
ノブです。
建て替えを考え始めて、最初に手が止まったのが返済予定表でした。
住宅金融支援機構が発表した2026年9月の【フラット35】の金利は、返済期間21年以上35年以下・融資率9割以下で最も低いもので年3.460%です。8月の3.290%から上がり、今の制度になってから一番高い水準になりました。
日本銀行も2026年6月の金融政策決定会合で、政策金利を0.75%程度から1.0%程度へ引き上げています。
正直、この数字を見たときは、建て替えの話そのものを閉じかけました^^;
でも、よく考えるとここで大事なのは金利の高さより、今の家にまだ借入が残っていることのほうだったんですよね。残債をどう片づけるかが決まらないと、新しい家にいくら借りられるのかも決まらないからです。
この記事は、住宅ローンを返している途中の家を、平屋に建て替えたいと考えている方に向けて書きました。
僕の家もまだ返済が残っています。
銀行の窓口で「返済中でも建て替えのローンは組めますか?」と聞いたとき、担当の方は少し笑って「組める方は多いですよ。ただ、順番があります」と答えました。その順番を、ここに並べていきます。
- 返済中の家でも新しい借入で建て替えられる
- 解体の前にいま借りている銀行の承諾を取る
- 残債の片づけ方は完済・一本化など4通りある
- 月々の返済は年収の30%から35%で上限を見る
- 平屋を少し小さくすると借入額が下がっていく
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残債がある家でも建て替えはできる
- 返済の途中でも新しい住宅ローンの審査は受けられる
- 家を壊すと担保として残るのは土地の価値だけになる
- 残高が少ないほど借り方の選択肢が広がっていく
- 残高と金利と完済予定年の3つを返済予定表で見る
最初に結論を書いておきます。
ローンが残っていても、建て替えの道は閉じていません。新しい借入で古い借入を返し、そのうえで家を建てる、という流れが用意されているからです。ただし、新しく家を買う人とは違う確認がいくつか増えます。
近所の方で、築35年の家を建て替えた夫婦がいました。残債は300万円ほど。「あと数年待てば完済なのに、待つか建てるかで1年悩んだ」と話していて、結局は待たずに建てたそうです。
その1年で、資材の値段と金利のほうが先に動いてしまった、と。
だからこの章では、待つか動くかを決める前に、自分の手元で分かる数字から見ていきます。
返済中でも、新しい借入は組める
住宅ローンの審査は、借りる人の返す力と、担保の価値の2つで見られます。
いま返済中であることは、それだけで審査から外れる理由にはなりません。残っている借入も含めて、年収に対して無理のない返済かどうかが見られます。
見られるのは「借りているかどうか」ではなく「全部合わせて返せるかどうか」です。
ここは、僕も最初は勘違いしていました^^;
返済中の人向けには、古い借入と新しい借入をまとめて1本にする商品を用意している金融機関があります。名前は「建て替えローン」「住み替えローン」など、銀行によってまちまちでした。
取り扱いの有無も違います。
いま借りている銀行に無くても、別の銀行にはある、ということが普通にありました。だから、1行に断られたら終わり、ではありません。
窓口では「残債をまとめて建て替えに使える商品はありますか?」と聞けば、話が早く進みます。
聞き方ひとつで、担当の方が出してくる資料が変わりました。
建物が消えると、担保は土地だけになる
建て替えでいちばん特殊なのが、この点です。
いまの住宅ローンは、土地と建物の両方を担保にしていることがほとんどです。ところが建て替えでは、その建物を壊します。完成するまでの間、銀行から見える担保は土地だけになりました。
新しい家が建てば、また建物が担保に加わります。
問題は、その間です。
解体してから引き渡しまでの数か月、土地だけの価値で残債と新しい借入の両方を支えられるかどうかが見られます。土地の評価が低い地域ほど、ここで借入額が絞られやすくなります。
都市部と郊外では、同じ広さの土地でも評価に何倍もの差がありました。
平屋は広い敷地を使う家なので、土地に一定の広さがある方が多いはずです。その広さが、この場面では味方になります。
土地の評価額の目安は、毎年届く固定資産税の納税通知書にも載っています。
銀行の評価とは計算が違いますが、相談の前に手元の数字として持っておくと、話についていきやすくなりました。
残債が少ないうちほど、選べる道が増える
残債の額によって、取れる手段がはっきり変わります。
数百万円なら、手元の資金で返してから建てる道も見えてきます。1,000万円を超えると、まとめて借り直す道が中心になりました。
この差は大きいです。
