げにくいという側面も持っています。

ロスガード90による計画換気が行われているため、基本的には問題ありませんが、生活スタイルによっては室内の湿度が上がりすぎてしまい、カビが発生するリスクが高まる可能性があります。

例えば、以下のような状況は注意が必要です。

これらの行動は、室内に多くの水蒸気を供給することになります。

特に、冬場は窓の表面温度が低くなるため、結露が発生しやすくなります。

そして、結露によって濡れた状態が続くと、窓のサッシやカーテン、壁紙などにカビが生えてしまうのです。

対策としては、湿度計を設置して室内の湿度を常に把握し、高すぎる場合は除湿器を使用する、意識的に換気扇を回すなどの工夫が求められます。

ロスガード90は素晴らしい換気システムですが、万能ではありません。

高気密住宅の特性を正しく理解し、住まい手自身が湿度管理に気を配ることが、カビを防ぎ、健康で快適な暮らしを維持するために不可欠です。

導入後に後悔しないためのポイント

一条工務店の換気システムを導入して後悔しないためには、これまで述べてきたメリットとデメリットの両方を正しく理解し、自身のライフスタイルや価値観と照らし合わせることが何よりも重要です。

以下に、後悔を避けるためのポイントをまとめます。

ランニングコストを許容できるか

月々の電気代はわずかですが、数年ごとのフィルター交換にはまとまった費用がかかります。

この長期的なコストを、きれいな空気環境への投資として納得できるか、事前に考えておく必要があります。

メンテナンスの手間を惜しまないか

フィルターの掃除や交換は、誰かがやってくれるわけではありません。

自分自身で定期的にメンテナンスを行う手間を、面倒だと感じずに実行できるかが、性能を維持する上で鍵となります。

音に対する許容度

音の感じ方は人それぞれです。

もし音に敏感な自覚があるならば、設計段階での設置場所の工夫はもちろん、宿泊体験などで実際の音を確認しておくべきでしょう。

高気密住宅の特性を理解する

換気システムに頼りきるのではなく、湿度管理など、住まい手側の工夫も必要であることを理解することが大切です。

これらのポイントを事前に検討し、納得した上で導入を決定すれば、「こんなはずではなかった」という後悔を大きく減らすことができるはずです。

契約前に相見積もりで一条工務店の換気システムを比較

一条工務店の換気システムは非常に高性能で魅力的ですが、それが本当に自分たちの家づくりにとって最適なのかを判断するためには、他の選択肢と比較することが不可欠です。

家づくりは、換気システムだけで決まるものではありません。

間取り、デザイン、断熱性能、そして最も重要な総額費用など、様々な要素を総合的に判断する必要があります。

そこでおすすめしたいのが、複数のハウスメーカーから見積もりやプランを取り寄せる「相見積もり」です。

一条工務店だけでなく、他のハウスメーカーがどのような換気システムを採用しているのか、その性能やメンテナンスコストはどうなのかを比較することで、一条工務店のシステムの優れている点や、あるいは他のメーカーに分がある点を客観的に把握できます。

しかし、一社一社住宅展示場を回って話を聞くのは、時間も労力も非常にかかります。

そこでおすすめなのが、「タウンライフ家づくり」のような一括見積もりサービスです。

自宅にいながら、簡単な情報を入力するだけで、複数の優良ハウスメーカーからオリジナルの間取りプランや資金計画、土地探しに関する情報までを無料で取り寄せることができます。

このサービスを利用すれば、各社の提案を横並びで比較検討できるため、自分たちの予算や要望に最も合った会社を見つけやすくなります。

一条工務店を本命と考えている場合でも、他の提案を見ることで、より納得感を持って契約に進むことができるでしょう。

損をしない、後悔しない家づくりのためには、比較検討というステップが絶対に必要です。