完済してから建てるなら、新しい借入は普通の新築と同じ扱いになります。固定金利の【フラット35】も含めて、商品を広く選べました。
一方でまとめて借り直す場合は、その形を扱っている金融機関の中から選ぶことになります。
残債が小さいほど、比べられる商品の数が増えるということです。
だから、建て替えまで1年から2年の余裕があるなら、その間に繰上返済で残債を減らしておく考え方もあります。
ただし、手元の現金を空にしてまで減らすと、解体や引っ越しのときに困りました。ここは第3章で詳しく書きます。
まず手元で確かめる、3つの数字
相談に行く前に、返済予定表を1枚用意します。
見るのは3つです。
- いまの残高(何月時点の数字かも一緒に)
- 適用されている金利と、固定金利か変動金利かの種類
- 最終の返済予定年月
返済予定表が見つからなくても、銀行のネットサービスや、毎年届く残高証明書で確かめられます。年末調整で住宅ローン控除を受けている方なら、その書類に年末の残高が載っていました。
この3つが分かると、相談の中身が一気に具体的になります。
とくに金利です。
何年も前に借りた低い金利が残っている方は、まとめて借り直すと、そのぶん金利が上がる可能性があります。逆に、昔の高い金利のまま返している方なら、借り直しで下がることもありました。
いまの金利が、今の相場より高いか低いか。この1点で、借り直しの損得の向きが決まります。
メモ用紙に3行書くだけ。
5分で終わります。
解体の前に、銀行の承諾が要る理由
- 抵当権は登記簿の乙区に書かれていて誰でも確かめられる
- 担保の建物を無断で取り壊すと契約の条項に触れやすい
- 最初の相談先はいま返済している金融機関の窓口にする
- 旧ローンの完済と新しい設定は同じ日にまとめて進める
- 着工金や中間金の支払いには別の借入が要ることもある
建て替えの話を進めるとき、多くの人が建築会社から先に回ります。
僕もそうでした。
展示場で間取りの話が盛り上がり、概算の見積もりまで出てきたところで、担当の方に「いまのローンは、どちらの銀行ですか?」と聞かれました。そこで初めて、借りている銀行の了解がないと解体の日取りすら決められないと知ったんです。家を建てる話と、家を壊す話は、お金の上ではつながっていました。
この章は、その「壊す前」の手続きの話です。
抵当権は、建物にも土地にも付いている
住宅ローンを借りるとき、銀行は家と土地に抵当権を設定しています。
返済が止まったときに、その不動産から回収できるようにしておく権利です。
これは登記簿で確かめられます。法務局で登記事項証明書を取ると、権利部の乙区という欄に、抵当権者として銀行の名前と、債権額が書かれていました。
建物と土地は、登記簿が別々です。
だから、両方を取って見ます。1通あたりの手数料は数百円で、窓口でもオンラインでも請求できます。
家を買ったときの書類一式の中に、登記識別情報や、当時の登記簿の写しが入っていることもありました。
ただ、書かれている債権額は借りたときの金額です。
いまの残高ではありません。
残高は返済予定表で見て、抵当権がどの不動産にどの銀行名で付いているかは登記簿で見る。この2つを分けて持っておくと、銀行との話で迷わなくなりました。
黙って壊すと、契約違反になることがある
ここは強めに書いておきます。
担保になっている建物を、銀行に知らせずに取り壊すと、ローン契約の条項に触れることがあります。
契約書には、担保の物件の現状を変えるときは事前に銀行へ届け出る、または承諾を得る、という趣旨の文言が入っていることが多いです。自分の家を壊すのに許可が要るのか、と最初は思いましたが、銀行から見れば担保を消す行為そのものなんですよね。
解体業者と日程を決める前に、銀行への連絡を先に入れます。
届け出の書式は銀行ごとに違いました。
手元のローン契約書、正式には金銭消費貸借契約証書や抵当権設定契約証書という名前の書類を出して、担保の変更に関する条項を探します。見つからなければ、窓口で「担保の建物を建て替えるときの手続きを教えてください」と聞けば足ります。
聞くだけなら無料です^^
先に話を通しておくと、銀行のほうから必要な書類の一覧を出してくれました。
相談の窓口は、いま借りている銀行から
最初に行く先は、いま返済している金融機関です。
理由は3つあります。
いちばん大きいのは、完済の手続きと抵当権の抹消を進めるのが、結局はその銀行だからです。別の銀行で借り直すことになっても、旧ローンの銀行とは必ずやりとりが発生しました。
2つ目は、その銀行自身が建て替え向けの商品を持っているかどうかです。
持っていれば、旧ローンの完済と新しい借入を1つの窓口で進められます。書類のやりとりが半分で済みました。
3つ目は、繰上返済や完済にかかる手数料の確認です。
全額を返すときの手数料は、無料の銀行もあれば、数万円かかる銀行もあります。固定金利の期間中に完済すると、別の費用がかかる契約もあるので、必ず金額で聞きます。
ここで聞いた条件を持って、ほかの銀行と比べます。
1行目の話は、あくまで基準づくりでした。
抹消と再設定は、同じ日にまとめて動かす
旧ローンを返すと、抵当権を消す登記ができるようになります。
新しいローンを借りると、今度は新しい抵当権を付ける登記をします。
建て替えローンでまとめる場合、この2つが同じ日に動くのが一般的です。新しい銀行がお金を出し、そのお金で旧ローンを返し、旧い抵当権を消して新しい抵当権を付ける。司法書士がその場で一連の書類を扱う形でした。
順番を間違えられない手続きです。
だから、登記は司法書士に任せます。
建て替えではさらに、壊した建物をなくす滅失登記と、新しい建物を載せる表題登記も加わります。登記が4種類前後動くので、どれを誰がいつやるのかを1枚の表にしてもらいます。
費用の相場や順番の細かい話は、建て替えの総額を項目ごとに分けた記事のほうに書きました。
ここでは、抹消と再設定を別々の日にしないことだけ覚えておけば大丈夫です。
つなぎ融資が要る場面
注文住宅の支払いは、完成時に一括ではありません。
契約時、着工時、上棟時、引き渡し時と、何回かに分けて支払う形が多くなります。
ところが住宅ローンは、原則として建物が完成してから実行されます。完成前に払う着工金や中間金を、どこから出すのかという問題が出てきました。
手元の資金で払えれば、それで済みます。
払えない場合に使うのが、つなぎ融資です。完成までの短い期間だけ借りて、住宅ローンが実行されたら返す借入でした。住宅ローンより金利が高めで、事務手数料もかかります。
残債がある建て替えでは、旧ローンの返済と新しい家の支払いが重なるので、この場面が出やすくなります。
工事の途中で分けてお金を出してくれる「分割実行」ができる金融機関なら、つなぎ融資が要らないこともあります。
だから、金利と一緒にこの点も聞きます。
「分割実行はできますか?」
この一言で、数十万円の差が出ることがありました。
残った借入をどう片づけるか、4つの道
- 預金で完済すれば新しい借入は普通の新築と同じ扱い
- 一本化は残債と工事費をまとめて1つの返済にする形
- 先に元金を減らしておくと新しく借りる額も軽くなる
- 親子や夫婦で返す人を増やすと借入の年数に幅が出る
銀行の承諾の話が見えたら、次は残債そのものの扱いです。
道は4つありました。
どれが正解というより、残債の額と手元の資金、それに年齢の組み合わせで、向いている道が変わります。友人の家は残債400万円で手元を優先し、別の知人は残債1,200万円で一本化を選んでいました。同じ建て替えでも、選んだ道は正反対です。
1つずつ見ていきます。
手元の資金で完済してから建てる
いちばん単純な道です。
預金などで旧ローンを全部返し、抵当権を消してから、新しい家のために普通の住宅ローンを借ります。
この道のいいところは、借入先を広く選べることでした。
完済していれば、建て替えの借入は新しく家を建てる人とほぼ同じ条件で比べられます。
【フラット35】のような長期固定の商品も、候補に入ってきます。金利の上がり下がりに振り回されたくない方には、ここが大きいです。
気をつけたいのは、手元の現金です。
完済にお金を使い切ると、解体費、仮住まいの敷金、引っ越し代、家具といった、ローンの外で出ていくお金に回せなくなります。建て替えでは、この「ローンの外のお金」が数百万円単位になることが珍しくありませんでした。
だから、完済に使う額には上限を決めます。
生活費の半年ぶんは残す。
僕はこの線で考えています。
建て替えローンで、残債と建築費をひとつにまとめる
残債がそれなりに残っている方の、中心になる道です。
新しい銀行が、旧ローンの残債と建て替えにかかるお金をまとめて貸し出します。借りた人の返済は、新しい1本だけになりました。
たとえば残債が800万円、解体と建築と諸費用で2,400万円なら、借りる額は3,200万円前後になります。
数字にすると、ちょっと身構えますよね^^;
この道の強みは、手元の現金を残したまま建て替えられることです。一方で、借入額が大きくなるぶん、審査のハードルは上がります。担保の評価や年収に対して、全部の額が収まるかどうかが見られました。
一本化の審査は、残債と建築費を足した合計額で通るかどうかが分かれ目です。
それと、旧ローンの金利が低い方は、まとめたことで金利が上がることもあります。
いまの金利と、借り直したあとの金利を並べて、差がどれくらいかを先に出してもらいます。
繰上返済で残高を減らしてから借りる
完済と一本化の、間にある道です。
建て替えまでに時間があるなら、その間に繰上返済で旧ローンの元金を減らしておきます。まとめて借り直す額が小さくなるので、審査も返済も軽くなりました。
繰上返済には2種類あります。
毎月の返済額を変えずに返済期間を短くする「期間短縮型」と、期間を変えずに毎月の額を下げる「返済額軽減型」です。
建て替えを前提にするなら、元金そのものが減るかどうかが大事で、どちらの型でも減る元金は同じです。ただ、毎月の家計に余裕を作りたいなら返済額軽減型のほうが、建て替えまでの貯金を続けやすくなります。
手数料も確かめます。
ネットからの繰上返済なら無料、窓口だと数千円から数万円、という銀行が多くありました。
ただし、ここでも手元を空にしないことが先です。繰上返済に回したお金は、原則として戻ってきません。
減らしすぎないのがコツです。
親子リレーやペアローンで、返す人を増やす
4つ目は、借りる人を1人から2人にする道です。
親子リレー返済は、親が借りて、途中から子が返済を引き継ぐ形でした。親の年齢だけでは借入年数が短くなってしまう場合に、子の年齢で年数を取れるようにする仕組みです。
ペアローンは、夫婦や親子がそれぞれ別の住宅ローンを組んで、2人で返していく形です。
どちらも、1人では届かない額に届くようになります。
ただし、関わる人の人生もローンに入ってきます。子どもが将来ほかの場所に家を持ちたくなったとき、親の家のローンを背負っていると、自分の住宅ローンの審査に響くことがありました。家族の誰が、いつまで、いくら返すのかを、借りる前に全員で紙に書いておきます。
話しにくい話です。
でも、建てたあとに話すよりは、ずっと楽でした。
親子で平屋に建て替えて同居するような場合は、この道がとくに現実的になります。
借り方が決まれば、次に見るのは毎月の数字です。借入額は、ほかでもない建てる家の総額で決まるので、自分の土地で作った平屋プランと資金計画書を複数社から取り寄せて並べると、借りる額の見当がつきます。
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月々の返済は、いくらになるのか?
- 3,200万円を年3.46%で35年なら毎月13万円台になる
- フラット35の返済負担率は年収400万円で線が変わる
- 車や教育の借入の返済も年間返済額に合算されていく
- 金利0.5%の差は35年間の総返済で380万円前後になる
- 残りの返済年数が短い人ほど金利の変動の影響は小さい
ここからは、実際の数字で見ていきます。
残債がある建て替えで、いちばん知りたいのはここだと思います。僕もそうでした。「結局、毎月いくら払うのか?」が分からないと、平屋の間取りを考える気にもなれなかったんです。
先に書いておくと、この章の試算は分かりやすくするための例です。
実際の金利は、借りる銀行と商品と、借りる人の条件で変わります。
800万円の残債と2,400万円の建築費で試算する
条件を置きます。
残債800万円、解体と建築と諸費用で2,400万円、合わせて3,200万円を、35年の元利均等で借りるとします。
金利は、住宅金融支援機構が発表した2026年9月の【フラット35】の最も低い金利と同じ、年3.46%で置きました。
この条件だと、毎月の返済は約13万1,500円、35年間の総返済額は約5,524万円です。
借りた3,200万円に対して、利息が2,300万円を超えます。
数字を見て、しばらく黙りました(笑)
比べるために、残債がゼロで2,400万円だけを同じ条件で借りた場合も出しておきます。毎月は約9万8,600円でした。
差は、月に約3万3,000円。
残債の800万円が、毎月3万円台の重さで乗ってくる計算です。残債1万円あたり、35年で約1.7万円を返すイメージになります。
この数字を知っておくと、繰上返済でいくら減らすか、平屋を何坪にするかの判断が、同じ物差しでできるようになりました。
返済負担率は、年収の30%から35%が上限の目安
審査で必ず見られるのが、返済負担率です。
年収に対して、年間の返済額が何%になるかという数字でした。
【フラット35】のご利用条件では、年収400万円未満なら30%以下、年収400万円以上なら35%以下が基準として示されています(2026年9月に確認)。
年収600万円で35%なら、年間210万円、月にすると17万5,000円が上限の目安です。
先ほどの月13万1,500円なら、年間で約158万円。
年収600万円に対して約26%なので、この基準の中には収まります。
ただし、上限いっぱいまで借りると、家計はかなり苦しくなります。審査に通る額と、毎月の暮らしが回る額は別物でした。
民間の銀行は、実際の金利より高めの「審査用の金利」で返済額を計算することがあります。そのぶん、同じ年収でも借りられる額が小さく出ることがありました。
暮らしが回る額から逆に組み立てる方法は、借りられる額ではなく返せる額から組む平屋の資金計画のほうに手順で書いています。
車のローンも、返済負担率に数えられる
ここは見落としやすいところです。
返済負担率の「年間返済額」には、住宅ローン以外の借入の返済も入ります。車のローン、教育ローン、カードの分割払いやリボ払いなども数えられました。
たとえば車のローンが月3万円あると、年間36万円です。
年収600万円の35%、210万円の枠から36万円が先に引かれて、住宅ローンに使える枠は174万円まで下がります。
月にすると14万5,000円。
先ほどの13万1,500円に、かなり近づいてきました。
建て替えの審査の前に、完済できる小さな借入は片づけておくと、枠が戻ってきます。
それと、使っていないクレジットカードのキャッシング枠も確かめておきます。
実際に借りていなくても、枠があるだけで審査の中で見られることがある、と銀行の担当の方に言われました。僕は使っていないカードを2枚解約しています^^
家族カードや、スマホ本体の分割払いも忘れがちです。
一度、全部を書き出してみると、思っていたより多くて驚きました。
金利が0.5%違うと、35年でどれくらい変わるか
3,200万円、35年の条件はそのままで、金利だけを0.5%下げて年2.96%にしてみます。
毎月の返済は約12万2,400円になりました。
月に約9,100円の差です。
小さく見えますが、35年間の総返済額で見ると、3.46%の約5,524万円に対して2.96%は約5,142万円。差は約380万円です。
平屋の外構工事がまるごと入るくらいの金額でした。
だから、金利の0.5%は、建て替えの予算の中では大きな項目になります。
銀行によって、同じ時期でも適用される金利には幅があります。【フラット35】も、9月の金利は取り扱う金融機関によって違っていて、発表される数字はその中で最も低いものでした。
1行だけで決めずに、少なくとも2行から3行の条件を並べます。
金利、手数料、保証料、団体信用生命保険の中身。この4つを横に並べると、表面の金利だけでは見えない差が出てきました。金利は低いのに手数料が借入額の2%前後かかる商品もあるので、総額で比べます。
変動か固定かは、残りの年数で考える
建て替えで借り直すとき、変動金利にするか固定金利にするかも決めます。
日本銀行が2026年6月に政策金利を1.0%程度へ引き上げたことで、変動金利の住宅ローンも見直しの動きが出ていました。【フラット35】などの固定金利も、長期金利の上昇を受けて上がっています。
どちらが得か、という問いには答えが出ません。
先のことは誰にも分からないからです。
その代わりに、自分がどれだけ金利の変化に耐えられるかで考えます。返済の年数が長いほど、また借入額が大きいほど、金利が動いたときの影響は大きくなります。
残債をまとめて3,000万円台を35年で借りる方と、1,000万円台を15年で借りる方では、同じ0.5%の上昇でも重さがまったく違いました。
年数が短く、額が小さいなら、変動の低い金利を取りにいく考え方もあります。
年数が長く、額も大きいなら、毎月の額が変わらない固定で家計を守る考え方が合います。
両方を半分ずつ組み合わせる方法もありました。
50歳を過ぎると、借りられる年数が縮む
- フラット35は80歳から申込時の年齢を引いた年数が上限
- 退職金で残りを返す計画は受け取る額を書面で確かめる
- 団体信用生命保険は健康状態の告知で加入が決まっていく
- 親子で借りるなら子の住まいの予定も一緒に話しておく
建て替えを考え始める年齢は、40代後半から60代が多くなります。
家が築30年を超えるころに、ちょうどそのあたりの年齢になるからです。
ここで効いてくるのが、完済のときの年齢でした。親戚の叔父は58歳で建て替えの相談に行き、「35年は無理です」と言われて、月々の額が想定より4万円近く上がったと話していました。
年齢は変えられません。だから、先に仕組みを知っておきます。
完済時の年齢の上限は、80歳が多い
住宅ローンには、完済するときの年齢に上限があります。
80歳未満、あるいは80歳までに完済、としている商品が多くありました。
【フラット35】のご利用条件では、借入期間は15年以上で、「80歳から申込時の年齢を引いた年数」と35年の、どちらか短いほうが上限になっています。申込時の年齢は満70歳未満です。
45歳なら、80から45を引いて35年。
50歳なら30年です。
55歳なら25年になります。
3,200万円を年3.46%で借りる例に当てはめると、30年なら毎月約14万3,000円、25年なら約15万9,500円でした。35年のときの約13万1,500円と比べて、25年だと月に2万8,000円ほど重くなります。
年数が短くなるのは、悪いことばかりではありません。
総返済額で見ると、25年のほうが約4,785万円と、35年の約5,524万円より700万円以上少なくなります。
毎月が重いか、総額が重いか。どちらを取るかの話でした。
退職金をあてにする計画の組み方
年数が取れないぶん、定年後も返済が続く計画になる方がいます。
そのときによく出てくるのが、「退職金で残りをまとめて返す」という考え方です。
これ自体は、よくある組み方でした。
ただし、退職金の額を思い込みで置かないことです。勤め先の退職金規程や、人事の窓口で出してもらえる見込み額を、書面で確かめてから計画に入れます。
会社の制度が途中で変わることもあります。
転職していれば、前の会社の分は既に受け取っていることもありました。
それと、退職金を全部返済に回すと、老後の生活費が細くなります。平屋に建て替える理由が「老後に楽に暮らしたいから」なら、ここを削ると本末転倒です^^;
退職金のうち、返済にあてるのは何割までにするのかを考えます。
その割合を先に決めて、残りを借入の年数と毎月の額で調整します。定年の時点でローンの残高がいくら残る計画なのかを、銀行の返済予定表の試算で出してもらうと、数字で判断できました。
団体信用生命保険の審査も通す
住宅ローンを借りるとき、多くの場合は団体信用生命保険、略して団信に入ります。
借りた人が亡くなったり、所定の高度障害の状態になったりしたときに、保険で残りのローンが返される仕組みです。
民間の銀行の住宅ローンでは、団信への加入が借入の条件になっていることが多くありました。
そして団信には、健康状態の告知があります。
年齢が上がると、通院や服薬の経験がある方も増えてきます。持病があると、一般の団信に入れないことがありました。
その場合でも、加入の条件を広げた「ワイド団信」を用意している銀行があります。金利が少し上乗せされる形です。
残債がある建て替えでは、旧ローンで入っていた団信は、旧ローンの完済と同時に終わります。新しい借入では、あらためて告知と審査を受けることになりました。
前に入れたから今回も入れる、とは限りません。
だから、健康状態に心当たりがある方は、金利の比較より先に団信の条件を聞いておきます。
子どもと一緒に借りるときの注意
年齢で年数が取れないとき、子どもと一緒に借りる形が候補に上がります。
第3章で書いた親子リレー返済や、親子のペアローンです。
この場合、子どもがその家に住む予定かどうかで話が変わります。
住宅ローンは、原則として借りる人本人や家族が住む家のための借入です。子どもが別の場所に住み続ける予定なら、条件に合わないことがありました。商品ごとに決まりが違うので、最初の相談で確かめます。
それと、子どもの側の将来です。
親の家の借入を背負っていると、子どもが自分の家を買うときに借りられる額が小さくなります。子どもの年収で見た返済負担率に、親の家の分がすでに乗っている状態になるからです。
だから、子どもには数字で説明します。
「月にいくら、何年から何年まで」を紙に書いて渡すと、話が具体的になりました。
家族会議は1回で終わりませんでした(笑)
住宅ローン控除と、今の金利水準
- 令和8年に入居する認定住宅等なら控除の年数は13年間
- 旧い借入の返済にあてた部分の扱いは税務署で確かめる
- フラット35は既存の借入を返すお金には使えない決まり
- 9月の固定金利3.46%は8月より0.17ポイント上がった
借り方と年数が見えたら、次は税金と金利の話です。
ここは制度の話なので、少し硬くなります。
ただ、知っているかどうかで10年以上にわたって差が出る部分でした。
2026年の入居は、省エネ性能で控除が決まる
住宅ローンを借りて家を建てると、一定の条件で所得税などが軽くなる、住宅借入金等特別控除があります。
いわゆる住宅ローン控除です。
国税庁の住宅の新築等をし、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)のページでは、令和8年(2026年)に入居する認定住宅等の控除期間は13年間とされています(2026年9月に確認)。
一方で、省エネの基準を満たさない「その他の住宅」は、令和8年入居だと原則として控除の対象になりません。
これから建て替える家が、どの区分の住宅になるのかを、建築会社に書面で確かめておきます。
ほかの主な条件も、同じページに並んでいます。
返済期間が10年以上の借入であること、床面積が原則50平方メートル以上であること、合計所得金額が原則2,000万円以下であること、新築から6か月以内に住み始めることなどでした。
平屋でも、この条件の考え方は2階建てと変わりません。
床面積の50平方メートルは約15坪なので、夫婦2人の小さな平屋でも、多くの場合は超えてきます。
旧ローンの返済分は、控除の対象か確かめる
残債をまとめて借り直す場合に、気になる点があります。
新しい借入のうち、旧ローンを返すために使った部分です。
住宅ローン控除は、家を新築したり取得したりするための借入を対象にした制度です。まとめて借りた額のうち、どこまでが新しい家のための借入として扱われるのかは、借入の中身によって判断が分かれることがありました。
ここは、僕が言い切れる部分ではありません。
借入の内訳を書いた書類を持って、税務署の相談窓口か、確定申告の前に税理士に確かめます。
銀行でも、建て替えローンの控除の扱いについて案内を用意していることがあります。
借入の契約書で、資金の使いみちが「建物の建築資金」「旧住宅ローンの返済資金」のように分けて書かれているかも見ておきます。分けて書かれていると、あとで説明がしやすくなりました。
控除は、入居した年の分を翌年の確定申告で受けるのが最初の手続きです。
1年目だけは、自分で申告します。
【フラット35】は、残債の返済には使えない
固定金利で考えたい方が、最初に思い浮かべるのが【フラット35】だと思います。
ただ、ご利用条件の資金使途を見ると、対象は本人や親族が住む新築住宅の建設・購入資金などで、既存の住宅ローンを返すための資金は対象外とされています。
つまり、残債と建築費をまとめて【フラット35】で借りる、という形は取れません。
ここは、ちょっと残念でした^^;
【フラット35】を使いたいなら、旧ローンは手元の資金で完済するか、別の方法で片づけてから、建て替えの建築費だけを借りる形になります。第3章の「完済してから建てる」道を選ぶと、固定金利の選択肢が広がるということです。
残債が数百万円で、手元の資金に余裕がある方には、この組み合わせが合います。
残債が大きい方は、民間の銀行の建て替えローンで、固定の期間を選べる商品を探すことになりました。10年固定や全期間固定を扱っている銀行もあります。
金利が上がる局面での固定と変動
最後に、いまの金利の置かれている場所を確認しておきます。
住宅金融支援機構が発表した2026年9月の【フラット35】の最も低い金利は、年3.460%でした。8月の3.290%から0.17ポイント上がっています。
日本銀行は2026年6月に、政策金利を1.0%程度へ引き上げました。
この流れの中で建て替えの借入を組むなら、「金利が下がるまで待つ」という選択は取りにくくなります。いつ下がるのかは、誰にも約束できないからです。
待っている間に、残債は少しずつ減ります。
その一方で、年齢は1つずつ上がり、借りられる年数は1年ずつ縮みました。待つ1年で減る残債と、縮む借入年数を、同じ表に並べて比べます。
金利は選べませんが、借入額は選べます。
その借入額を小さくする方法が、次の章の話です。
平屋を小さく建てて、借入を抑える
- 坪単価70万円なら延床を2坪削るだけで140万円下がる
- 解体費や仮住まい代を借りるか現金で払うかを先に決める
- 2社から3社の資金計画書を同じ条件で横に並べて比べる
- 残債の重さによってはリフォームのほうが家計に合う場合もある
残債は、今から大きくは変えられません。
変えられるのは、これから建てる家のほうです。
知人の夫婦は、最初に34坪の平屋で計画を立てていました。子どもが独立したあとの2人暮らしなのに、客間と納戸を「あったほうがいい」で足していった結果の坪数です。残債を足した借入額を見て、2人で間取りを見直し、最終的に28坪に落ち着いたと聞きました。
この章は、そういう見直しの話です。
延床を2坪削ると、借入はどれくらい軽くなるか
計算を簡単にするために、坪単価70万円で考えます。
2坪削ると140万円。
3,200万円を年3.46%で35年借りる例なら、140万円減らすと毎月の返済は約5,800円下がります。35年間の総返済で見ると、約240万円の差です。
坪単価は会社や仕様によって大きく違うので、ここはあくまで考え方の例でした。
平屋は、階段と2階のホールが要りません。
同じ暮らしをするのに、2階建てより小さい坪数で足りることがあります。「この暮らしを平屋でするなら、何坪あれば足りますか?」と建築会社に聞くと、削れる場所が見えてきます。
削る順番も決めておきます。
使う頻度の低い部屋から。
年に数回しか使わない客間は、リビングの続きの和室にまとめると、1部屋ぶんの坪数が浮きました。納戸も、屋根裏や外の物置に分けると小さくできます。
逆に、断熱や窓の性能は削りません。前の章で書いた住宅ローン控除の区分にも関わってくるからです。
解体と仮住まいのお金も、借りるか決めておく
建て替えでは、建物の工事費のほかに、解体費、仮住まいの家賃、2回の引っ越し代、登記の費用などが出ていきます。
これを借入に含めるのか、手元の現金で払うのかを先に決めます。
含めれば手元は残りますが、借入額が膨らみます。
現金で払えば借入は抑えられますが、手元が細くなりました。
残債がある方は、すでに借入額が大きくなりやすいので、ここは慎重に分けます。ローンの外で出ていくお金を先に一覧にして、どれを借入に入れるかに線を引きます。
諸費用まで借入に含められるかは、商品によって違います。
建て替えで何にいくらかかるのかは、平屋の建て替え費用を解体から引き渡しまで項目ごとに分けた記事に、30坪の木造を例にして並べました。この一覧をそのまま、借りる分と現金で払う分に仕分ける表として使えます。
仕分けは、紙に2列作るだけです。
左が借りる分、右が現金の分。
右の列の合計が、手元に残しておきたい額を割り込まないかを確かめます。
資金計画書は、2社から3社を並べて比べる
ここまでの数字を、自分の家の条件で出してもらう段階です。
建築会社の多くは、見積もりと一緒に資金計画書を作ってくれます。建物の費用だけでなく、諸費用や借入額、毎月の返済の目安までが1枚にまとまった書類でした。
残債がある方は、相談の最初に残債の額を伝えます。
そうすると、資金計画書にも旧ローンの返済分が入った形で出てきます。残債を伝えずに作ってもらった資金計画書は、借入額が実際より小さく見えてしまいます。
そのうえで、2社から3社の計画書を並べます。
同じ坪数、同じ部屋数、同じ予算の幅で頼むと、金額と中身の差が見えてきました。ある会社は解体費を含めていて、別の会社は含めていない、ということもよくあります。
比べる列は4つで足ります。
建物の費用、それ以外の費用、借入額、毎月の返済額。
この4列が埋まれば、残債を含めても無理のない会社がどこか、数字で判断できるようになりました。展示場に何度も通わなくても、手元に紙が揃えばここまでは進められます^^
建て替えをやめて、リフォームにする判断
ここまで数字を並べて、それでも借入が重いと感じる方もいると思います。
そのときは、建て替えにこだわらない道もあります。
リフォームなら、建物を壊さないので、担保の建物が消える問題が起きません。仮住まいが要らない工事もあり、住みながら進められることもあります。旧ローンを返しながら、リフォームの分だけを別に借りる形も取りやすくなりました。
その代わり、間取りを平屋のように大きく変えるのは難しくなります。
2階建てを平屋にする減築という工事もありますが、費用は大きくなりがちでした。
どちらが得かは、築年数と、構造の傷み具合と、残債の額で変わります。築30年前後の木造なら、総額で比べると、建て替えとリフォームの差が思ったより小さくなることもあります。
その逆転の条件は、建て替えとリフォームでどっちが得かを築30年の木造で比べた記事で整理しました。
残債がある今こそ、両方の数字を並べてから決める意味があります。
まとめ:残債は、建て替えを止める理由にならない
住宅ローンの残債がある家でも、建て替えはできます。見られるのは借りているかどうかではなく、残債と新しい借入を合わせて返せるかどうか、そして家を壊したあとの土地の価値でした。だから、動く順番が大事になります。返済予定表で残高と金利と完済予定年を確かめ、いま借りている銀行に解体の前に相談し、残債を完済するか、まとめて借り直すか、減らしてから借りるか、家族で返すかを選ぶ。この順番を守れば、残債は計画の中の1つの数字になります。
僕も最初は、残債の額を見て建て替えの話を閉じかけました。けれど、800万円の残債が毎月3万円台の重さだと分かり、平屋を2坪小さくすると毎月の返済が6,000円近く軽くなると分かってからは、話がぐっと現実に近づいたんです。重さの正体が数字で見えると、どこを削ってどこを残すかを家族で落ち着いて話し合えるようになりました。
まずは返済予定表を1枚出して、3つの数字をメモするところから始めてみてください。一社だけで決めなくて大丈夫です。
- 返済中の家でも新しい借入で建て替えられる
- 審査は残債と新しい借入の合計で見られる
- 解体の前にいま借りている銀行へ相談する
- 残債の片づけ方は完済と一本化など4通り
- 3,200万円を3.46%で35年なら月13万円台
- 返済負担率には車のローンも含まれる
- フラット35の上限は80歳から年齢を引いた年数
- フラット35は旧ローンの返済には使えない
- 控除の扱いは借入の内訳を持って確かめる
- 平屋を小さくすると借入と返済が軽くなる
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費用はかかりません。依頼する会社は自分で選べます。

